天ぷらと酒のカーニバル、「てんや呑み」を極める7つの法則

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▲てんや人形町店外観。



てんやは天丼をリーズナブルな値段で提供するチェーン店として知られているが、
最近は呑兵衛へのアプローチに積極的であることをご存知だろうか。
今回はほぼアル中の3名でてんやに突撃、米を食わないで居酒屋として利用するとどうなるのかをリポートしようと思う。



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▲メニューからしてこれである。ゴーストが呑めと囁く。



■まずは生ビールセットを頼め!



生ビールと天ぷら4品(いんげん、いか、海老、れんこん)で580円である。
天ぷらの単品価格ベースで計算してみよう。価格は税込みだ。
いんげん40円、れんこん80円、いか100円、海老210円である。合計430円。
差し引き150円で生ビールが呑めるということになってしまう。渋谷の「幸ちゃん」を上回る価格破壊だ。
逆に生ビールの単品価格(400円)をベースに考えると、わずか180円で天ぷら4種が食べられることになる。
しかしここでメニューを見ると、生ビール単品は特別価格300円のステッカーが貼られている。
もはやこうなってくると足し算引き算が簡単ではない。全部タダみたいなものである。
思考回路が破壊され始める。価格の概念が崩壊していく。

今回は3人での攻略であるため、天ぷら四品セット×2、一口たこ天セット×1をファーストオーダーとした。

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▲小皿と生ビールが運ばれてくる。小皿は卓上漬物をアテにするための重要な武器だ。


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▲天ぷらが来る前に乾杯。一番搾り。よく冷えており、サーバーの洗浄も抜かりないテイストである。



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▲ついで天つゆと天ぷらが運ばれてくる。パーティーの始まりだ。



■食べたい天ぷらを見つけたらすかさず単品で攻めろ!



いんげん、海老、いか、れんこんのカルテットも楽しいが、やはりつまみにはバリエーションが欲しい。
天丼に乗っかるものも、変わり種の天ぷらもすべて単品オーダーが可能なのがてんやのスゴイ所。
まずはメニューから「モッツァレラチーズの天ぷら」をオーダー。2つが皿に乗って190円である。

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▲アツアツの衣のなかにグズグズのモッツァレラが入っており、伸びがある。



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▲ハンバーグ天。モッツァレラと同じく天つゆではなく天丼のタレをぶっかけて食べるのがオツである。



■生ビール単品を追加するくらいならセットの2周目に突入せよ!



おわかりだろうか。ビールを頼むと揚げたての天ぷらが勝手についてくるセットがあると考えれば良い。
もしくは揚げたての天ぷらを4つ頼むと生ビールが勝手についてくるセットがあると考えればよいのだ。
というか、考えても仕方ないので、「セット下さい」と唱えれば約束の地にたどり着けるのだ。
天ぷらは食える奴が食えばいいし、どちらにせよつまみはあって困るものではない。第一天ぷらは旨い。
ビールが嫌なら日本酒やワインへの変更も可能である。てんや、恐るべし。
自分でも何を書いているのかよくわからなくなってきた。

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▲とにかくビールを頼むごとにテーブルが揚げたての天ぷらで埋め尽くされる。死後の世界というのがあるならば、こんな感じだろう。



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▲ジョッキの壁面には泡の痕跡も鮮やか。ジョッキの洗浄がきわめて丁寧であることが伝わってくる。



■天ぷら以外のつまみも積極的に取り入れていけ!



天ぷらばかり食べていると馬鹿になってしまうので、馬鹿になりたくない人は野菜を食べよう。
野菜の天ぷらも存在しているので、そのへんは上手くやればよろしい。

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▲引きの画である。ほうれん草のおひたしが見えるだろうか。



枝豆、冷奴、おひたし、ポテサラなど「とりあえず存在して欲しい」というタイプの居酒屋的つまみは完備。
天ぷらもしつこくないのだが、緑色のモノが卓上にあるとその存在はオアシスであり、箸休めとなる。
ビタミンとかも取ろう。
あと枝豆には卓上の藻塩をふりかけると旨味が倍増するのでオススメのメソッドである。

■「季節丼」と日本酒のマリアージュを楽しめ!



先程も書いたとおり、生ビールセットの「生ビール」のところは日本酒に置換することが可能である。
日本酒は月桂冠or酔心が用意されており、店によって違う。今回の店舗は酔心であった。
一合瓶で提供されるため、猪口は2つ頼めばシェアも可能だ。大丈夫か、てんや。

この日本酒にも天ぷら4種が勝手に付いてきてしまうが、食べればいいので問題ない。
ついでなので季節丼のウワモノ(現在はあさりとごぼうのかき揚げ)を単品オーダーする。
日本酒とのマッチングがアロンアルファも裸足で逃げ出す剛着ぶり。もうダメ。幸福。

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▲「おっとっとっと」などとおじさんじみた声が勝手に再生されてしまうので知能がかなり低下している



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▲カルステンツ・ピラミッドもかくやという天ぷら界の最高峰がここにある。



当然ながら腹が天ぷらまみれになってきたので(天ぷらこれ以上食えない、ってめっちゃ贅沢)、生ビールや日本酒を追加で単品オーダーし、
徐々にメートルを上げていくアラサー飲酒軍団。もはや森林限界は突破し、味の岩稜帯である。

■シメはソバと決まっています



てんやには天丼だけだとなんとなく心もとない食いしん坊のために小そば(うどん)セットが用意されている。お値段220円。
当然ながらこれは呑兵衛ユースとしても考慮されているため、生ビールセットへの追加も可能なのだ。
セットにセットを重ねがけ可能で、しかもそのタイミングはいつでもOK。
つまり同一会計内に生ビールセットがあれば、時系列的不整合に目をつぶって小そばを追加可能なのである。

いま、ソバが食いたい。いま、フィナーレを迎えたい。
そう思ったら伝票に眠る過去の記憶をたどり、「これは小そばセットだったということにしてください」と店員さんに告げれば良い。
けっこうにこやかに対応してくれた(怒られたらごめん)。

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▲日本酒&そば&ミュージック&エコロジー。日本に生まれた幸せを噛みしめる瞬間である。



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▲麺リフト。七味唐辛子は信頼のやげん堀ブランドなのであります。



■会計を経て、君は刻の涙を見る。



さて、食べた。呑んだ。
酩酊とはいかないが、非日常的な空間での強烈な飲酒と
天ぷらという脳髄直撃な旨味のカタマリによる打撃でかなり気持ちよくなっている。
会計はいったいどうなっているのだろうか。

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▲宴のあと



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▲この金額はユーロでもドルでもなく、円です。



「もういいわ」というテンションになるまで天ぷらを好き放題食べ、酒を好き放題呑む。
そんな贅沢行為に対して請求される対価は一人あたり2000円。優勝である。
ちゃんとワリカン価格まで表記されているではないか。酒飲み大歓喜のこのシステムを放っておくわけにはいかない。

当然ながら店内ではシラフで飯を食っている人もいるので騒がないようにしたい。大人だし。
そしてこれを毎日やっていると日本経済のデフレ機運が高まりすぎてしまい、巡り巡って自分の給料が減ってしまう可能性もある。
てんやで痛飲するという「非日常感」もまたこのレジャーの良いところであるため、
月イチくらいでの利用としたいところだ。大人だし。
とはいえ生ビール300円の特別価格は今月いっぱい。こりゃ行くしかないな……。

てんや呑み、マジでいいです。オススメ。
(このあと飲み直しと称してサイゼリヤに行ったのは内緒です)






by kala-pattar | 2016-05-05 12:32 | 町中での出来事