【GNH】ゼロ年代終わりのブータンを旅行してきた。【その7】

12/29の朝。
やっぱりみんなゆるゆると起床する。

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▲みんながバター茶にあまり手を出さないことを悟られたらしく、紅茶が出る。


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▲ゆで卵とりんごが異常にうまかった。メインは昨日の残りの肉炒めで作った炊き込みゴハン。


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▲食後の一服。Kinleyは僕らがネボスけであることに文句ひとつ言わない。



Kinleyが今日のスケジュールについて僕らに話す。
「今日はチェレ・ラに行くつもりだったのだが、冷え込みがすごくて
山道が凍結している。バスで行くのはあまりにリスキーだ。
そして君たちがネボスケなので、行くつもりだったお寺もキャンセル。
だからパロの街をすこしぶらぶらして、ランチを食べたらハ(Haa)に移動だ。」と。

そのあと、煙草を吸いながら彼はこうも話した。
「寝坊? そんなのまったく問題ない。君たちはバケーションを楽しみにここへ来ているんだ。
好きなだけ寝て、好きなだけ食べて、好きなようにしないといけない。
金髪のツーリストたちは違う。8時半に行動開始と決まっていれば、
時計を指差して『ほら、8時半だ、行こう』って言うけど、僕には理解できない。」

どこまでがリップサービスなのかよくわからないけど、
とにかくアイツは優しくて情熱的で頭のキレるイケメンだった。

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▲牛がもっそーっとしていると、自分たちももっそーっとしてしまうのである。


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▲ファームハウスのばあちゃんの手の皮がいかに頑丈かを切々と説くKinley。くどい。



2泊滞在したファームハウスとは今日でお別れ。
そこに住んでいる人たちともお別れ。
リアルにウルルン滞在記の様相を呈するみんな。

しかしこの国の人たちは何かにつけてドマをキメる。
ドマはビンロウジュの実をコショウっぽい植物の葉で包み、ガムのように噛む嗜好品。
口の中はザラザラになり、苦みとほのかな酸味で支配され、唾は真っ赤になる。
で、しばらくすると体温がボーッと上がってきて、
煙草を吸ったときのようなクラッとくる感覚が味わえる。

みんなで別れを惜しみつつ、家族全員と話しながらクチャクチャ噛むのである。
ばーさんもじーさんも、ガイドも日本人も。

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▲もう昼も近いファームハウスの裏庭。気温はそんなに低くなかった気がする。



何度も何度もグッバイだのシーユーだのカムバックアゲインだの言ったあと、
ファームハウスを出発。パロ市街へ。

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▲織物屋さんに着いたらもう昼休みだった。民族衣装がイカす。


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▲ブータンの織物はだいたいカワイイ。イモ臭い色使いとたいしたことないパターンがダサカワイイのだ。


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▲ひたすら暇そうだが、ここが国際空港のある街。頭上をA319が爆音けたてて飛んでいく。


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▲ビリヤード的なゲームに興じる子供。手玉はどこに置いてもokというアバウトなルール。


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▲全体的に適当な工事現場。脳内の水平垂直がだんだん崩壊していく。



みんな思い思いの店に入り、郵便局で切手やはがきを買っていた。
街中のレストランに集合し、年賀状を書きながらメシを喰う。
ガイジン向けレストランであったため、食事はいたって非ブータン的。
ここでみんな「あー辛いもん喰いたい」と言い出すあたり、すでに舌がローカライズされている。

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▲ふつうのゴハン。コーラが美味だったが、やはりここでもビールを飲んでしまうのであった。


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▲店の冷蔵庫の上にあったA380の模型。レストランのおねーちゃんもこの飛行機が実在することを知らないだろう。



昼飯を終え、「俺ら寝てるか喰ってるかビール飲んでるかで、ほぼ何もしてないね」と
口々に言いながら年賀状を郵便局に出してバスに乗り込む。
ちなみに現時点(2010/1/26)で年賀状はまだ一通も日本に届いていないようだ(笑)。

次の宿泊地、Haa(ハ)は言いづらいので、みんなHaa Valleyと呼んでいた。
パロからおよそ70キロ離れた小さな街で、インド陸軍の大規模な部隊が駐留している。
観光地化したのはごく最近らしく、Haaへ向かうハイウェイ(舗装路)もかなり新しかった。
およそ3時間あまりの移動。道沿いにはなにもない。

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▲大河に沿ってハイウェイが伸びる。慣れればすぐにたいしたことない景色になる。


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▲道中本当に暇。日本語ラップの素晴らしさを噛み締めるなど、母国では絶対にしないことをする。



日が傾いた頃、インド陸軍のトラックが行き交うのを見てHaaの街に着いたことを知る。
パロより明らかに標高が高く、寒い。
そして大事なのは、この街に着いたところで、べつになにもないことだ。
子供だけがワーとかギャーとか言いながら走り回っていて、異様に人懐っこい。

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▲商店でビールを買う。この辺はRPGのお決まり行動パターンみたいになってきた。


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▲こういう「野菜ですよー」って顔で唐辛子(左)が大量に売られているのがブータンのすごいところ。


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▲標高が高いため、袋という袋がパンパン。そしてなぜか屁が止まらなくなる超音速。



泊まったのは超最新の高級ホテル、RISUM RESORT。
奇麗に磨かれた木造の部屋にはオイルヒーター完備で
(この国、電力だけは死ぬほど潤沢。電気機器類の充電には困らなかった。
電力も豊富だが電波も豊富。携帯はどんな標高でも常にバリ3なのである。)
個室も超奇麗でバストイレもアホほど奇麗でびっくりした。

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▲こんなコテージが日本にもたくさんあればなー。ちなみに食堂は離れにあったりして素敵。


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▲部屋から見るHaa市街。なんつーか、東名高速沿いの小さい集落と見まごうばかり。



このRISUM RESORT、なにが印象に残ったかと言えば、
メシが異常にうまかったことである。
食堂の従業員はネパール系の人らしく、
ファームハウスで食べたものよりも明らかにカレー。てかカレー。
しかしブータン的素材ももりもり入っているため、もりもり食べる。
ビールもじゃんじゃん飲む。

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▲うまいのでおかわりしまくる。薪ストーブの暖かさのなかで飲むビールは至高の味。


翌日はチェレ・ラ往復とティンプーへの移動が予定されていた。
明日こそ早く起きようと決意を固めつつ、部屋でUNOしながらビール飲んで、
奇怪な踊りを踊ったり半裸で氷点下の屋外に出たりして、笑いながら床に着いたのだった。

つづく
by kala-pattar | 2010-01-27 01:58 | 行ってきた