ちょっと北極圏までオーロラ見に行ってきた

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▲出、出〜!極光奴〜〜!!


フィンランド旅行なんて、TVの旅行番組でスイーツ女が「わー、ロマンティックぅ〜!」とか言うために存在していて、
「アホみたいな金と暇がねぇと一生行けないし、そもそも偶然両方あったとしても行く決心つくかね……」とか思ってました。

どっこい、行くチャンスというのは巡ってくるもんです。
12年に1度と言われる「オーロラの当たり年」に、フィンランドへ。北極圏の、イヴァロへ。

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▲イヴァロ、すごいところにある。


今回は仕事でお世話になっている人の結婚式的なものというポジティブな強制力によって旅行が決定。
出発前日まで仕事でキリキリ舞いだったため、正確にはどこに行くのかも知らないという状況のなか
冬山装備とスーツと革靴を適当にバックパックにぶっこんで、ラッシュアワーに巻き込まれながら成田へ。

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▲憧れのフィンエアどーん!


成田空港からフィンランドのヘルシンキ空港までは10時間あまりで到着します。
サハリン西方まで北上してからロシア上空を飛び、北極圏をかすめる大圏コースをとるので
地図で見るイメージよりも圧倒的に近い!

機内ではフィンランドのビールが飲み放題で、これまた旨い!
機内食を食べてちょろっと寝て、また機内食を食べてぼーっとしているとすぐに着陸しちゃいます。

ヘルシンキのヴァンター空港はいきなり北欧デザイン全開でめっちゃかっこいい。

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▲マテリアルのチョイスがマジでIKEA。


そこからすぐにフィンランドの北方にある都市、イヴァロへと乗り換え。
ヘルシンキから90分ほどのフライトで、小さなイヴァロの空港へと到着しました。

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▲CAは若くないけどみんなかわいいんですよこれが。


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▲小さい空港なので荷物もすぐ出てきます。


イヴァロの空港からバスに乗り、40分ほどで到着したホテルを見て仰天。

これ、TVでよく見るやつやんけ……。

そう、部屋がガラスのドームになっているあの「カクシラウタネン・ホテル」だったのです(マジで行ってから気づいた)。

カクシラウタネン、マジすごい。
TVとか日本の情報サイトだとすごいロマンチックな側面ばかり強調されていますが
なにせイヴァロは北緯64度オーバーの北極圏に位置していて、まず寒い。マイナス15度とか余裕。
さらにホテルの敷地が広大で、受付兼レストランの建物からガラスイグルー(部屋)まで徒歩5分以上かかる。
荷物を運搬するためにソリが貸し出されて、それを客が自ら押して、極寒の雪原を行かなきゃいけない。
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▲宿泊したイグルー。ソリは荷物運搬にマジ便利。雪国すごい。


直径5mほどのガラスイグルーの内部はベッドが2つとトイレがあるのみ。ほかになにもない。TVも冷蔵庫もない。
「ビールとか外で冷やしとけばいいでしょw」とか油断して1時間くらい置いとくと凍ってる。寒い。
なによりガラス張りの小屋にひとりで宿泊していてふと我に返り、「これ、怖くね?」と思うと
極限まで怖くなります。「つーか、レセプションにクマの毛皮とか飾っておくなよ!」とか思います。

でもイグルー内部はサーモガラスで守られててヒーターも入っているので常時16度くらい。快適。
シャワーとサウナは徒歩10分くらいの別棟にありますが、気を抜くと遭難しそうになるので注意しましょう。

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▲イグルー内部はこんな感じ。二人で泊まったらラブラブなんだろうなぁ(白目)

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▲ハンドソープとかいちいち可愛くて「ああ北欧来たなこれ」って思うなど。


ホテルの周囲は基本何もないド田舎なのですが、無論北国的なアクティビティはなんでもあり。
サンタクロースの家に行くとか、犬ゾリで森を走るとか、スノーモービルで探検に行くとか、
ノルディックスキーを楽しむとか、そういうのは全て受け付けでツアーを申し込めばOK。
別料金になるけど、基本的には部屋代に付けられます。
で、それぞれのアクティビティ開始時に受付までお迎えがきて、みんなでドヤドヤと遊びに行きます。

ちなみに僕は「ICE DRIVING」という刺激的な文字列に一発でヤラれ、即申し込み。
ラリーカーのコパイロット体験とカートでのスーパードリフトレース祭りに参加しました。

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▲こんなカッコで

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▲このインプレッサに乗ってドリフト!サイドブレーキ!ミスファイア!完全にセガラリー!(気絶)


ラリーカーめっちゃ速いしめっちゃ曲がるしめっちゃドリフトだし、
カートはめっちゃスピンするし雪に刺さるし事前の契約も説明もないし、腕が棒になるし。
これ以上楽しいことあるのか……ってくらい楽しかった。日本でもこういう商売やったほうがいい。

朝食はバフェット方式でIKEAのご飯を19倍くらいチューニングした旨い鮭とかハムとか。
晩飯はいわゆるパンと芋と肉ですが、カクシラウタネンはかなり旨い。

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▲朝飯もっさ旨くて毎日2時間くらいかけて大量に食べてた。


ビールも旨いしハウスワインも旨いし、シングルモルトもカクテルもいろいろある。
毎日満腹になるまで食べて、ビール飲んで、寝たり起きたり本読んだりしてました。

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▲トナカイとか余裕でいるし、オッサンめっちゃいい笑顔しとる。

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▲で、夜トナカイのステーキ出てきて戦慄する。

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▲このポークソテーうまかったなーうまかった。


で、本題のオーロラですけれども、いきなり初日の夜がバカみたいに晴れました。
夕食をとった後に雪原をとぼとぼ歩きつつ、
「あれ、雲だよね」「オーロラじゃん?」「いや雲でしょw」みたいな会話をしつつ、うーんよくわからん……と。
で、自分のガラスイグルーの前でふと空を見上げたら……あれ? なんか緑色なんですけど……。

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▲慌ててカメラを三脚にぶっ刺して、空に向かって30秒露光。ISO1600。


一人だったのですが、さすがに声が出ました。
「なんじゃこれ……」と。

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▲出るわ出るわ、もう対応不能なくらい変化しまくりながらオーロラが。

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▲わー!わー!とか言いながら震える手で三脚をあちこちに向けつつ……。


オーロラ、実際に見ると写真の1/6くらいの迫力です。
色も薄いし、光ももっと柔らかくて弱い。でも確実にそこにはカーテンが揺らめいている。
太陽から出てきた電子だかなんだかが地球の大気層にぶち当たってビャリビャリ光っている。
これはですね、すごいですよ。見れるもんなら見たほうがいい。私は運がいい(シーランス)。

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▲月明かりが明るかったのも派手なオーロラの妨げだったかも。

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▲グラスイグルー内部からも当然このありさま!寝れるか!


寝れるか!とか書いときつつ、当日はオーロラがブワブワ出続けるので、
1時間くらいしたところで「アホか!もうええわ!」とか思って寝ました。

……そしたら翌日は曇天でオーロラ観測できず。
さらにその翌日は曇天の隙間がありつつもオーロラがピークタイムに発生せず。
ということで、初日のオーロラのありがたみが後になって分かったり。
イヴァロには4日滞在しましたが、やっぱり毎日見られるもんじゃないんですね。

ということで、オーロラ見るならフィンランドのイヴァロ(正確にはサーリセルカっちゅう集落のほうが近い)。これ間違いない。
かなり人気の地なので航空券を取るのがちょっとしんどいみたいですが、
人間「行きたいなー」より「行っちゃった!」だな、と心の底から思いましたので、
マジオススメしておきます。

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▲ちなみにガラスイグルーよりハードコアなガチの雪洞ルームも選択可。


泊まるにしてもログハウスとかガラスイグルー(2日以上泊まるもんじゃないかも)とか雪洞とか
いろいろオプションがありますのでぜひオフィシャルサイトなどを見つつ、思い切ってチケット取っちゃいましょう。

ホテル・カクシラウッタネンへようこそ

質問とか要望とかありましたらコメント欄になんか書くとバリバリ補遺を書きますのでみなさんどうぞ。

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▲ちなみにヘルシンキにもステイしたんだけどこれはまた別のお話。衝撃すぎた。



by kala-pattar | 2013-03-01 01:41 | 行ってきた