アニマルガールたちは恒星間航行の夢を見るか。V2ロケットのプラモデルで考える人類の進化史

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人類は歩いて、群れて、道具を使い、火をおこし、投擲することで敵を倒し、ここまで進化してきた。
このブログを読んでいる賢いフレンズなら、こうした人類の進化の歴史に最近興味深々なのではないだろうか。

史上初めて宇宙に行った人はガガーリン。それは誰でも知っている。
では、人間が初めて宇宙空間に放り投げたものが何か、あなたはご存知だろうか。

今日紹介するのは、香港の模型メーカー、TAKOM社のV-2 Rocket Meillerwagen Hanomag SS100だ。
後に人類を月面へと送り込むことになるドイツの若き科学者、フォン・ブラウンが開発したこの物体はV2(報復兵器2号)として知られている。

もとの名を"A4"と呼ばれたこのロケットは人類史上初めて宇宙まで飛んでいった物体である。
道具を作り、炎を制御し、投擲の力学を考え尽くした結果、人はより高く、より遠くへ飛ぶ技術を獲得したのである。




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▲ひたすらにパーツが細かいんだね。でもワタシはさっさとロケットを作りたいんだけどなー。


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▲ロケットの翼にはびっしりとリベットが打たれているんだね。動きそうなスジボリもすごーい。


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▲ランナーの記号と社名が何故か裏表逆に入ってるよー。文字ってなんだろうね。


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▲裏返すとパーツ番号が入っているよ。事情があるんだろうけど、パーツが探しづらいねー。


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▲彫刻がすごーくこまかいよ。1/35なのに、ハブキャップの文字まで読むことができるねー。


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▲エンジンのディテールもたのしー! 当然完成したら見えなくなるけどね。


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▲単純な左右割りのパーツが複数のランナーに散らばっていて、組んでいる時間よりパーツを探している時間のほうが長ーい!


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▲粉々のパーツを組むのはエンターテイメントじゃなくて、修行だよね。そこにあるのは設計だけ。組みやすいかどうかより、再現性だよー。


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▲「ここまで分割されているのだから、正確なのかなー」という期待値だけが、手を動かすモチベーションだね!


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▲一旦冷静になろう。ただただ、実物の構造通りに分割された部品を黙々と組むのみ。


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▲窓があり


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▲タイヤがあります。


ところで僕たちはなんでプラモデルを作っているんでしょうね。
実物がほしいから、そのかわりにミニチュアを手に入れる? V2ロケットなんて物騒なもの、もらっても困ります。
実物を学びたいから? 本読んだほうが、早いです。
そんなことを延々考えるわけです。説明書通りにパーツを貼っていくだけなので、なにも考えることがない。
だから、「なぜ俺はこれを組んでいるんだろう」と。

俺はV2の図面通りの何かが欲しいのではなくて、V2をプラスチックパーツに分解したどこかの誰かと対話したいんでしょうね。
そこにおもてなしとか、真心とか、驚くべきアイディアとか、ニヤニヤするこだわりが見えたりしたら、もうけもんです。
ただ実物のカタチを正確に縮小して分解して、実物どおりに復元することを強いるプラモデルというのは結構きつい。


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▲ロケットを乗せる台です。上の部分が90度起き上がって、ロケットを発射台に移します。


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▲誰かに脅されているのでしょうか。サスペンションや首振りの構造まで、実物どおり、ひたすらに分割され、組み立てることを強いてきます。


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▲3DCADで設計されているので、シャーシ裏のパイピングもプラパーツでビターンと位置が決まり、4本がキレイにまとまります。しびれる。


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▲ものすごく美人だけど話が通じない人と延々食事をしているような気分。助けて。


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▲ロケットを載せました。かなりの重量であります。


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▲大きさはこんな感じ。ロケットの全長は40cmにも及びます。


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▲これを牽引するハノマークSS100トラクターです。車格の割にエンジンが巨大で「なるほど」という感じがします。


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▲唯一の救いは、パーツの合いが絶望的なくらい良いことでしょう。とにかくアクロバティックな位置決めでも問題なくハマります。



人格が分裂気味になってきましたが、AFVモデルの作法に従って全部組んでから塗ります。
缶スプレーとエアブラシを駆使してやっていきましょう。


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▲箱絵です。参考になりますね。


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▲ジャパリ……


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▲人類はどこから来て、どこへ行くのでしょうか。


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▲これまでの科学者が正しければ、進化の行き着く先は、エクソダスであり、高次存在へのアセンションであります。


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▲みなさんは、楽しくプラモデルを作れていますか?









by kala-pattar | 2017-02-26 20:30 |  →SPRUE CRAZY