濃密ディテールとジョックス体型のカーニバル、ジプシー・デンジャーのプラモデルを組め!!
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PLAMAXシリーズでチェルノ・アルファに続き、ジプシー・デンジャーが発売されました。
(チェルノ・アルファの記事はこちら
このプラモデル、とにかくテンションが異常です。めっちゃテンション高い!!!!
カイジューぶっ倒すならやっぱりチェルノ・アルファよりジプシー・デンジャーでしょ!!!




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▲胴体上面。表面はガンプラ並みに平滑というわけではありませんが、パネルラインが「に、日本のロボットじゃねえ!」という感じに満ち溢れております。


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▲抜き方向を考えながら見てください、この三連ノズル!中のコーンまでビシっと抜けていますが、設計どうなってんだ!設計者呼んでこい!!!


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▲ふくらはぎ外装です。この曲面とゆるいエッジと唐突な平面の調和が人類の進歩を感じさせてくれます。怪獣出てこいや!!!(高田延彦)


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▲LED発光ユニットが同梱されているのでこのクリアーパーツ越しにタービンがギョワーっと光ってるのが電池入れるだけで再現可能。電飾は最高。


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▲メインの武装は握りこぶし!このディテール!!殴って殺す!!!


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▲謎変形してプラズマキャノンに!というのは差し替えで再現します。ガッチャガチャのディテールにしびれますね。


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▲成型色はブルーとフレーム色(グレー)。内部フレームと言ってもパーツ数は全然多くなく、ディテール満載のフレームパーツをバチバチ組めばオッケーです。


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▲フレーム組むのってダルいじゃないですか。でもこの二重三重になった構造がディテールとして刻み込まれているので、適当に塗り分けて墨入れすれば立体感抜群。


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▲背骨を取り囲む配管もこの通り有機的な曲線です。ホワイトで塗り分けて赤いコーション入れたら絶対かっこいい。


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▲プラモデルというのは金型で割られる都合で上下にしか彫刻ができないという制約の中でどんだけ豊かな表現をするかというスポーツでもあります。


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▲俺はこのパーツを見たときに叫んだね。プラズマキャノンの根本なんですが、絡み合った配線とコネクタとフレームが彫刻だけで再現されているわけです。スポーツここに極まれり。


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▲説明書は当然カラーです。フレームちまちま塗り分けて外装ダーンと塗れば完成。いや、塗らなくても真っ青なロボットだから全く問題なし。


異常な密度のディテールが入った大振りなパーツをバンバンバンと組み立てていくだけで立体的かつ重層的なメカが高速で組み立てられていきます。
とにかくテンションが高いし、そもそもフレームと外装は完璧に分かれたデザインなので色を塗ったりするのも超簡単。
「初めてのロボットモデル」には絶対最適です。(ABSの関節パーツが異常に固いのが問題ですが、まあ力でどうにかしましょう)。
例えばスミ入れだけしてみようとか、一色でガーンと塗ってみようとか、ここだけ違う色にしてみようとか、
そういうことをしてみようという気になるパーツ分割というか、もともとのデザインがそういうふうになってますからね。

しかもこのヒーロー体型というかアメフトバカみたいなプロポーションでございますから、どう塗っても絶対に強そうになる。
……ということで、あまりにテンションが高すぎて途中写真なし、このブログにしては珍しくいきなり塗装済み完成品が登場してしまうのです。


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▲キャプテン・アメリカの色で塗ってしまいました。シルバー塗ってからクリアーブルーとクリアーレッドで塗り分けただけです。しかし最強。


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▲グレーのパーツはディテールにちまちまとタミヤカラーのメタリック系を塗りたくって、へこんだところにガッツリスミ入れ。見よこの強烈なディテール!


正直ゲート処理も合わせめ消しも何にもしてませんが、まあこういうふうに超高速で模型を塗って完成に至るというのが
なんとも最高だし「はい!次!」という感じでテンションが高いのが伝わったでしょうか。
もちろん真面目にパーツをひとつひとつ処理するのもまあいいですが、あなたの模型なので好きに遊んでください。
ガンプラではあんまり見られないビーフステーキのグレービーソースがけみたいな濃厚な米国的味わい(スタイリング)と
3DCGムービーならではのゴッテゴテなディテールはあなたの腕に合わせて絶対に面白い表情を見せてくれるはずです。

オススメはとにかく金属色(真鍮っぽい色とシルバーとメタリックグレーあたり)を買ってきて、フレームに面相筆でちまちまと塗る作業。
これをやるだけでディテールアップとかしなくてもすっげえ密度感の模型になります。
外装はつや消しでスミ入れしてもいいし、こんな風にグロスで仕上げても絶対かっこいい。映画でもテカってたしね。

ということでパシフィック・リムよりジプシー・デンジャーでした。
いままで組んだどんなロボットプラモデルよりも面白いと断言できる内容になってるので、皆様ぜひ。






# by kala-pattar | 2017-01-14 23:03 | プラモデル | Trackback | Comments(0)

そろそろ、『ローグ・ワン』の話をしようか。
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忘れてはいけない、我々はこれから毎年毎年、12月になると「新しいスター・ウォーズ」を見せられるのだ。
アナキン・スカイウォーカーにまつわる物語は俺の中で完結しているけど、そんなことはお構いなし。
知りたくもない歴史のスキマの出来事はことはおろか、知ったこっちゃない話まで映像になるだろう。
それでも公開初日になれば「ちっ、しょうがねえな」という気持ちを携えながら、俺たちはチケットを握りしめて映画館に行くのだ。

『フォースの覚醒』をひととおり褒めてみたけど、どこかで自分を騙しながら暮らしていた自分は
昨年末の『ローグ・ワン』公開日も、寝床から"しかたなく"チケットを予約し、会社を定時に抜け出すと映画館へと走った。





スクリーンが暗転すると、馴染みのファンファーレも無ければ、黄色いクローラーもない、いつ、誰の話なのか知りたくもないようなスター・ウォーズが始まった。
なんだか知らん人がなんだかトラブルに巻き込まれて、なんだか大変なことになる。
ジェダイ信奉者たちの都市を、アノニマスでアイコニックなストーム・トルーパーが闊歩し、空にはスター・デストロイヤーが浮かんでいる。
好きなものが、知らないものの周りにまとわりついている。
騙されるな。これはスター・ウォーズじゃない。スター・ウォーズに出てきたメカが、たまたま他の映画にカメオ出演しているだけだ。
お手並み拝見といこうじゃないか。

眠くなるようなお話と映像が延々続き、「ああ、こりゃSWファンでも相当な中毒者じゃないと見られないだろうな」と
"何様目線"が自分の中でむくむくと湧き上がる。ブログでどうやって褒めたらいいだろうか。何を書こうか……。
そして、舞台はデス・スターの設計図があるという、惑星スカリフに移る。

ここから先の記憶は、ほとんど吹き飛んでいる。
正確に言うと、涙で何も見えなかったのだ。

なぜ泣く。自分は何に泣いているんだ。

そこにはXウイングがいて、TIEファイターがいて、レッドリーダーやゴールドリーダーがいて、
ワープアウトする反乱同盟軍の艦艇たち(そこには病院船やツナ・シップさえいるのだ)はスター・デストロイヤーと交戦する。

どうしてくれよう。
模型じゃないか。

ローグ・ワンは貴方達に「キミはスター・ウォーズの何を見ていたのか」を問うてくる映像作品である。
キャラクターなのか、お話なのか、音楽なのか、チャンバラなのか、親子の絆なのか、理力というファンタジーなのか。
そして、俺はスカリフの上空で悟ったのである。

なんのことはない、俺はスター・ウォーズを見ていたのではなく、「スター・ウォーズに出てくる撮影用の模型」に憧れ続けていたのだ。
それをごまかしごまかし、延々と「サーガだ」「親子だ」「フォースだ」と吹いて回っていたのである。

スター・ウォーズというのは、模型の映画である。
樹脂の神様とジョージ・ルーカスとが出会って産み落とされた、樹脂のポルノなのである。
プラモデルを寄せ集めて作られた奇想天外なカタチの宇宙船がノロノロと動き回る宇宙が、俺にとって最大の「リアリティ」の根源であり
それ以外のことは全部おかずであり、オマケであり、ツマのようなものだった。

2016年の映画館で、何万回と食い入るように見た模型が動いている映像に出会うなんて。
「何言ってんだ、あれはCGだろ」という人もいるかもしれない。でも、それは違うのだ。
模型で再現されたカタチ以外、許せんのだ。結局、そういう偏屈で近視眼的でどうしようもない認識の持ち主だったのだ。自分は。

いくら説明しても同じ目で見ている人としか共有できないのだろうけども、
ビークルの動線も、カメラの画角も、動きかたも、影の落ちかたも、パーツの透けかたも、ディテールの甘さも、何もかもが
「77年のあの映画につながるように作らなければならない」という意志のもとに作られているのだ。
そう、ローグ・ワンが、あの"樹脂の映画"へとつながるには、
現代のコンピューターの持てる力をすべて使って、"樹脂の映画の模型"を作ることが命題だったのだ。

SWに熱中した子どもたちが育ち、ふたたび樹脂の神との交感によってのみ、SWを作りあげたことに感動する。
……なんと卑屈で、なんと矮小な映画の楽しみ方なのだろう。
俺が散々バカにしてきた、「一年戦争のMSしか認めないオタク」と何が違うんだろう。

そう思って、この映画を作っていた人たちがデザインワークにどんな気持ちを込めたのか知るために一冊の本を買った。

アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

この本は、絶望の書である。
スター・ウォーズユニバースにおける「新たなデザイン」の不可能性を証明してしまっているようにすら、思える
XウイングやTIEファイターに負けないキャラクターを作り出そうとして、挫折した男たちの、誇らしくも悲しい、白旗だ。

ローグ・ワンに登場した新たなデザインのメカたちが、いかに忸怩たる思いの上に成立し、そして敗れ去ったのか。
スカリフの上空で、最後にスクリーンを埋め尽くすのは、ラルフ・マクォーリーの描いた「かつてないほど新しく、そして古びたメカたち」であった。
おそらく、スター・ウォーズというシリーズにおいて、この構造を覆すことは一生できないだろう。
1977年に起きた創世のそのあと、樹脂の神は微笑み続けるのだから。
イミテーションと、輪廻の渦の中で。



# by kala-pattar | 2017-01-11 22:43 | Movie&Books | Trackback | Comments(2)

スミ入れなんてもうやめて、鮮やかに行こうぜ。プラモの色を変える「フィルタだけ仕上げ」のススメ
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はいみなさん、GSIクレオスの新製品、フィルタリキッドシリーズは買いましたか?
前からこういう製品がほしいとずっと思っていたのですが、ようやく「これじゃー!」というものが出たので紹介します。
とにかくラクチンかつ劇的にあなたの模型ライフを変える可能性があるのでプラモデルやってる人は注目です。




最近のプラモデルって色が分かれてることが多いじゃないですか。ガンプラとかをはじめとするキャラクターモデルならなおさら。
で、これをまあパチパチ~と組んでそのままにしておくのもイイんですけど、そのままじゃ味気ない。

じゃあ塗るか〜っつってもスプレーだマスキングだ筆だ塗料だとけっこうめんどくさいんですね。

めんどくさいのが好きな人(俺含む)はまあそれを頑張ってやるけど、たまにはババっと遊んで終わりにしたい、
……でも世界に一つの、俺のプラモにしたい、という欲張りさんもいると思うんですよね(俺もだ)。

で、そういうときは昔から提唱されている「半透明の塗料やマーカーでプラモそのものの色の調子を変える」というのがイイカンジだと思うんですよ。
これまでにもGSIクレオスからは「ウェザリングカラー」というイイカンジに薄まってて拭き取りも楽な油絵の具系のリキットが売られていました。




ところが上のラインナップを見れば分かる通り、無彩色の白、灰色、黒と茶系の色しかなかったんですよね。
これはまあ戦車や飛行機を汚すときの土、砂、オイル、サビなどを連想させる色が「メカをそれっぽく仕上げるときに使いやすい」ということだと思います。
タイトルで言ってる「スミ入れ」というのは、読んで字のごとく「スミ=黒系の色」を流すのって、正解か?という問いでもあります。

しかしですよ、なんというかこう、模型の色が茶色一辺倒だとアホっぽくなるんですよね。
世の中のものすべてがそんなにサビサビじゃないしオイルまみれでもないでしょうし、
宇宙船とかモビルスーツとか女の子の衣装とかに影色をサッと入れたいとき、茶色だとどうしてもうす汚い感じになってしまう。

イラストを描く人ならわかると思いますが、影というのは明度がそのまま落ちた色を塗るとどうしても地味になってしまいます。
例えばこことかを見るといいと思います
印象派のおっさんたちが影に黒を使わなかったように、紫や青でトーンを落とすといきなりいい感じになりますのでお試しあれ。

……ということで例題としてマックスファクトリーのアリエちゃんを使って見ましたのでご笑覧ください。
このミニマムファクトリーというシリーズは色分けがされていて目はデカールを貼るだけなので誰でも女の子フィギュアを得られます。
当然全身像なのでムフフなところもパーツになってるし、合わせ目を消さなくてもオッケーな1/20(全高80mmくらい)なのがいいんです。
パッと買って、パーツ切り離して、貼るだけです。





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説明書もフルカラーだし手順とかなくバーっと組めるのがいいですね。
とにかく少ないパーツ数で、前後合わせとかがまったくない構成なので流し込み接着剤あればあとはカッターとニッパーだけでいけます。


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▲どうでもいいですが、私は山下しゅんや氏のファンです


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▲このメガネ氏、ちょうかわいくないですか


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▲パーツの大きさはこんなもん


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▲パンツはファレホ(水性塗料)のホワイトで塗っておきましょう。ペーパーパレットが一枚あれば、2滴くらい塗料出して塗れます。


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▲ムフフ


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▲あとは適当に、最初に示したフィルタリキッドを面相筆で重ねていきます。はみ出したり塗りすぎたりしたら綿棒で拭えばよし。


だいたいで色を書いておくと、服の青い部分はフィルタリキッドのシェードブルー、
緑色の部分はフェイスグリーン+ブラウン系を薄め(専用のうすめ液があります)に流し込み、
髪の毛はレイヤーバイオレットを使いました。
とくに効果的なのはレイヤーバイオレットだと思います。明るい色に濃い影色を入れるとトーンがドーンと落ち込んでしまうので、
バイオレット系だと清潔感ある影色になります。ミレニアム・ファルコンとかも紫系のグレーでスミ入れしたほうが良い(茶色でスミ入れする人多すぎ……)。

このフィルタリキッド(+ウェザリングカラーシリーズ)のいいところは

・筆でさらっと塗れるし綿棒でさらっと拭き取れる
・匂いがキツくないのでオカンに怒られにくく、作業場所をあんまり選ばない
・薄め液で透け具合をコントロールできるし、薄めればディテールにサーッと流れ込んでいく
・乾燥が遅いのでいつまでもうじうじいじっていてOK
・鮮やか系のフィルタリキッドの登場で色のコントロールの幅がむっちゃ広がった
・ビンの中にスチールの玉が入ってるのでガンガン振れば死ぬほど撹拌されたきめ細かい顔料がイイカンジの濃度で出て来る

というところでしょうか。とにかく「フィルタ」という謎の概念は置いといて、
薄くて乾燥が遅くてノビの良い絵の具がプラモにサーッと塗れる、ということを念頭に置いて使ってみましょう。すげえいいです。


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▲唇は赤く塗ると平野ノラみたいになるのでファレホのフレッシュトーンシェードを使います。こちらは肌色の影になる色でミリタリーフィギュア塗る人も最高に使える。


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▲ここまで1時間ちょい。プラスチックの質感がなくなって陰影が増えてディテールもはっきりしました。拡大してるからアラが目立つけど肉眼で見れば全然良いので良しとします。


ここにボタンや襟、バッグなどのこまごましたところを面相筆で塗ればさらに良くなりますが、それはまあやりたくなったらやってください。
模型の楽しいところは「やりたいところだけやって自分が満足したらまあそれでも満足できる」っちゅうことだと思いますので。

ということで今回は手近にあったプラモで「フィルタだけ仕上げ」をやったわけですが、
たとえばVer.Ka系のガンプラならあの青紫なスミ入れができるわけだし(これまではエナメル塗料を調合しないとできなかった)、
ザクの装甲に深みを与えるために緑青系の色を一枚重ねたり、黄色を乗せて赤のトーンを変えるなんてことも簡単にできるようになりましたね
(プラの地にそのままだとかんたんに拭き取れてしまうので、表面にしつこく残存させたければつや消しスプレーを一発吹いてからやればいいでしょう)。

色を塗るのはなんだかダルいけど、プラモ組んでなんとなく自分の狙った色にコントロールしたいな、というとき
そして「明るい色におしゃれな影色を入れたいぞ!」というとき、このフィルタリキッドはマジでいい仕事してくれますので
みなさん4本ごそっと買って常備しておくとすげえいいと思います。もちろん全塗装したプラモにもトーンチェンジというのは有効かと。
ではでは。





# by kala-pattar | 2017-01-04 18:16 | プラモデル | Trackback | Comments(1)





カメラとプラモデルと登山が織りなすからぱたの日常をなるべく巨大な写真で綴ります。お問い合わせ、ご依頼などは kpata82@gmail.com までどうぞ。
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