昏睡と年越のマレー半島漫遊記 【その5】

この旅は毎日驟雨に見舞われるのがお決まりで、夕暮れの合図のように降る雨に親しみを覚える。

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▲大晦日のハチャイに降る夕立。


列車が定刻に来るはずもなく、僕らは駅でひたすら待った。
駅員に聞いても「ああ、おまいらの列車は遅れとる。まあ来るから待っとれ。」としか言わない。
酒を呷りながら適当に待つ。

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▲ホームで爆音ダンスミュージックを垂れ流しながらレイヴしているおばちゃん軍団


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▲暇。


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▲レイヴは最高潮。水割りをおごってもらったりした。


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▲超ヒマ。


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▲突如来る列車。飛び乗る。



ここから年越しを過ごす街、スラターニーまで走る。
こちとら満腹なのに、なんと二度も車内食が出る(爆笑)。
タイ国鉄はマレー鉄道とは違って恐ろしく揺れ、コップに注がれた水はいまにもこぼれそう。
冷房がガンガン効いた車内でブランケットをかぶり、ウツラウツラしたり、本を読んだり。
窓の外は真っ暗で、たまに雷が閃く。

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▲結局、スラタニに着いたのは10時過ぎだったような気がする。


iPhoneで駅の位置を確認すると、どうもダウンタウンからは遠く離れているようだということが分かった。
ホームで立っているオッサンに「タクシー回せる?」と聴くと、法外な値段をふっかけてくる(クルマも勝手に回す)。
めんどくさいのでオッサンを放置して駅の外の看板を眺めていると、白タクの兄ちゃんが近づいてきた。
一見怪しげだったけど、値段もまともだったし、クルマも目の前に停めてあったので
適当なホテルの名前を言って、スラーターニーの中心街まで走ってもらう。
かなり飛ばして30分以上かかったので注意されたい(誰が)。

11時過ぎ、ホテルを物色して一軒のゲストハウスに荷物をぶん投げ、翌日の船を予約して、
それから僕らはタピ川のほとりに向かって駆け出した。だって、年越しだし。

川岸にはいくつかの屋台がまだ明かりを灯していて、そこで瓶ビールをふんだくり
「金はあとでもいいから、花火だ花火!」という屋台のおばちゃんにありがとうと言いつつ、2013年の瞬間を迎えた。

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▲年越しの瞬間、川の上には花火がバカスカ上げられる。


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▲男二人でなんだかなー、と思いつつちょっと感動した。


花火の余韻に浸りつつ、タイ人のおっちゃんのドラえもんトークとかを聴きつつ、
コンビニで酒でも買うかー!と思ったらタイは12時過ぎると商店での酒の販売が禁止されているのだった。
しょうがないので午後の紅茶を買って、ゲストハウスの部屋でだらだらとそれを呑みながら
一足先に年越しを迎えた日本の友人たちのつぶやきを読みながら死んだように寝た。
というか、昼間あれだけ列車で寝ていただけなのに、よう寝たな……。

つづく
by kala-pattar | 2013-01-13 00:23 | 行ってきた