【京都】ようこそ最強の自転車リゾートへ【その5】

相国寺承天閣美術館にはきちんと駐輪場があった。
クロークもあった。クーラーはキツかった。

というわけで
「若冲展 釈迦三尊像と動植綵絵120年ぶりの再会」
ああ恥ずかしいタイトル。
まあいいけどさ。

前半はなかなか示唆深い展示ですね。
みんなさっさと「動植綵絵」が見たいのかスルー気味だったり
展示してあるものの意味なんて
考えてない様子の人が多かったみたいだけど。

円通閣棟札の解説を読んで養源院との関係を知り感動。
歴史の上澄みの方ってホント密接につながっているのよね。
それがモノとして伝わっているのが驚きだし、感動でもある。
で、前半に展示されていた若沖の作品で印象に残ったものは……
「布袋渡河図」の記号化っぷりもさることながら
「松亀図」のエッチさもなんかいいですね。
最高に面白いと思ったのは「鱝図」です。可笑しさ満点だし。
画角もいい感じですね。

で、寄進状に感動しながら
メインディッシュへと。

もうね、展示室に入った途端
脳天しびれるしびれる。
展示室は人まみれなんだけど
その人たちを透過してビンビン伝わってくる
……伝わってくる……
なんだろ。
よくわからん。

「釈迦三尊像」は
確かに昨日描かれたようなフレッシュさ。
保存状態がとにかくいいのに驚かされます。
たしかにパワーもある。
だけど超「中国の仏画スタンダード」な雰囲気だし
好き嫌いで言うことは間違ってるのかも知らんけど
モチーフといいタッチといいあまりグッと来ないんです
ごめんなさい。
第一これって模写なんでしょ?
その驚異的なスピリットが評価されるべきであって
「さすが若沖! なんという画力でしょうか! 神々しい!」
とか盲目的に言うのも違うよなぁ……とか。

で、「動植綵絵」ですよ。
展示室の右側からザーっと。
見れない……
どうやら見に来ている人の多くが美術館慣れしてないうえ
導線もないし(こりゃ展示のしかた上しかたないのだけど)
なんかもう人がどちらにも動かない。

それはそうとして
殴り書きのメモを参照しつつ一言ずつ感想を。
結局図録を買わなかったので
メモ間違いだったらすみません。
図録を買った人はぜひ回想しつつ浸りましょう(笑)

「群魚図」(蛸)
まあわりと人気ありそうですよね。
確かにかわいくておもしろい。
蛸と鮟鱇に悶絶。
背景のグラデーションも素晴らしい。

「菊花流水図」
これは問答無用に感動する画。
技法的に言えば視線誘導が秀逸。
エレメンツが8の字に配置されているせいか
ずっと見ていられる。
群青のたらし込みも超美しい。

「池辺群虫図」
これも超人気ですよね。
アリに注目したい。アリがキモカワ。
葉のシミなんかもなかなか趣き深いですね。
構図としては環状の配置で飽きさせません。

「群鶏図」
ニワトリってこういうふざけた顔してるよね

「薔薇小禽図」
右上の黒くてボワーッとしてるの何?
2色のバラの色のコントラストがいいですね。

「芦鵞図」
墨の使い方が冴えてます。
ガサッとしたところ
スウっとしたグラデーション
ぼってりしたところ
飽きませんな。
グリーンをベトベト塗ってあるところもいい。

「老松鸚鵡図」
背景に水が流れているようなディテールが
これは他の画にも出てくるけど
岸辺を表してるんですかね?
しっかしこの画、
松の葉の位置やバランスは
下描きあってのものなんですかね。
それにしちゃ一つ一つの葉に勢いがあります。
抜群ですね。
左上の一羽、ビビッドな色使いで素敵です。

「紫陽花双鶏図」
いいですねー。
ゴージャスです。
紫陽花は単にプツプツ描いてあるように見えるけど
花弁は4枚ずつセットで描いてあるし
濃淡の使い分けもすごくおもしろい。
穴からのぞく葉もすごく印象的です。
左のニワトリが凛々しいですねぇ。

「雪中鴛鴦図」
雪ね、降っている雪ではないんですよ
何かが木に当たって葉や枝に乗っかっていた雪が
どさっと落ちる雰囲気。バサッと。
冬の寒い感じがこれで伝わってきますね。
前にも思ったけど
若沖は波紋を描くの好きですよね。
あんまり見ずの波紋には見えなかったりするんだけど
この画でもモリモリした波紋が描いてあって楽しい。

「老松白鶏図」
「老松鸚鵡図」と呼応すると見せかけて
ぜんぜんそうでもないところがいい。
右上に日輪が描いてあるんですね
恐ろしさも感じさせますねこの日輪は。

「蓮池遊魚図」
これまた超メジャーですな
いやはやほんとSFチックな画です。
緑青(?)と墨をたらし込みで混ぜちゃう若沖!
いかすー!

「南天雄鶏図」
ああ、これもいい。
ニワトリだとテンション上がるのかな、若沖は
ブドウ的で
南天的で
枝も葉もうめえええ

「梅花皓月図」
得意の梅花ですね。
ついばんでるのとかいいですね。
月に墨が流れているのが印象的。
これはどういう意味なんですかね。

「芍薬群蝶図」
空間の使い方が巧みですな。
あとは……うーん。

「老松孔雀図」
ああ、分かった。
オレってば白い画が嫌いなのね!!

ここで釈迦三尊像を挟みます。
左側へ。

「老松白鳳図」
「老松孔雀図」と呼応しているわけですが
柱があって同時に見るのは難しいんですよね
展示室の真ん中から見るしかないというか……
しかしこの「老松白鳳図」はとてもパワフルですよね。
すごくいい。好きです。迫力あるよなぁ……
モチーフのせいかしら。

「牡丹小禽図」
若沖はこういうの好きだねえ。
ワタクシはあまり好みではないですが……
これだけ色数多くて
面積や位置のバランスも破綻していないのがスゴい。

「梅花小禽図」
あーはいはい分かりました許してくださいって感じ

「向日葵雄鶏図」
ここで黄色ベース!
これはマジでいいですねぇ好きですこれ。
ニワトリは茶色いのをチョイスしているんですね
すばらしい。
朝顔が描いてあるのもいい。
円グラフのようなその彩色もシンプルながら超素敵。

「秋塘群雀図」
アルビノがいますね。
これもまた視線誘導が巧みですね

「棕櫚雄鶏図」
日本らしくない植物、最高ですね。
「後ろのドビーッとした墨がいかす」と
メモには書いてあるのですが……
ああ、背景上方のものですね。
遠近感とか大きさの概念が崩れてるのが楽しいです

「雪中錦鶏図」
典型的な8の字型の視線誘導
また「バサッと落ちる雪」がいいですね

「芙蓉双鶏図」
ものすごいポーズしてますね。
みんな結構普通に見ていましたけど
これはかなりアクロバティックな描き方ですよ
ホント。

「梅花群鶴図」
あーんまり好きじゃないなぁ
なんか鶴を数えたりしている人いましたけどね
どーですかね

「芦雁図」
地味にマイベストかも。
ぶっきらぼうな印象ですがものすごい迫力。
緊張感ある氷の表現といい、雁のスピード感といい……
冷たさと硬さとぬくもりと柔らかさが同居する。
しかもそれが瞬間に凝固していて素晴らしい
今まさにバサッと振り落とされる雪、
パースのついた雁の翼。
ああ、欲しい……

「桃花小禽図」
だからプツプツしたのは分かったって……(ry

「大鶏雌雄図」
シンプルにニワトリが二羽。
しかもかなりよくできた画面構成。
あまり人気ないみたいだけど……
モチーフが絞られているのはどういう意味なのかしら
一本だけ入れられた地平線はあとから?
それとも最後に入れたものなのかな

「貝甲図」
これはこれでいいんではないでしょうか。
サイケな絵でございます

「紅葉小禽図」
うまい!
枝分かれのしかたが掟破りですな
一枚だけ落葉しているというのは
分かりやすい遊び心ですが
これだけ多くのディテールを
延々描写していられる若沖はすごい。
根津で見た「吉野龍田図」を思い出した

「群魚図」(鯛)
鱝キタコレ!!
ホウボウっぽいやつもかわいいですな

これで33幅すべて見たことになりますな。
鹿苑寺の襖絵もたくさんありましたが
あれはいったいどうやって描いているのか……
平らな絵ならまだしも折れ曲がった部分とか
違い棚の位置まで把握して空間を構成しているのは
ただただ驚かされます。

いやはや、6月3日でこの特別展は閉幕したわけで
こうしてまとまった状態で若沖作品を見ることは
おそらく生きている間はないでしょうな。
すばらしい経験をしました。
Commented by さわこ at 2007-06-04 22:43 x
うん、そうそう、そうそう!と思いながら読みますた。蛸の足先にひっついてるコダコを目的に行ったようなもんだったけど、実物見てのマイベストは「紅葉小禽図」!本物の紅葉が貼り付けてあるみたいだった。仏さまたちは、模写の元絵見たけど、模写の方がいいと思ったよおいらは。他の動植綵絵の中の模写作品も、若冲の方がずっとずっといい!と個人的に思います。
つかホント、鳥肌立った。入った時の感覚わかる。思わず被ってたキャップ脱帽したもん。
墨の方は、芭蕉に涙が出てきた。うちにバナナの木(草)が何本かあるんだけど、一筆であの筋のような葉脈を・・・!うがっ・・・!
と知識なんかは全然ないから殆どフィーリングでの鑑賞だったけど、すばらしい経験をしました、はい。
Commented by kala-pattar at 2007-06-10 01:28
>さわこ
芭蕉っていいよな。あの蒸し暑い感じな。
なんつーかこう日本じゃない感じ。
それが純和風な襖絵になってる感じ。
アレ最高。
Commented by Tak at 2007-06-15 11:13 x
こんにちは。
TBありがとうございました。

とってもとっても力の入った入魂のエントリですね。
今日仕事が休みなのでじっくりと隅々まで拝読させていただきました。

第一展示室、もしかして第二展示室よりも長く居たかもしれません。
それほど多種多様で見応えある作品が勢ぞろいしていました。
スルーしちゃうんなんて勿体ない勿体ない。

>脳天しびれるしびれる。
なんて的を射た表現。
そうそう、その通り!
ドーパミン一気に湧き出てきました。
Commented by kala-pattar at 2007-07-20 10:00
>Takさん
読んでいただきありがとうございます
所々テキトーな雰囲気で申し訳ないです〜
by kala-pattar | 2007-06-02 19:28 | 美術館・博物館 | Comments(4)