始まったな。

9月1日が待ち遠しくて死にそうです。

我々は再び、何を作ろうとしているのか?

「エヴァンゲリオン」という映像作品は、様々な願いで作られています。

自分の正直な気分というものをフィルムに定着させたいという願い。
アニメーション映像が持っているイメージの具現化、表現の多様さ、原始的な感情に触れる、本来の面白さを一人でも多くの人に伝えたいという願い。
疲弊しつつある日本のアニメーションを、未来へとつなげたいという願い。
蔓延する閉鎖感を打破したいという願い。
現実世界で生きていく心の強さを持ち続けたい、という願い。

今一度、これらの願いを具現化したいという願い。
そのために今、我々が出来るベストな方法がエヴァンゲリオン再映画化でした。
10年以上昔のタイトルを何故今更、とも思います。
エヴァはもう古い、とも感じます。
しかし、この12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした。

閉じて停滞した現代には技術論ではなく、志を示すことが大切だと思います。
本来アニメーションを支えるファン層であるべき中高生のアニメ離れが加速していく中、彼等に向けた作品が必要だと感じます。
現状のアニメーションの役に少しでも立ちたいと考え、再びこのタイトル作品に触れることを決心しました。

映像製作者として、改めて気分を一新した現代版のエヴァンゲリオン世界を構築する。
このために古巣のガイナックスではなく自身で製作会社と製作スタジオを立ち上げ、初心からの再出発としまいた。
過去にとらわれず、現状に甘えず、進歩ある未来を目指すためです。
幸いにも旧作からのスタッフ、新たに参入してくれるスタッフと素晴らしい面々が集結しつつあります。
旧作以上の作品を作っている実感がわいてきます。

「エヴァ」はくり返しの物語です。
主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です。
わずかでも前に進もうとする、意思の話です。
曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが恐くても一緒にいたいと思う、覚悟の話です。
同じ物語からまた違うカタチへ変化していく4つの作品を、楽しんでいただければ幸いです。

最後に、我々の仕事はサービス業でもあります。
当然ながら、エヴァンゲリオンを知らない人たちが触れやすいよう、劇場用映画として面白さを凝縮し、世界観を再構築し、
誰もが楽しめるエンターテイメント映像を目指します。

2007年初秋を、御期待下さい。

原作/総監督 庵野秀明
2006 09/28 晴れの日に 鎌倉にて

by kala-pattar | 2007-02-20 02:14 | 未編集 | Comments(0)