バイクプラモ界の最高傑作、タミヤのRC166を塗らずに組んで気絶しよう。

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▲塗らなければ2日で完成。嘘です。タンクとシートカウルの赤、そしてボディカウルの銀色だけ塗りました。


先日ホンダのコレクションホールに行って実物を見た瞬間からどうしても組みたくなってしまい、
2009年の初版時に発売されて購入してからこっち、棚で延々死蔵されていたタミヤ 1/12 オートバイシリーズ No.113 ホンダ RC166 GPレーサーを組みました。
じつはプラモデルの金型ってどんどん傷んでいくので、やっぱり初版が最高にシャープでバリもなく最高なんですね。
最高だからいつか大人になったら組もう、とか思っていると人間はあっという間に死ぬのでとりあえず組みましょう。

ちゃんと塗ろう、とか考えてるとめちゃくちゃ時間がかかるし失敗したらどうしようと不安になる?そりゃそうです。
しかし、やりたいところだけやって、どんな味か確かめるというのもいいもんです。「納得」というのは自分の気持ちのセット次第。
失敗してもなお「いやーこれは完璧に作りてえ!」となったらもう一個買ってくれば良いのです。プラモデルは量産品だからそういうことが許される。

そしてどんどん次の新しいプラモデルを組まないと、世の中には毎日毎日ヤバいプラモデルが発売されているので追いつかないのです。
追いつかないとどうなるか。大量のプラモデルの在庫を残して人間は土へと還るのです。そんなのいやだ。

8年間寝かせていたプラモデルも組んでしまえばたったの2日でどうにかなります。
大事なのは「やりたいことしかやらない」「失敗してどうしても許せなかったら『次があるさ』と諦める」の2点です。
いいですか、行きますよ?



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▲実物。1966年のマシンです。250cc/6気筒、マン島TTを戦ったというホンダの歴史に残るスーパーイケメンバイクです。


タミヤがこのRC166をプラモデルにするにあたって、「フツーにプラモデルにするだけじゃいかん!」となったのかどうなのか
とにかく1/12のバイクの模型としては異常なほどのこだわりが随所に込められていて、とにかく組み立てるだけで脳汁がドバドバ出てきます。

ホイールはリムとスポーク(めっちゃくちゃ細いので折れにくいようABS樹脂をメッキしている)が別部品。
ドラムブレーキのエアダクト、カウルスナップ、チェーンスライダーには最初からエッチングパーツが用意されているし、
リベットはインレットマーク(ビッカビカに輝く極小シール)だし、ハンドルグリップラバーやシートは柔らかいエラストマー樹脂でできています。
なんか小さい磁石入ってると思ったらカウルの裏面はあとから着脱できるように設計されてるし、ステップはアルミ削り出しという豪勢さ。
とにかく異常にいろんな素材を使っていながら、誰でも確実に組める超安心設計で「バイク模型って簡単じゃね??」と錯覚してしまいます。


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▲バイク模型、だいたいどのパーツが実物だとどんな大きさでどんな質感なのかダイレクトにわかる分割なので脳にいいですね。頭良くなります。


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▲この模型のめちゃくちゃすごいところなんですが、エンジンの冷却フィンを一枚ずつ積層するついでにシリンダーができていきます(当然完成したら見えない)


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▲こんなかっこいいパーツもバチーンピターンとキマるのですごい。


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▲組んでる途中。難しいところは一個もなく、言われたとおりにペタペタ貼ると異常に精度の高い物体が完成していきます。


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▲どうですか。開始20分くらいで「どうなってんのこれ」って言いたくなるほどかっこいいエンジンが形になってしまいました。


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▲ホイールは正直ちょっと難しいですが、丁寧に作業すればどうにかなります。ハイターでメッキ落とせばすげえ楽に作業できるよ。


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▲スポークとリムとブレーキなどをガンガン組んでいくと「うおーバイクになってきたぞ!」とテンションが上がります。スポーク1本穴から外れてますねタハハ


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▲フレームでエンジンを挟み込むという構成はフツーのバイク模型と同じです。最初はプラスチックだからぐにゃぐにゃなんですよね。


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▲しかし、各所をビスで固定していくと(ここがバイク模型の「高尚なことしてる!」感を演出してくれますね)……

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▲バイク模型が一番かっこいい状態はここじゃないかなーと思いますね


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▲排気管もエンジンとフレームに接着されるので、全体的にめちゃくちゃ剛性が出てハイパーかっこよくなります。ここまでで半日。


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▲寝て起きたらタンクが白い顔してこちらを見てきます。


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▲カウルも真っ白ですね……


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▲仕方ないので塗ります。赤と銀。これだけでオッケー。全部塗ってたら人生足りませんので、塗りたいところだけ塗りましょう。


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▲塗料を乾かしている間、こういう状態でニヤニヤしながらタバコを吸ったりコーヒーを飲んだりします。


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▲エラストマー(柔らかい樹脂。接着剤が効く。)のパーツは全部「なるほど!!!」という使い方で驚かせてくれます。これは体験してみて。


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▲できました。デカールは来世で貼ります。


以前タミヤのH2Rを作ったときにも書きましたが、
「バイク模型は塗りたいところだけ塗るところから初めて、塗りたくなったらまたやればいいんじゃないでしょうか」という感じで
家にはまだバイクのプラモ積んであるし、2日で一個を作ったことにできるならどんどん組んで新しいの買いたいっすね。

しかしまあ、このRC166は発売当時も大いにモデラーたちに騒がれましたが、
いざ自分で組んでみると「いやーすげえわ……すげえ……」としか言い様がないほど内容が濃密で、
いろんなマテリアルを組み合わせて繊細なバイク模型が出来上がっていく過程は「もしかしてオレ超かっこいいことしてるんじゃね?」と錯覚させてくれるほど。
もちろんそのへんはタミヤの設計が神がかっているんですが、世の中のバイクの模型が全部コレくらいドシドシ出来上がっていく内容だったらいいのに。
と、ゼータク言っててもしょうがないので次のプラモデルに旅立ちます。


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みなさんもやりたくない作業は来世(バッタとかに生まれ変わるかもしれないけど)の自分に任せる日があってもいいんじゃないでしょうか。
いや、やりたくないことをやるのも面白いんですが、毎日それだとなんのための趣味だかわからんしね。

ということで、みなさんもRC166を見かけたら組んでみてください。
正直1/12のオールドバイク模型にかぎらず、全プラモの中でも十指に入るめちゃくちゃな傑作だと思います。
組まずに死ぬなんて、もったいないぜ。




by kala-pattar | 2017-08-27 21:00 |  →SPRUE CRAZY | Comments(0)
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