国際宇宙ステーションに三脚を立てて星を撮るとどうなるか問題

この写真を見てほしい。

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NASAのFlickrにあったので拾ってきたんだけど、
これ、見れば見るほど不思議である。

地球から北極星をファインダーに入れて長時間露光すれば
確かにこんな写真が撮れる。
それは日周運動というものが原因なのだが、
ここは宇宙空間。地球の自転と星のめぐりは関係ない。

ISSが地球の回りを回転している軌道は赤道上空ではなく、地球の自転軸に対して51.6°傾いている。
(さらに地球の回転スピードとISSの周回スピードがズレるので地上から見た通過位置も毎周ズレる。)
ここであたかも北極星のように見えるのは、
すなわちISSの周回軌道(限りなく円に近い)に対する"極"であり、さらに北側の極と南側の極は
ISSがじゅうぶん地上から離れているが故に、どちらも地平線の下に隠れることはない。

撮影法は以下のとおり。

JSC2012-E-051505_alt (16 March 2012) --- This is a composite of a series of images photographed from a mounted camera on the Earth-orbiting International Space Station, from approximately 240 miles above Earth. Expedition 31 Flight Engineer Don Pettit relayed some information about photographic techniques used to achieve the images: “My star trail images are made by taking a time exposure of about 10 to 15 minutes. However, with modern digital cameras, 30 seconds is about the longest exposure possible, due to electronic detector noise effectively snowing out the image. To achieve the longer exposures I do what many amateur astronomers do. I take multiple 30-second exposures, then ‘stack’ them using imaging software, thus producing the longer exposure.” A total of 18 images photographed by the astronaut-monitored stationary camera were combined to create this composite.

30秒露光の18枚コンポジットなので、露光は合計9分。
ISSは地球をおよそ90分で一周するので、星はたしかに36度くらい回転した軌跡を描いている。

つまりこれはISSの一日(わずか90分)に対する日周運動の一部を切り取ったもの。
カメラは地球の北極よりも51.6ズレた、地球周回軌道の平面に対して垂直な点を向いている。
当然地球表面の風景も流れるが、その動きと恒星の動きはまったく関係ないのが面白い。
(雷雲が一箇所に留まって雷を光らせ続けているのも面白い。)

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一瞬こんな写真は撮れないんじゃないか、と直感的に考えてしまったが
じゅうぶんこれはありえる(写真があるんだからあたりまえか)。

と、理屈では理解できたけど釈然としないので、
僕もカメラ持って宇宙行きたいです。どうすればいいでしょうか。

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▲当然進行方向を向いて撮影すればこういう軌跡になる。これはなんとなく理解できる。


by kala-pattar | 2012-05-15 01:41 | 宇宙航空天文 | Comments(0)