【コンデジ】SONYのRX100があまりにも素晴らしいカメラで衝撃を受けた話

【コンデジ】SONYのRX100があまりにも素晴らしいカメラで衝撃を受けた話_b0029315_22521742.jpg※追記
RX100M3買いました。その理由と無印〜M5の印象についてはこちらをどうぞ。
[史上最強のサブ機にしてSONY至高のコンデジ、「RX100シリーズ」最終購入ガイド]

やれキヤノンのS110だ、ニコンのP330だと書いてきた当ブログだが、
以前よりどうしても気になっていたカメラがあったので、
この度友人より借りてロングタームで試用してみた。

SONY Cyber-shot RX100

このカメラ、いわゆる「高級コンパクト(語感がダサい)」の一員で、
僕の嫌いな「画素が無駄に多い」というアレで、
さらに図体がその辺のコンデジよりちょっと大きく、さらにちょっとだけ値段が高い。

しかし、センサーサイズの大きさと開放F値の明るさは文句ナシで、
撮影された画もFlickrなどで見てみると、とても素晴らしい。

RX-100の素晴らしいところはいろいろある。
・まずボディが頑丈で、剛性感が高い(このフィーリングは機械としてとても重要だ)。
・1.0型CMOSセンサーは巨大で、2000万画素オーバーなのに高感度ノイズも目立たない。
・F1.8の大口径カールツァイス「バリオ・ゾナーT*」は夜でもバンバン使える明るさ。
・当然収差(画像のフチで像が流れたりする)も少なく、ボケも比較的綺麗。
・28mm-100mmというズームは手前がちょっと長すぎるが、日常スナップには充分。
・光学式手ブレ補正も優秀で、ブレボケのひどい写真はまず撮れない。
・ピッチとロールの2軸で表示してくれる電子水準器も猛烈に精度が良い。
・上記のほとんどが電子的補正の恩恵を受けてるっぽいところがSONYらしい。




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ダメなところというか、気に喰わないところもある。
・「こだわりのマニュアル操作を可能にする」と謳うレンズ周りのコントロールリングなのだが
これが操作量に対して数値の変化が鈍い。一眼レフの操作感を知っているだけに
なんで絞りを1段変えるのにこんなにグリグリ回さなきゃいけないの!?という感じ。
これはぶっちゃけ使わなければいいだけの話なのでまあいいや。
・センサーサイズがデカいぶん、マクロ域がコンデジにしては弱い。
そのへんは「離れて撮影してからトリミング」で対処するしかない。

んで、このカメラを使っていて驚いたのが「Dレンジオプティマイザー」と「オートHDR」の優秀さ。
というよりも、これだけのために買ってもいいのではないかと思えるほど素晴らしい。

晴天下、外光と照明の入り乱れる屋内での撮影や、逆光気味の建物を撮るときなど
どうしても空が白飛びするかシャドウが潰れまくるかのどちらかを選択するしかなかった条件で
このカメラの上記機能を使うといい感じの写真が撮れるのである。しかも、手持ちで。

HDRというのは明るい写真と暗い写真を複数枚撮影して合成することで
明るい部分と暗い部分の「いいとこ取り」をする技法のことだが、
通常なら合成するために同一の画角で3枚撮影するには三脚などでカメラを固定する必要がある
(もちろん違う手法でどうにかしているカメラも存在するが……)。
しかし、RX100はHDRモードで一度シャッターを押すと3枚の写真をジキジキジキ……と連射して
それをあっという間にその場で合成する。
もちろん手持ちならカメラがちょっと動いてしまうのだが、そこは電子的に補正してくれる。

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▲こちらはHDRをオフで撮影したもの(JPG撮って出し)。
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▲こちらはHDRをオンにしたもの(JPG撮って出し)。




説明はあまり要らないと思うが、空の色とクレーンのキャビンの色が両方出ているのは後者だ。
ふつうHDRというとお化け屋敷のような色とコントラストにするのがトレンドだったりして
僕はあまり好きではない。
HDR porn
▲こういうの、興味ある人がいるのはわかるけど、個人的には大嫌いです。不自然だし。(Photo/Hassan Hodges)


どっこいRX100のHDRは効果が5段階から選べるし、
より自然に仕上げたければHDRを切ってDレンジオプティマイザーを強めに効かせれば良い。

HDRの効果が良い感じに現れている写真を(わざと強めにかけたもの含む)いくつか貼っておく。

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いままでだったら諦めていたシチュエーションでも手軽に撮影領域が広げられるということ、
そして当ブログで何度も言っている「カメラまかせでどれだけ撮れるか?」ということの素晴らしさ
(「プレミアムおまかせオート」はちょっとおせっかいすぎるが、
「おまかせオート」にはまさしく全幅の信頼を置いておまかせできる)。

いやはや、持ち主に返してしまったのでもうこのカメラで遊べないと思ったら寂しすぎるので
ちょうど発売される後継機、SONY サイバーショット DSC-RX100M2にも食指が動く……。
しかし初代との値段の差がけっこう半端ない(一眼レフ買おうと思えば買える……)のと、
バリアングルモニターがあまり好きではないこと、
そして高感度性能についてもそこまで顕著な差がないマイナーアップデートなので、
RX100が今後も併売されるなら買ってしまおう……と結構マジに思うのでした。

SONY デジタルスチルカメラ DSC-RX100(オフィシャル)
デジタルスチルカメラ DSC-RX100M2(オフィシャル)

ちなみにRX100とRX100M2の違いはこちらが参考になる
正直アクセサリーシューとバリアンモニターが目立つ所で、
画質については等倍でヒイヒイ言いながら比較しないとわからないと思うんだよな。
なので、値段で買うか、見た目で買うか、みたいなところだと思います。

追記/ひさびさにホッテントリ入りしたのでブコメを色々読んで返歌を書いておく
・高かったのでS110買った、という人はある意味で正解だと思う。
値段と画質はかなり正確に相関すると思うけど、キヤノンS110とニコンP330がRX100に次ぐ選択肢では。
P330についても書いたが、操作性でS110に軍配が上がるかなぁという印象。
いまからRX100を買うのは確かに値段で腰が引ける。

・写真の色に癖があるとおっしゃる方は慧眼。
当然ながら色調は「撮って出し」と書いてある物以外自分好みにレタッチしている
(いわゆるレビューサイトではご法度なのだけど、ここはまあ自分の趣味だしね)。

・呉の写真が多いのは仕事で取材に赴いたため。
つまりどういうことかというと、このカメラなら仕事で商業印刷用の写真を撮ってもいい、と評価した。
画素数が多いのはあまり好きではないが、仕事で使うなら多いにこしたことはない。

・これよりもミラーレスが欲しい、という人もいるが、
僕はメインにニコンのD600かペンタックスのK-5を使っている。
コンデジにはコンデジの領分があり、一眼レフやミラーレスにはそれらの領分があると思う。
レンズを付け替えたりゴツいものを構えたりというのが憚られる(機動力がやたらと求められる)場面では
やはりコンデジをポケットからサッと取り出してパッと撮る、というのが必要だと思うからこそ。
あと基本的にミラーレスは「レンズ交換式コンデジ」だと思っているので、
ボケが欲しいなら大センサーのデジイチ買えばいいと思うし、そこまでじゃないならコンデジでいいと思う。
いまだにミラーレスの存在意義ってどこにあるのかが僕の中では「値段を中途半端な所で落ち着かせたい」という
穿った見方をしているところもあり……。

・ツイッターでは
「レンズが不満。28-100mmはいいとしても、
F1.8-4.9って望遠端で暗くなり過ぎ。私が欲しいと思うのは24-90mm/F1.8-2.8くらいかな。」
という意見が……。
テレ端では確かに暗くなるが、24-90mm/F1.8-2.8なんぞデジイチのレンズでも見たことない。
撮れた画を見るんじゃなくてスペックにこだわるなら、重たくてデカイ機材を背負うことを厭わない気力と体力が必要です。

■関連記事でよく読まれているのはこれ。RX100以外を選ぶなら?

■ニコンで選ぶならこれかな?という記事も。
【Nikon】最強のスナップ用コンデジだと思ってたらホントに最強だった【P330】

■2016年4月時点でRX100を候補に入れたコンデジのベストバイ候補について考えました

■結果、RX100M3買いました。その理由と無印〜M5の印象についてはこちらをどうぞ。







by kala-pattar | 2013-07-07 23:41 | カメラ