■iPhone4があまりにもすばらしい理由はカメラにあると思うっつー話

b0029315_4155834.jpgいやぁ、やっぱ日常ユースのコンパクトデジカメに10メガピクセルなんてのは要らんのよ。
画素が多けりゃ多いほど、写真は汚くなる。そのことをちゃんと言ったジョブズはえらい。

もうiPhone4の基本的なスペックとかってのはいろんなウェブメディアが取り上げているから
ここでことさら書く気はないんだけど、個人的にすげー感動したのがカメラなのよ。
だからそのことについてちょっとだけ書いておこう。

iPhone4(アップルのオフィシャルサイト)

肝はここね↓

LEDフラッシュのついた新しい5メガピクセルカメラで、
より美しく、より精細な写真を撮ることができるようになりました。
先進的な背面イルミネーションセンサーも内蔵しているので、
十分な明るさがない場所で撮った写真も抜群の仕上がりです。
新しく搭載されたフロントカメラを使えば、
簡単にセルフポートレートを撮ることもできます。


まず5メガピクセルってのは500万画素っつうことになるんだけど、
これ今のコンパクトデジタルカメラと比べるとだいたい1/2〜1/3の画素しかない。
じゃあそのカメラはダメなのかっつうと、まったくもってダメじゃない。

だいたい5〜6年前のコンデジはそんなもんだった。
ぶっちゃけ商用印刷の世界でも500万画素くらいでA4とか余裕で使う事例はある。
プロユースの一眼レフに迫ってどうすんだと。用途が違うんだと。


つーかさ、1000万画素とかのコンデジっていいところひとつもないんだよね。


b0029315_4192578.jpg無理に画素増やすと低感度からノイズが乗りまくるのでノイズを消すための処理がかかって
そのせいで物の輪郭はことごとくボケボケになって、面の質感も全部消える。

データはやたらと重くなるので単位記憶容量あたりの撮影枚数は減り、処理に時間がかかる。

そもそもこのブログを読んでいる画面は1000万画素もないし、
ケータイで撮られた画像のほとんどがケータイで見る用途か
せいぜいブログかtwitpicにupされる運命な訳でしょう。

画素数ってのはカメラを選ぶ基準がよくわからない、つまりカメラの構造原理原則を知らない
今流行のキーワードたる「情報弱者」をだますための数字でしかない訳よ。

たとえば、あのキヤノンはそこから一歩引くことに成功した。
くだらない競争から離脱して、無理をしないでちゃんといい画が撮れるということがなんなのか、
今の製品群の設計思想に反映させて、ちゃんとユーザーにその優位性を示している。

iPhoneで撮られた写真はほぼ100%Macの画面かiPadの画面かiPhoneの画面で見られる。
そんでもってそれを万が一印刷しようとしたとしてもL判がせいぜい。
500万画素ですらオーバースペック。断言する。
つか、1200万画素オーバーとかバカなんじゃないの。ガラケーとか→


WWDCでジョブズが明言したこと


b0029315_4201045.jpgとかかっこいいサブタイトル付けたけど以下は僕のプアーな英語力とうろおぼえにもとづくもの。

・あまりに画素が増えると暗所での性能が激しく落ちる。だから画素は大して意味を持たない。
・低照度環境下での画質を向上させるためにアップルはある選択をした。
・その答えが500万画素の裏面照射型CMOSセンサー(背面イルミネーションセンサー)なのだ!

アップルが背面イルミネーションセンサーって呼んでいる裏面照射型CMOSについては
ググればいくらでも出てくるけど、要は最近になって量産が可能になったとってもナイスなセンサー。
世界でも作れる会社は限られているんだけど、あえてiPhone4はこれを搭載した。

携帯のカメラはクソみたいに小さいレンズとクソみたいに小さいセンサーが運命づけられている。
だけど、じゃあどうすればそれで魅力的な画が見せられるだろうか?ってのを考えた結果だ。

アップルコンピューターのすごいところは
"スペックをそのまま見せてアピールしないところ"にあるのは有名な話。
いちいち物の大きさをミリ単位で表したりCPUのクロック数をあげつらったりせずに、
「この製品があるとこんなに楽しげな毎日が送れちゃうんだぜ」という具体例を並べる。

もちろんそれはなんか微妙な結果を生んだりもするんだけど、
このカメラはそれを象徴してると思うんだよね。

「画素数が100000000画素あろうがなんだろうが、それがどういう意味なのかはよくわからん。
でもまあ多い方がいいんでしょ?」という「知識を持たざる者」に対する騙しではなくて
「おーこれで写真撮ったらこんなにビューティホーなのか」っていう実例を先に出しちゃう。
で、「キレイなほうがいいでしょ?」ってアップル側からアピールしちゃう。惚れる。

つーわけで、「全世界のデジカメメーカーはジョブズ見習って日常ユースのコンデジを
500万画素くらいで低感度からカリッカリ、高感度でも見られる画質で作ると
絶対売れるっていうか僕がセールスマンやるからお願いだから作ってください」って
そう言い続けてもう5年くらい経ったし僕はiPhone4を買おうと思います。

だって下の写真見てよ。これiPhone4の実機で撮った写真だってさ。
無断借用で悪いけどさ、これでなんの不足がある?これでいいじゃん。てか、これ「が」いいじゃん。
(もしアップルUSAのサイトのパスが変わったらそのときは写真が消えちゃうなー……まあいいけど)
追記/下の写真はアップルのオフィシャルサイト(USA)からの引用。
1024×768pxに縮小表示しているので、これで約79万画素とかそんなもんだ。
500万画素というのは面積比でこれの6倍以上あるっつうことだね。

※追記/やっぱり画像のパス変わっちゃったからリンク切れたので画像は削除。


Commented by ideal at 2010-06-10 12:43 x
過剰に思われるかもしれませんが、画素数が多ければデジタルズームの倍率を上げることが出来ます。

また、ディスプレイの画素数を引き合いに出されていますが、ディスプレイとデジカメでは画素数の数え方がまったく異なることを付け加えておきます。
(デジカメ基準の数え方なら、iMacの上位モデルは1000万画素を超えています)
Commented by kala-pattar at 2010-06-10 12:56
デジタルズームはトリミングと概念的にほぼ同じだと考えたときに、
ズーミングできることとノイズレスな画を撮れることと
どちらがいいかという選択も彼らの会議でもちろんなされた結果、こういう結論が出たのでは?
そもそも「デジタルズーム」の概念も「X倍ズーム」という数に落とし込んで知識のない人を騙しやすく、
さらに世間にはデジタルズームと光学ズームの違いが分からない人のほうが
圧倒的に多いという意味で、僕はとても嫌いだったりします。
さまざまな補正がかけられるのは承知で、
ピクセル等倍までクロップしてボケボケのバサバサになった画像に魅力はないでしょう。

ディスプレイとデジカメの画素数はたしかにちょっと騙し気味に書きました。
が、iMacの27インチでも
1000万画素のカメラで撮影した画像をピクセル等倍で見れば画面より大きくなってしまいますが……?

特殊な環境で例外を示すのは簡単ですが、
日常生活でそんなエクストリームな写真の扱いをするか?しかもケータイのカメラで……?
じゃあこれくらいでキレイな画が撮れるということはほめられこそすれ「画素が足りない」という言説は誹謗中傷でしょ、
というのが本エントリの趣旨です。
Commented by ideal at 2010-06-10 15:03 x
「1200万画素オーバーとかバカなんじゃないの。」
「カメラの構造原理原則を知らない
 今流行のキーワードたる「情報弱者」をだますための数字でしかない」
という記述があったため、画素数の向上にまったくメリットがないという主張だと受け取りました。
『「画素が足りない」という言説は誹謗中傷』と言うなら、この記述も誹謗中傷と言われるに足るものだと思います。会議での選択の結果だと考えるのであればなおのこと、です。

ディスプレイとデジカメの画素数についてですが、確かに1000万画素のカメラで撮影すれば1000万「ピクセル」の画像が保存されますね。
対してiMacのディスプレイはおよそ368万「ピクセル」ですから、当然画面より大きくなるでしょう。
しかし問題は、なぜ1000万画素のカメラで1000万「ピクセル」の画像が撮影できるのか、という点にあります。
この点についてはURL欄に入れたページをご参照ください。

最後に、私はiPhone4のカメラが素晴らしいことには全面的に同意します。
ですが、その素晴らしさを示す手段として、他のデジカメを否定することには賛成できない、というのが一番お伝えしたいことです。
長文失礼いたしました。
Commented by kala-pattar at 2010-06-10 23:30
なるほど、どれも的確な指摘です。
画素数の向上にはメリットとデメリットがあります。
仕事で数千万画素のカメラを扱ったりもしますし、そのおかげでできる表現もあります。
が、コンデジ向けの小さいセンサーに1千万レベルの数の画素を詰め込むのは現状ではデメリットが多すぎます。
もちろんそれを回避するためのいろんな技術革新が同時に進んではいますが、
圧倒的に「画素が多いことはいいことだ!」と盲信させるような売り方をするしょぼいカメラが幅を効かせています。

Commented by kala-pattar at 2010-06-10 23:31
「1200万画素とかバカなんじゃないの。」
→現状の携帯電話のカメラモジュール(極小レンズと極小センサーの組み合わせ)にそこまで画素を詰め込むのは
デメリットが大きすぎる(ノイズまみれかボサボサのリダクションがかかった画像しか得られない)のに
画素が多いことがあたかも無条件でいいことかのように喧伝する日本のメーカー各社は愚かしい、という意味です。

「カメラの構造原理原則を知らない今流行のキーワードたる『情報弱者』をだますための数字でしかない」
→上記と重なるところはあれど、とにかくカメラはセンサーサイズが大きくてレンズの設計に余裕がある方が
質の良い画像が得られます(そのことに間接的に気付くからみんな一眼レフを求めるようになるわけですよね?)
しかし、「小さいカメラは軽くてすばらしい!」「それにこれだけの画素を詰め込んでいるからキレイ!」
「XX倍ズームで遠くのものも写せる!」という美辞麗句を並べ立て、これら特徴によって引き起こされる
手ブレやノイズやノイズリダクションによる描写性能の低下やf値の低下、ひいては広角レンズの優位性を
すべて無視して量販店のカメラ売り場に新製品を並べるのは「騙し」だと思うんです。
Commented by kala-pattar at 2010-06-10 23:31
ピクセルと画素の話はおっしゃるとおり。
で、携帯電話のモニタで見るか、せいぜいブログなどにリサイズされた画像をupするか、
ちょっと進んでL版にプリントしたり一般的なPCのモニターで画面いっぱいに表示するのが関の山、という用途を考えた時
そういう肌身離さず持ち歩くツールに対して過大なスペック(のようなもの)を盛り込み、
画像の美しさという本質を隠して数字でマスを釣る方法論を振りかざす他のデジカメはやっぱり否定したいな、つーことです。
Commented by kona at 2010-08-09 17:48 x
まずはその言葉遣いを何とかして欲しいですね。

それと、CPUのクロック数などを晒さないのはどうかと思いますね
自分は商品の仕様を消費者に伝えるのは当然のことだと思います。


Commented by kala-pattar at 2010-08-10 14:23
CPUのクロック数はちゃんと仕様のページに書いてありますよ?
ただプレゼンするときにマシンの性能を数字じゃない「体験」として提示するのが
アップルのやり口だし、それが素敵じゃない?っていう意図で書いてるんですけれども。
Commented by potter at 2010-09-23 23:26 x
iphone4を持つ娘が友達とのスナップをきれいに撮りたいからと1200万画素のコンデジも買うなどと言っていたので、このページで説明して無駄な事を思いとどまらせることができました。ありがとうございます
せっかく高度な技術があるのに娘のように思う(普通の)人がたくさんできちゃった事を残念に思っているんですよね
携帯のカメラの画素数が限りなく上がっていくのも、技術のたゆまぬ発展には重要な事ですが、ユーザーのその性能を活かす知識の有無にかかわらず多くの製品に高性能を装備してある事が放任的であり、そこを自己完結したアップルに好感を持たれる事はまったく同意です

一般の主婦が新車を買いに車屋に行くとレクサスもポルシェもフェラーリも100万位で売っていて、色や形でこれにしようかしらとフェラーリを買って、毎日買い物に出かけている。こんなアンバランスなイメージがこのページから伝わりました
Commented by anpon at 2016-09-17 18:22 x
フェラーリはともかくレクサスはコンパクトカーもあるし高級車だから乗り心地も良い。
アンバランスじゃないでしょ
by kala-pattar | 2010-06-10 04:13 | Mac&iPod | Comments(10)
“LWGY”