酩酊と昇降のミャンマー探訪【その2】
2012年 10月 30日
後輩と二人、歩けど歩けど、宿はなかった。
ひたすら汗をかきながら、タバコを吸い散らかしながら、ファインダーを覗きながら歩いた。
地球の歩き方はくそったれなことに、間違いが書いてある。
親切なミャンマー人は必死で地図を読みながら僕らに道を教え、彼らの読図能力のなさに振り回されながら
あてどなく屋台と路面店の軒の間を縫って、どっちが北か南か分からなくなりながら歩きまくった。

▲縦横に自動車が駆ける道路を強行突破で渡り、いろんな臭いが襲い来るヤンゴンのダウンタウンを練り歩き、ひたすら宿を探す。
結局目当てのゲストハウスを見つけられなかった僕らはスーレーパゴダに戻り、そこからいちばん近くにあるゲストハウスに入った。
5階建てのビルは涼しくて、トイレもシャワーもベッドもひとまずあるので安心し、部屋を確保。
カメラと財布を持って、こんどは翌日バガンへ飛ぶためのチケットを取りに出かけた。
タクシーで15分、マンダレー航空のオフィスは薄暗く、しかしきちんと整理整頓の行き届いた空間だった。
目にまぶしいピンク色の制服を着た女子がにこやかに、かつ分かりやすい英語で手続きを進めてくれる。

▲いくらなんでも紙を縦にしすぎだろう、と僕らは話しながら手書きの航空券を受け取る。
バガンまでの国内線フライト料金、182USDをキャッシュで支払うと、僕らはオフィスを出た。
手続きの間タクシーの運転手を待たせていたが、彼らは嫌な顔一つせず、またダウンタウンまで送り返してくれた。
こんどは遅めのランチを探して、街をうろつく。

▲うん、すごくいいですねこの写真。

▲たぶん輸出するときに書いた諸々がそのまま残ってる。

▲バカみたいに太いバナナ売ってる

▲「非常口」のサインもそのままの神奈中バスがふつうに走っていて、ここがどこなのか一瞬わからなくなる。
新しく建つ途中のマンションもあれば、江戸時代から建っているんじゃないかと思うような怪物件もあり、
そしてイギリス統治時代のものと思われるどっしりとした建物も、東南アジアならではのビビッドな色をしたコンクリの建物もたくさんある。

▲これはすんごいどっしりしてた。電話局かなんかだったと思う。

▲貞子3Dやってた。ミャンマーでホラーを3Dで見る人が居るんだなぁ、とか謎の感慨に耽る。
ビールが飲みたい一心で、そして何らかの麺をすすりたくて、宿を探しながらちらりと見えた店を探す。
しかし、メインストリートにはどこも同じような屋台が連なっていて、なにがなんだか分からない。
路地に入るとそれぞれ業種の違う店が並んでいて特色があるが、それでも自分の位置が把握できない。

▲ここは電気街。秋葉原みたいな雰囲気で、扇風機の羽だけ売ってる店や、家電のリモコンを佃煮のようにガラスケースに詰めた店が並ぶ。

▲ミャンマーにもAngry Birds旋風は吹き荒れているのだった。これは駄菓子屋。

▲路地裏のさらに横道は、もう人が住んでいるのかどうかも分からない。
ようよう入った居酒屋風の店はやっぱり薄暗く、年齢で言えば高校生くらいの店員が数人で切り盛りしていた。
とりあえずビールをジョッキで頼み、メニューを睨む。

▲このビールがこの旅の運命を決定づけることになる。
ビールを一口飲んだ瞬間、僕らは言葉にならない叫びを上げた。
旨いのだ。それも、尋常じゃなく。
「旅補正」というのがあるとしても、冷たくて美味なこのミャンマービール。
聞けば世界各国のビールコンテストで賞を獲りまくっている実力を持つらしく、しかもこれが60〜70円で飲める。
決して薄くなく、かと言って日本人の舌にあったシャッキリ感のあるテイスト。信じられないほど進む。
ツマミに頼んだ鳥の唐揚げと豚の肉片が入った麺をつまみながらビールをひたすら飲み、
睡眠不足と緊張感で硬くなっていた脳と身体がだんだんとほぐされていくのを感じる。

▲この麺がまたあっさり系で旨かった。たぶん20円くらい。
3、4杯のビールを飲み干し、少しだけハイテンションになった僕らは再び屋台の間を縫って宿へと戻った。

▲揚げ物と練り物の屋台。

▲青物野菜ばっかりのお店

▲こういう写真が撮りたかったんだよ俺は!

▲鶏の足のパゴダが建つ。

▲「海外旅行っぽい写真と言えば肉屋」という謎の念願がついに叶った。

▲魚屋は見たことない雰囲気の物体がザルにバーッと盛られていてすごい。
夕暮れのスーレーパゴダに戻ると、そこには今回の旅のもう一人の仲間である先輩が待っていた。
ゲストハウスのカウンターでもう一部屋を確保し、僕らは三たび街に繰り出す。こんどはマジだ。ヤンゴンを呑み尽くしてやる。

▲東京は夜の7時半。
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ひたすら汗をかきながら、タバコを吸い散らかしながら、ファインダーを覗きながら歩いた。
地球の歩き方はくそったれなことに、間違いが書いてある。
親切なミャンマー人は必死で地図を読みながら僕らに道を教え、彼らの読図能力のなさに振り回されながら
あてどなく屋台と路面店の軒の間を縫って、どっちが北か南か分からなくなりながら歩きまくった。

結局目当てのゲストハウスを見つけられなかった僕らはスーレーパゴダに戻り、そこからいちばん近くにあるゲストハウスに入った。
5階建てのビルは涼しくて、トイレもシャワーもベッドもひとまずあるので安心し、部屋を確保。
カメラと財布を持って、こんどは翌日バガンへ飛ぶためのチケットを取りに出かけた。
タクシーで15分、マンダレー航空のオフィスは薄暗く、しかしきちんと整理整頓の行き届いた空間だった。
目にまぶしいピンク色の制服を着た女子がにこやかに、かつ分かりやすい英語で手続きを進めてくれる。

バガンまでの国内線フライト料金、182USDをキャッシュで支払うと、僕らはオフィスを出た。
手続きの間タクシーの運転手を待たせていたが、彼らは嫌な顔一つせず、またダウンタウンまで送り返してくれた。
こんどは遅めのランチを探して、街をうろつく。




新しく建つ途中のマンションもあれば、江戸時代から建っているんじゃないかと思うような怪物件もあり、
そしてイギリス統治時代のものと思われるどっしりとした建物も、東南アジアならではのビビッドな色をしたコンクリの建物もたくさんある。


ビールが飲みたい一心で、そして何らかの麺をすすりたくて、宿を探しながらちらりと見えた店を探す。
しかし、メインストリートにはどこも同じような屋台が連なっていて、なにがなんだか分からない。
路地に入るとそれぞれ業種の違う店が並んでいて特色があるが、それでも自分の位置が把握できない。



ようよう入った居酒屋風の店はやっぱり薄暗く、年齢で言えば高校生くらいの店員が数人で切り盛りしていた。
とりあえずビールをジョッキで頼み、メニューを睨む。

ビールを一口飲んだ瞬間、僕らは言葉にならない叫びを上げた。
旨いのだ。それも、尋常じゃなく。
「旅補正」というのがあるとしても、冷たくて美味なこのミャンマービール。
聞けば世界各国のビールコンテストで賞を獲りまくっている実力を持つらしく、しかもこれが60〜70円で飲める。
決して薄くなく、かと言って日本人の舌にあったシャッキリ感のあるテイスト。信じられないほど進む。
ツマミに頼んだ鳥の唐揚げと豚の肉片が入った麺をつまみながらビールをひたすら飲み、
睡眠不足と緊張感で硬くなっていた脳と身体がだんだんとほぐされていくのを感じる。

3、4杯のビールを飲み干し、少しだけハイテンションになった僕らは再び屋台の間を縫って宿へと戻った。






夕暮れのスーレーパゴダに戻ると、そこには今回の旅のもう一人の仲間である先輩が待っていた。
ゲストハウスのカウンターでもう一部屋を確保し、僕らは三たび街に繰り出す。こんどはマジだ。ヤンゴンを呑み尽くしてやる。

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by kala-pattar
| 2012-10-30 01:52
| 行ってきた