モデラーにしかわからないスケール表記より、目の前にあるサイズ感でワクワクしようぜ。

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はい、今日は戦車のプラモデルの話をします。
クルセーダーMk.IIIなんですが、上の写真見ると分かるとおり、手のひらサイズで気持ちがいいです。
戦車プラモというとだいたい1/35がスタンダードなわけですが、こちらのRUBICON MODELS 1/56 A15 クルセーダー MKI/I CS/II/II CS/III/AA
1/56というスケールで展開されておりまして、いわゆるモデラーには「なんだそのハンパなスケールは」という印象なんじゃないでしょうか。




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▲転輪と履帯は一体成型です。オレは戦車のカタチが早く見たいので、転輪をひとつひとつ処理して接着する時間が惜しい。


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▲車体もまあまあ一体成型で、小さいながらそこそこシャープな彫刻が楽しめます。


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▲車体下部もごく簡単な設計でドーンと舟型になっております。


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▲細部パーツも開口部などを多少諦めつつ、なるべく一体成型。ランナーは全部で3枚だったと思います。


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▲商品名が「MKI/I CS/II/II CS/III/AA」となっているとおり、とにかく色んなタイプを選んで組むことができます。


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▲砲塔も防盾もいろんなタイプのがランナーにくっついています。


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▲こんな感じで


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▲こんな感じなのです。


ということで聖グロリアーナ(聖グロ)のローズヒップが登場していたクルセーダーMk.IIIをチョイスして組むのがイイカンジです。
最近タミヤからイタレリ金型のクルセーダーが発売されて話題になりましたが、こっちも負けず劣らず安くて小さく小気味の良い模型です。
組み立ては合わせ目など気にしなければ30〜40分で終わるのではないでしょうか。
もちろん、凝ろうと思えばあれやこれやを金属線に置換したり、リベットを植えなおしたりもできるサイズです。

これが1/72スケールだと小さすぎてなんだか満足感もないし、色をこまかく塗っていこうと思うと結構辛いサイズになります。
1/35だと「真面目にやらないとちょっともったいない金額」とか「真面目にやっていないところが目につくサイズ」ということもあって、
どちらも「職人的な芸を発揮しないと怒られちゃうかな?」というちょっとした強迫観念めいたものがありますよね……。

ところが、ルビコンモデルズが展開している1/56というサイズはそもそもミニチュアゲームで普及したスケールなので
「とっとと組んで、さっさと塗って、それはさておきゲームで遊ぼう!」という魂がこもっています。
なので、とにかく組み上がるまでが早い!でも、遊ぶときに視認しやすいサイズ感はきちんとあるし、
ディテールも1/72ほど細かすぎず、「まあ、ディテールアップしようと思えば全然できるな」という絶妙な感じなのです。
こういうサイズのものが良いね、というのはべつに「初心者は小さいのを作ろう」と言いたいのではなく、
定食屋の女将に「ご飯少なめで!」とオーダーする気持ちでプラモを作る権利は誰にもであると思うんですよね。


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▲ここまでたったの5パーツ。真面目にやろうと思えばやれますが、「真面目にやらない」という選択肢はこのサイズ、この分割ならでは。


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▲GSIクレオスのMr.カラースプレー115番、RLM65ライトブルーを吹いてから筆で適当に足回りを塗り分けました。20分。


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▲GSIクレオスのフィルタリキッド、シェードブルーとマルチグレーで適当に影色を入れて、足回りにバフを吹いておしまい。


ものの2時間弱でだいたい戦車模型をガッツリ作ったような雰囲気のものが完成しました。

いろいろ書きましたが、
そもそも「1/56を中途半端だと思う気持ち」というのは1/35や1/72がスタンダードスケールだと思いこんでいるモデラーならではのもので、
「安くて小さくて組みやすい」「なんかとっつきやすそう」という意味では、この模型が何分の一だろうがどうでもいいと思うんですよね。

ズラッと並べたときに「ああ、この戦車は大きくて強そうだ」とか「この戦車は小柄だな」というのを目視できるという意味で
スケールが統一されていることの意味はもちろんあるのですが、
そもそも戦車模型が絶対に1/35でなければいけないわけでもないですし、1/72だと小さすぎて車両によっては指先サイズになってしまったりもします。
てなわけで、なんとなく思いついたときに戦車模型がサクッと組み立てられて、それがなんだかイイカンジの値段で売られているというのは
なかなか嬉しい事態だと思います。

「スケール(=縮尺)」って、有用な尺度のようにも見えますが、門外漢からしたらまずどうでもいいことというか、
絶対的な実物との対比ではなくて、むしろ相対的な「目の前にあるものがコレくらいの大きさ」という事実のほうが重要な要素なのではないかな、と思います。
このルビコンモデルズの戦車模型シリーズは「安い、早い、手頃なサイズで懐深い……」と、誰にでも突き刺さる魅力を兼ね備えています。
サクッと組んで、サクッと完成に至ることができるこれくらいの仕様の模型、今のご時世になかなか新作として出せるもんじゃないはずです。
ありがたく食べることにしましょう。コレクションしちゃいましょう。作り比べて、ニヤニヤしましょう。




さて、そんな与太話(作る、塗る、という実践的なところから離れた模型的雑談)をたくさんのランナー写真とともに掲載した
ホビージャパンエクストラ2017springが発売中です。超音速備忘録の中の人もガッツリ手伝っておりまして、
「何が書いてあるのかわかっているリンクを踏む」のではなく、「ページをめくるまで次に何と遭遇するかわからん」という
印刷物の楽しさも加味しながら、超デカイ写真といろんなひとのプラモ評が目一杯掲載されております。
このブログが好きで読んでていただいている方には絶対に満足してもらえる内容だと思いますので、みなさまお買い求めください。ぜひ。






Commented by 衛兵 at 2017-05-16 07:00 x
48という選択肢はこの企業にはなかったのだろうか?
by kala-pattar | 2017-04-30 00:48 |  →SPRUE CRAZY | Comments(1)
“LWGY”