海の夏フェスで海洋大国ニッポンを支える最高のメカを死ぬほど堪能してきた話

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夏フェスと聞いてあなたは何を思い浮かべるでしょうか。
世界中から人気アーティストが一堂に会して行われる音楽イベントもいいですが、
東京にはもう一つのとんでもない夏フェスが存在することをご存知でしょうか。
何を主眼としたどんなイベントなのかさっぱり分からないネーミングについてはここで一旦脇へ置いておきましょう。

これは
総合海洋政策本部・国土交通省・日本財団は、次世代を担う子供たちを中心に、
多くの人の海への好奇心を喚起することを目指した「海の日」行事"海と日本プロジェクト"を開始いたします。
本プロジェクトは、総合海洋政策本部・国土交通省・日本財団が主催し、
関係省庁や自治体、各種団体、企業、大学等の産学官民の協働による海に関する多様なイベントに取り組んでいこうとするものです。
今年は、下記の通り、総合開会式で幕を開け、さまざまなイベントを全国で開催いたします。
(報道発表資料より)
ということで、我々フツーの人間にもわかりやすいのは東京港晴海埠頭にて行われる
「海の日」記念祭・海の船一斉公開、なのであります。

世界中で活躍する日本初のトップアーティスト(船)が晴海埠頭にバシバシと集結し、見たり乗ったり乗組員の方々に質問したりし放題。
しかも入場料はタダ。普段絶対に会えないようなスーパースター(船)に触れ合い、海洋国家ニッポンに親しむという
お上のイベント、略して上イベ(かみいべ、と読んでください)であります。
ここではあまりにお客さんがいなかったために撮りまくってきた写真を紹介しつつ、来年のさらなる盛況を祈ってその状況を報告いたします。

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まずは商船三井レコード所属のスーパーロックスター、アクアマリンエースです。
自動車運搬船として活躍するアクアマリンエースは普通車を6400台運搬可能。その体躯は12階建ての立体駐車場に匹敵するとのこと。


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▲ほぼビルです。大きめのゴミ焼却場よりデカい。

とにかくアクアマリンエースのスゴイところは側面にほぼディテールがないところ。
ディテールはないが、外板がナミナミしていてそれをジワジワと見ているだけでもうニヤニヤが止まらないのです。


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▲壁です

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とにかくヤバいわけです。巨大。
そしてアンクルトリスを描いた柳原良平氏(2015年没)が商船三井名誉船長だったこととかを知ったりして
とにかくいきなり知識がチャレンジャー海淵くらいまで深まります。すごい。絵葉書とかもらって普通に嬉しい。
ちなみにアクアマリンエースは観覧事前予約が必要だったため当日ブッコミ見学はできず!悔しい!
次回からは情報をしっかりリサーチしてから行こうと思いました!

続いてはJAMSTECレコーズ所属の深海潜水調査船支援母船「よこすか」です。


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こちらは最大潜航深度6500mの能力を持つ世界最高水準の大深度潜水調査船「しんかい6500」の支援母船として知られるアーティスト。
当日は深海巡航自律型無人潜水機「うらしま」をサポートメンバーに加えての参戦となりました。
とりあえずググればだいたいのことはわかるので写真を見てください。


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▲このうらしまのグラップラーが最高にカッコいいですね。「しんかい」運用時は専用のものに付け替えるそうです。

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続いては水産庁レコード所属の漁業調査船「開洋丸」です。

水産庁に所属する漁業調査船で、流氷域及び熱帯域を含む全ての海域において、
各調査機器と大型表中層トロール網により、水産生物の的確な資源調査、
有用生物の発掘及び資源動向に影響を与える海洋環境調査等の基礎的研究を行う大型漁業調査船です。

難しいです。
要は「どこにどんな魚がどれくらいいるのかを調査して研究して日本のお魚事情を把握するための船」であり
メチャクチャ強力で精密なソナーや漁網を装備した「リサーチ特化型漁船」みたいな感じです。強い。


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▲水中ドローンであります

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ソナー室でソナーの専門家といろいろトークしてきましたが、
「水中では肉よりも浮袋のほうが屈折率が高いためにソナーの感応がより強く出るので、そうした差まで見ながら魚種と量を推定している」みたいな話で
めちゃくちゃに盛り上がりました。単に「たくさん反射があるから魚がいっぱいいるぞ!」ではなく、
波長とその反射を多角的に検討しながらさまざまな水産資源の量を推定する匠の技、恐れ入れいました。

老舗フォークミュージシャンであるところの練習帆船「日本丸」、練習帆船「海王丸」さんにおきましては
時間と体力の問題でステージをスルーしてしまいました。またの機会にお会いしたいです。

そして次は海上保安庁レコードに所属する巡視船「いず」の出番です。
こちらも事前乗船予約が必要で乗船できず!!!悲しい!けどまあ海保の船はわりとチャンス多いのでワンマンライブなどで会いたいです。
写真は以下のとおり!!!


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この日意外にもフェスを盛り上げたのは異色のユニット、漁業取締船「白竜丸」と漁業取締船「東光丸」のジョイントステージでした。
漁業取締船というのは
密漁などを防止・摘発し水産資源を保護することを目的に、監督機関が所有または傭船して運用する船舶。
現在の日本では原則として、都道府県知事が許可する知事許可漁業の漁業取締りは都道府県漁業取締船が行い、
農林水産大臣が許可する大臣許可漁業の漁業取締りは水産庁漁業取締船が行うが、
水産庁も司法警察権を行使し知事許可漁業への取締り権限を有する。
また、水産庁取締船が外国漁船の違法操業に対しては拿捕などの主権行使を行っている
ということで、とにかく海外の違法漁船をカーッ!と取り締まる頼もしい船であります。
水産庁なのに司法警察権を持った乗組員がトカレフの脅威に立ち向かいながらガシっと活躍しているわけです。エラい。ありがとう。

こちらは横並びで2隻が係留されており、ステージ(フネ)を行き来できる構成でした。
とにかくイカす。


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▲水産庁って単に漁業とか水産物の監督をしているだけじゃないんだなぁ、という当たり前な驚き

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▲このカバネリのアレみたいなのはスタングレネードを飛ばす空気銃らしいです

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▲これで違法操業している海外の漁船に近づくのですから現代の内火艇ですねもうね。

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そして私的メインアクトは井本商運株式会社所属の球状船首540TEU型コンテナ船「なとり」であります。
フィーダー輸送(主要港と国内各地を結ぶ外貿コンテナの国内2次輸送)を担う同社の超ルーキーアーティストであり、
国内最大の内航コンテナ船であり、シップ・オブ・ザ・イヤー2015の「小型貨物船部門賞」を受賞したルックスも実力もピカイチの彼。
とにかくカッコいい。もうね、信じられないくらいカッコいいのでどうぞ。


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▲こう見るとよくわからないかもしれませんが

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▲これが全体図です

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▲改めて船首のどアップを御覧ください。もうこれはガンダムに出てきたパブリクかなんかですね。

もうめちゃくちゃにカッコいいわけです。
空気抵抗を減らすために船橋をフネの最前部に持ってきた上に球状にしてしまい、鋭いバウをガーンと突き出したその姿にもうメロメロ。
私フネオタクではないのですが、これをとあるブログで見た瞬間に恋に落ちてしまい、見て乗って舐め回して失神寸前でした。


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▲船橋内部。目の前が海って超新鮮!

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▲すでに歴戦の傷跡が残るバウ。このビビッドな色!!サビ!傷!!夢!!!!

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▲最後は横浜に向けて実際にコンテナを運ぶために港を離れて行きました。

ということで、3時間であまりにも濃密なギグを目にしてしまい、体力と精神力の限界までフネを摂取いたしました。
こんなにも楽しくてタメになるイベントを国が主導して開催していることを知らないのはあまりにももったいない!

日本国民の祝日、「海の日」に海水浴もよろしいですが、
海洋大国ニッポンを支える真の功労者、フネのあるがままの姿とそれを運用する人々のお話に耳を傾けるのも最高です。
来年の海の日、ぜひとも同じイベントが開催されることを祈りつつ、その際にはみなさん足を運んでいただけますよう。
とにかくもう、超楽しかった!!個人的にはコンテナを超たくさんねぶり回して来たことが最高だったのですが、
それはまた次回書きます。ということで海の日最高でした。ありがとう行政、という感じでひとつ。





by kala-pattar | 2016-07-20 00:42 | 行ってきた | Comments(0)