キュアサンシャインの痛チャリを大人力全開で作ったので工程晒す
2012年 06月 12日
COLNAGOのCLXという自転車に惚れ込んで購入し、いろんなところへ漕いでいきましたが
思いつきで世に言う"痛チャリ"にしました。
愛して止まぬ『ハートキャッチプリキュア!』に登場するキュアサンシャインを配置したい!
というところまでは良かったんですが、何をどうすればいいかさっぱり。
まーやってみればいろんなスキルや知識が必要とされるのですが、
ググったり本読んだりすればどーにかなる。自転車バラしたり組んだりもちょっと詳しくなった。
つーわけで、お金と時間をひたすらかけて、ちょっとばかりのゴニョゴニョがありつつ
なんとか完成にこぎ着けました。
▲うーん、感無量。
購入したのは'09年。フレンド商会という南阿佐ヶ谷のお店で一目惚れし
限定色のCYL(黒×黄色)を買いました。なので、この色はカタログにはないかも。
ホイールはカラーコーディネートもあってMAVICのCOSMIC ELITEをチョイス。
コンポーネントはシマノの6600G系でまとめてます。
いまとなっちゃこのセットで20万円台も夢じゃないですが、
CLXデビュー時のフレームセット、34万円くらいだった気がします。
コンポ、ホイールその他込みで乗り出し価格は60万円弱でした(今から買う人うらやましい)。
一度事故でフレームを折損し、なんとか発見した同サイズ同カラーの新品フレームを
もう一本購入して組み直し、通勤やちょっとしたツーリングに使ってきました。
▲これが買ってきたまんまの状態。
さて、痛車にするにはまずリアホイールの換装です。
やっぱりホイールカバー(スポークホイールにかぶせるプラの板)じゃビンボくさいので、
ヤフオクでCORIMAのカーボンディスクを購入します。
CORIMAのディスクは真っ平らなので、ステッカーを作るときに完全に平面で設計できるのがミソ。
微妙な円錐になってると、そこらへんの制御が超めんどくさいです。
このとき、クリンチャーかチューブラーか(ホイールに対するタイヤの装着方法が違う)、
650cか700cか(そもそも直径が違う)、などなどいろいろ条件をミスると
マジでゴミを掴むことになるのでよく調べるとええよ。
▲喜び勇んで装着した図。
次にリアホイールに入れたい絵柄を探すための資料を模索します。
ちょうど欲しかった馬越嘉彦 東映アニメーションワークスを購入。
▲マジで名資料集なのでプリキュア好きというか馬越画が好きなら買うべき。
もうこれを買った時点で「むほおおおおおお!」ってくらいテンション上がりましたが、
落ち着いてホイールに貼れそうでカッコいい画を探します。
そしたらこれがあるんだな。ちゃんと。
▲この右ページの画をスキャナーで大きめのデータにします。
ホイールの実寸を計測してから最終的な仕上がりラインをテンプレートにして、
コレに収まるようなデザインを考えます。
んで、スキャンしたデータを下絵に、Illustratorでひたすらトレスします。
最初は適当にラインを整理しつつ、一本調子でそれっぽい画になればいいかなあとか思ったのですが、
やっぱり馬越氏特有のザクザクした勢いのあるラインが欲しくなって、輪郭線のアウトラインを
すべて起こしつつ、セル画の要領で色を付けることにしました。
ぶっちゃけ死ぬほど大変ですが、ジャギジャギのjpgを貼るより全然マシ。
よく痛車見かけますが、ネットで拾ったjpgをそのままビャーッと拡大してステッカーにしてたりして
それはそれは見苦しい。
あれがいやなら、自分でパスひいてトレスしてベクトルデータにしたほうがいいでしょう。
▲こういうすさまじいデータになります。
▲塗りの設定もして、カットラインの指示も入れます。
このへんはまあIllustratorの技能が必要ですが、愛があれば1週間で覚えられると思います(マジで)。
個人的にこだわったのは、CORIMAのロゴを模したCURE SUNSHINEのロゴとよく着ているキュアサンシャインTシャツと同じグラデ処理をした文字組み。
ちなみにこのキュアサンシャインはスーパーシルエット(スーパーサイヤ人みたいなもん)です。
けっこう劇中ではキラキラした雰囲気だったので、リボンやピアスなどはメタリックカラーを指定。
いわゆる印刷見本帳を取り寄せて特色指定しています。
肌色なんかの色味にも結構こだわりましたが、まあこの辺は本業で培ったスキルが役に立ってる……。
ステッカーの素材は3Mのコントロールタック™ プラス コンプライ™ フィルムというもの。
これはラッピングバスとかでも使われているとんでもないステッカーで、
発色いいわ耐候性あるわ柔軟だわ糊残りないわ、しかも気泡が絶対に発生しない!
(なんか糊面に微細な加工が施してあって、空気を巻き込んでも確実に逃せる仕組み)
もうコレ以外の素材を貼るとか考えらんない。マジオススメ。
▲これが完成したステッカー!しかし!!
ステッカー完成したはいいものの、色指定間違ってたり、カットラインがしくじってたり
こっちのデータの不備が明らかになりましたので、データを修正して再度発注。
この失敗ステッカーは貼り作業の練習に使いました。
ステッカー全体をマスキングテープに一回転写して、裏紙に切れ込みを入れてから
二人掛かりでえっちらおっちら貼っていけば何とかなりそうなことが分かりました。
んで、これと平行してフロントホイールも仕入れます。
憧れのマシンでもある(そして一度家に遊びにきてもらったこともある@hototoくんの)
ラムちゃんピストに最大限の敬意を表して
&会社のセンパイがぶん回しててうらやましかったアレをヤフオクで物色。
▲インターネッツで痛チャリの話題になると必ず引用されるラムちゃんピスト。まじかっけーす。
この強力にヤバいフォルムを持ったSPINGERGYのREV-Xをなんとかゲット(財布がこのへんで吹き飛んだ)し、フロントに装着。
テンションBUCHIAGEです。
そうこうしている間に再出力をお願いしていたリアのステッカーが今度こそ完成。貼ります。
▲むっちょカワイイ&カッコいい!!
そして今度はフロントにロゴを入れます。
SPINERGYのロゴをトレスしてフォントを自力で作成し、「CURE SUNSHINE」に変更。
(とは言え、CとUとHを作ればいいだけ。縦棒と横棒の基準はあるのでそこそこ簡単)
さらにグラフィックデザイナーの古賀学氏を脅迫(笑)してストロボラインを作成してもらい
合体したデータをひねりだします。
▲こういうデータを頑張って作ります
んで、今度はカッティングシート(色付きのフィルムでできたステッカー)をこのデータに合わせ
カットしてもらいます。
カッティングシートには耐候性と発色に優れたノックスかタフカルがオヌヌメ。
東日本橋のショールームで色味を見て、品番を決めたらこのオンラインショップから必要な量を買います。
価格は思ったよりも安かったのですが、問題はカット方法。
個人向けのプロッタならローランドディージー デザインカッター STIKA 8インチ SV-8があるのですが、
なんせサイズがサイズなんで分割してカットしてまた位置合わせて貼って……とか嫌だし、
ここでも大人力を発揮してまたもとある業者さんに依頼。
▲分かりづらいけど、これがカットされた状態のシート。
アプリケーターという透明なシートにロゴを転写してからホイールに貼って、
アプリケーターだけ剥がすという工程にめちゃくちゃ苦戦しつつ、何枚かステッカーをダメにしつつ
継ぎ接ぎブギウギでどうにか貼り込み完了。
▲なんとかなったー!
最後にタイヤとバーテープを新品にして、完成!!!!
▲いやー、作るのに半年かかりました。
・やってみてわかったこと
楽しい。時間かかる。お金めちゃくちゃかかる(今回はいろんなご好意に助けてもらったけど)。
・反省点
メタリックやりたいだけだった感アリ。肉眼で見ないとへんてこな印象になる。
リアが左右でちょっと角度ずれてて、左サイドは指が切れてる(悲)。
フロントロゴの色味がちょっと赤すぎた。バランス悪い。
・これから
いろんなところに乗っていくので、見かけたら生暖かく見守ってください!
・うれしかったこと
FACEBOOKのCOLNAGOオフィシャルページにシェアされてン百いいね!もらった。
ガイジンさんは「かっけえ!」と「死ね!」が入り交じったコメントをバンバンくれた。
つーわけで、キュアサンシャイン号、これにて落成です。フヒヒ!
追記:けっこうバズってて感激してます。
「まだまだ詰められるところあるでしょ!」という叱咤激励も。
せっかくだし、もう少しいじってみようかしら……。
言い訳追記:タイヤは!タイヤはDiamante履いてたんだけど、
写真撮る為に新品をとりあえず履いたんです!
その日会社帰りに買える黄色いのがZaffiroしかなくて!!
(梅雨明けたら履き替えます)
思いつきで世に言う"痛チャリ"にしました。
愛して止まぬ『ハートキャッチプリキュア!』に登場するキュアサンシャインを配置したい!
というところまでは良かったんですが、何をどうすればいいかさっぱり。
まーやってみればいろんなスキルや知識が必要とされるのですが、
ググったり本読んだりすればどーにかなる。自転車バラしたり組んだりもちょっと詳しくなった。
つーわけで、お金と時間をひたすらかけて、ちょっとばかりのゴニョゴニョがありつつ
なんとか完成にこぎ着けました。
購入したのは'09年。フレンド商会という南阿佐ヶ谷のお店で一目惚れし
限定色のCYL(黒×黄色)を買いました。なので、この色はカタログにはないかも。
ホイールはカラーコーディネートもあってMAVICのCOSMIC ELITEをチョイス。
コンポーネントはシマノの6600G系でまとめてます。
いまとなっちゃこのセットで20万円台も夢じゃないですが、
CLXデビュー時のフレームセット、34万円くらいだった気がします。
コンポ、ホイールその他込みで乗り出し価格は60万円弱でした(今から買う人うらやましい)。
一度事故でフレームを折損し、なんとか発見した同サイズ同カラーの新品フレームを
もう一本購入して組み直し、通勤やちょっとしたツーリングに使ってきました。
さて、痛車にするにはまずリアホイールの換装です。
やっぱりホイールカバー(スポークホイールにかぶせるプラの板)じゃビンボくさいので、
ヤフオクでCORIMAのカーボンディスクを購入します。
CORIMAのディスクは真っ平らなので、ステッカーを作るときに完全に平面で設計できるのがミソ。
微妙な円錐になってると、そこらへんの制御が超めんどくさいです。
このとき、クリンチャーかチューブラーか(ホイールに対するタイヤの装着方法が違う)、
650cか700cか(そもそも直径が違う)、などなどいろいろ条件をミスると
マジでゴミを掴むことになるのでよく調べるとええよ。
次にリアホイールに入れたい絵柄を探すための資料を模索します。
ちょうど欲しかった馬越嘉彦 東映アニメーションワークスを購入。
もうこれを買った時点で「むほおおおおおお!」ってくらいテンション上がりましたが、
落ち着いてホイールに貼れそうでカッコいい画を探します。
そしたらこれがあるんだな。ちゃんと。
ホイールの実寸を計測してから最終的な仕上がりラインをテンプレートにして、
コレに収まるようなデザインを考えます。
んで、スキャンしたデータを下絵に、Illustratorでひたすらトレスします。
最初は適当にラインを整理しつつ、一本調子でそれっぽい画になればいいかなあとか思ったのですが、
やっぱり馬越氏特有のザクザクした勢いのあるラインが欲しくなって、輪郭線のアウトラインを
すべて起こしつつ、セル画の要領で色を付けることにしました。
ぶっちゃけ死ぬほど大変ですが、ジャギジャギのjpgを貼るより全然マシ。
よく痛車見かけますが、ネットで拾ったjpgをそのままビャーッと拡大してステッカーにしてたりして
それはそれは見苦しい。
あれがいやなら、自分でパスひいてトレスしてベクトルデータにしたほうがいいでしょう。
このへんはまあIllustratorの技能が必要ですが、愛があれば1週間で覚えられると思います(マジで)。
個人的にこだわったのは、CORIMAのロゴを模したCURE SUNSHINEのロゴとよく着ているキュアサンシャインTシャツと同じグラデ処理をした文字組み。
ちなみにこのキュアサンシャインはスーパーシルエット(スーパーサイヤ人みたいなもん)です。
けっこう劇中ではキラキラした雰囲気だったので、リボンやピアスなどはメタリックカラーを指定。
いわゆる印刷見本帳を取り寄せて特色指定しています。
肌色なんかの色味にも結構こだわりましたが、まあこの辺は本業で培ったスキルが役に立ってる……。
ステッカーの素材は3Mのコントロールタック™ プラス コンプライ™ フィルムというもの。
これはラッピングバスとかでも使われているとんでもないステッカーで、
発色いいわ耐候性あるわ柔軟だわ糊残りないわ、しかも気泡が絶対に発生しない!
(なんか糊面に微細な加工が施してあって、空気を巻き込んでも確実に逃せる仕組み)
もうコレ以外の素材を貼るとか考えらんない。マジオススメ。
ステッカー完成したはいいものの、色指定間違ってたり、カットラインがしくじってたり
こっちのデータの不備が明らかになりましたので、データを修正して再度発注。
この失敗ステッカーは貼り作業の練習に使いました。
ステッカー全体をマスキングテープに一回転写して、裏紙に切れ込みを入れてから
二人掛かりでえっちらおっちら貼っていけば何とかなりそうなことが分かりました。
んで、これと平行してフロントホイールも仕入れます。
憧れのマシンでもある(そして一度家に遊びにきてもらったこともある@hototoくんの)
ラムちゃんピストに最大限の敬意を表して
&会社のセンパイがぶん回しててうらやましかったアレをヤフオクで物色。
この強力にヤバいフォルムを持ったSPINGERGYのREV-Xをなんとかゲット(財布がこのへんで吹き飛んだ)し、フロントに装着。
テンションBUCHIAGEです。
そうこうしている間に再出力をお願いしていたリアのステッカーが今度こそ完成。貼ります。
そして今度はフロントにロゴを入れます。
SPINERGYのロゴをトレスしてフォントを自力で作成し、「CURE SUNSHINE」に変更。
(とは言え、CとUとHを作ればいいだけ。縦棒と横棒の基準はあるのでそこそこ簡単)
さらにグラフィックデザイナーの古賀学氏を脅迫(笑)してストロボラインを作成してもらい
合体したデータをひねりだします。
んで、今度はカッティングシート(色付きのフィルムでできたステッカー)をこのデータに合わせ
カットしてもらいます。
カッティングシートには耐候性と発色に優れたノックスかタフカルがオヌヌメ。
東日本橋のショールームで色味を見て、品番を決めたらこのオンラインショップから必要な量を買います。
価格は思ったよりも安かったのですが、問題はカット方法。
個人向けのプロッタならローランドディージー デザインカッター STIKA 8インチ SV-8があるのですが、
なんせサイズがサイズなんで分割してカットしてまた位置合わせて貼って……とか嫌だし、
ここでも大人力を発揮してまたもとある業者さんに依頼。
アプリケーターという透明なシートにロゴを転写してからホイールに貼って、
アプリケーターだけ剥がすという工程にめちゃくちゃ苦戦しつつ、何枚かステッカーをダメにしつつ
継ぎ接ぎブギウギでどうにか貼り込み完了。
最後にタイヤとバーテープを新品にして、完成!!!!
▲いやー、作るのに半年かかりました。
・やってみてわかったこと
楽しい。時間かかる。お金めちゃくちゃかかる(今回はいろんなご好意に助けてもらったけど)。
・反省点
メタリックやりたいだけだった感アリ。肉眼で見ないとへんてこな印象になる。
リアが左右でちょっと角度ずれてて、左サイドは指が切れてる(悲)。
フロントロゴの色味がちょっと赤すぎた。バランス悪い。
・これから
いろんなところに乗っていくので、見かけたら生暖かく見守ってください!
・うれしかったこと
FACEBOOKのCOLNAGOオフィシャルページにシェアされてン百いいね!もらった。
ガイジンさんは「かっけえ!」と「死ね!」が入り交じったコメントをバンバンくれた。
つーわけで、キュアサンシャイン号、これにて落成です。フヒヒ!
追記:けっこうバズってて感激してます。
「まだまだ詰められるところあるでしょ!」という叱咤激励も。
せっかくだし、もう少しいじってみようかしら……。
言い訳追記:タイヤは!タイヤはDiamante履いてたんだけど、
写真撮る為に新品をとりあえず履いたんです!
その日会社帰りに買える黄色いのがZaffiroしかなくて!!
(梅雨明けたら履き替えます)
で、このお話の続きはこちら。
↓
by kala-pattar
| 2012-06-12 02:45
| じてんしゃ