人生第二ステージ、はじめました。(HOという鉄道模型沼の話)

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KATOからHO(16番、16.5mmゲージ。呼称の議論は本筋ではないので、本記事では通りの良さを優先して全部「HO」表記に統一します。)の
キハ110 200番台が発売されてしまいました。
受注開始日に予約して、到着を待ち望んだおもちゃというのは本当にひさびさで、興奮のあまり気が狂いそうになりました。

HOというのはNゲージ(線路幅9mmの鉄道模型の総称。日本だとだいたい1/150とか1/160の鉄道模型の俗称として使われることが多い)よりも大きく
KATOは1/80スケールで鉄道をモデルアップしてます。

……というゴタクはもうどうでもよくなってまして、
デカい。相対的に解像度がめちゃくちゃ高い。重い。モーター容積の比率が下がるので室内とか台車の再現度が上がる、などなど
とにかく手に持ったときの満足感がプラモや完成品トイの常識の向こう側にあって、思考が停止します。
こんなにラグジュアリーな物体が、1両あたり1万円そこそこで買えるというのは信じがたく、「ああ、でっかい市場があるんだなぁ……」と打ちひしがれます。




HOともなると、10両編成の在来線を全部揃えようもんなら価格は軽く6桁万円に届き、その全長も2.5mとかになってしまい、
とてもじゃありませんが我が家で遊べるような代物ではありません(当然それだけの価値があるし、世の中にはそのために稼ぐ人が存在する)。

が、キハ110といえば磐越西線や飯山線、小海線を単機や2両編成でゴトゴト行く姿がテメエの脳裏にべっとりとこびりついているわけでして
「モーター車と付随車の2両セットを買えばフィギュア(すなわち置物)として成立するし、これを買って後生大事に持っていればいいのでは?」と。
つまるところ、KATOの策略(2両で成立する編成ならHO童貞のキミも買える値段だし、スペース取らないじゃん?)にまんまとハマったわけです。


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▲なぜ手元にカシオペア色のEF510が存在するのか。これが今回の謎であります。


で、鉄道というのは床にベターッと置くと盛り上がらないのでレールがほしい。
20m級の車両が2両置ける長さの16.5mm幅の直線レールを買うぞという気持ちは、この時点では自然だと思うわけですよ。
お財布持って某ショップに行ったところ、あったんですよ……これが……。




これ、定価28,500円+税なのですが、Amazonでは長らく6万円近いプレ値が付いていて、アキバの適当なショップでもついぞ見かけなかった。
半径370mmのカーブを採用しているので、幅780mmのウチの食卓でもギリギリ走らせられるけど、ないものはしょうがないと諦めていた。
それが、いま目の前の棚にある。しかも21000円くらいで置いてある。

気絶。

失神。

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▲なんでしょうね、このディテール。


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▲ありがたいよね。


その夜、私は家の食卓に小判型のレールを敷設して、引込線に貨物列車を留置したままキハ110の二両編成をぐるぐるぐるぐる走らせていました。
信じられないほど、ウイスキーが美味い。
レールの継ぎ目を踏むタタンタタンというリアルな音が、酩酊を引き寄せる。

どうしてくれるのでしょうか。
私は一体どうなってしまうのでしょうか。
今月はもう、もやししか食べられません。


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▲すごくないですかこの存在感。写真が2エンド前の非公式サイドなのは、1エンド側のナンバーが剥がれていたからです(悲)


神様、キングオブホビーを探求する旅は、どれほど過酷なのでしょうか。
この先に、天国はあるのでしょうか。

……っていうか、家に16.5mmの線路と巨大な列車の模型があるって、本当にすっばらしいです。
憧れに憧れた世界にちょっと触れて、さてこれからどうなるのか私にもわかりませんが、それにしてもすごい。
宝石とか、不動産とか、スーパーカーにも匹敵するような「キラキラの宝物」の恐ろしさを知った人生は
間違いなく第二ステージに突入したわけであります。みんなも来ましょう、ここはいいところだぞ〜(ロラン)。

※そうそう、EF510はネットでの噂通りR370通過時にけっこうな怪音を発するし、たしかに細部パーツの省略があるんだなということはわかりますが、
 まあそれでもファーストタッチとしては十分に感動的です。
 もしネットでの評判を読んで二の足踏んでいる人がいても、あまり気にせずダイブしましょ。最近は貸しレイアウトでも16番は多くなってきたし、ね。



by kala-pattar | 2018-06-16 23:10 | 鉄分