酩酊と昇降のミャンマー探訪【その3】

ミャンマーのバスは、エンジンルームのアクセスハッチも乗降口も開けっ放しだ。
乗降を管理するのはだいたい若い兄ちゃんで、乗降口横の手すりをつかんだまま車外に身を乗り出して
ものすごい大量の行き先をまるで早口言葉のように大声で叫びながらバスはドロドロと進む。
客は乗りたければ徐行したバスに近づき、兄ちゃんに引っ張り上げられる。同時に降りたい奴が降りる。カオス。

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▲この国のバスに"停留所"という概念があるのかどうか、結局最後までよくわからなかった。


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▲夕方を迎え、食べ物以外のものを売る屋台はちょっとずつ店じまいを始める。


酒を飲む前にちょっとだけ遊んでみようと思い、噂に聞いていた路上喫茶店に立ち寄る。
プラスチックで出来た低いテーブルとイスとが歩道の上に並べられていて、そこではコーヒーを振る舞っている。

コーヒーと言ってもクリープと砂糖がどっさりと入ったネスカフェの粉末とお湯の入った小さなカップが出てくるだけ。
砂糖も溶けきらないような量のお湯の中にこの粉を全部入れてかきまわし、グビリと飲む。
暑くて眠くて、なにより疲労を感じていたところにこれはすごく美味であるような錯覚を感じる。
同時にやかんに入れられた中国茶と茶碗も渡され、こちらはタダで飲み放題。

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▲そして喫茶店の屋台ではなにやらメシが作られている。


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▲覗き込むとこんな感じだった。喫茶店なのかメシ屋なのか混乱する。


コーヒーをすすりながら英語のおぼつかないボーイを呼び、適当にメシも頼んでみる。
出てきたのは米と、油に沈んだ肉片とスパイス、そして青い植物がしんなりとした何か。石のような鶏肉のフライ。

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▲喫茶店に居るのは男子高校生ばかり。学校帰りに一服やりながら茶をシバくのが習慣らしい。


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▲言うまでもないが、旨い。


辛いだの旨いだの硬いだの言いながらむしゃむしゃとミャンマー的カフェメシを平らげ、中国茶を何杯か飲む。
そしてまた目もくらむほど安い会計を済ませると、僕らはスーレーパゴダから伸びる大通りを西へと進んだ。
何ブロックか進むと、再び食べ物を商う屋台が林立し始め、目当ての通りが近いのを知る。

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▲おびただしい量の昆虫が炒められていた。


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▲見たことのないフルーツとか


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▲見たことのないデザートとか


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▲たこ焼き状の何かとか


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▲カニとか


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▲巨大なスイカとか


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▲おびただしい量の昆虫とか


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▲卵を盗まれて怒っている鳥たちとか


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▲大小の柑橘類とか


とにかく、そういう物たちの間を縫って西進していったのだった。
いつしか日は暮れて、旅のテンションと暑さと謎の運動量で、空腹とビール欲はまたも全開になっていた。
幸か不幸か、僕ら3人の旅人たちは酒呑みだったから、なにも気にせず一件の店に狙いを定め、
車道にはみ出したテーブルを取り囲むイスに座り、またミャンマービールを頼み、何品かのツマミをオーダーした。

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▲ナイト・イズ・スティル・ヤング。ヤンゴンは夜の6時。



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by kala-pattar | 2012-10-30 02:27 | 行ってきた