タミヤのトムキャットを買ったら絶対に読むべき3冊、教えます。
2016年 11月 13日

ついに、とうとう、タミヤから1/48のトムキャットが発売されました。
世界で一番人気のある戦闘機を、世界で一番の模型メーカーが、とてもかっこよく、スマートに、実直にプラモデルにしてくれました。
感動のあまり、箱を開けただけで息が止まりそうです。これはもう、タミヤマジックです。
いますぐに作りたいけれど、いまはこの箱の中身からジワジワと染み出してくるタミヤの意気込みを鼻から吸い込みながら、
イマジネーションを膨らませていたい。写真や文章で、自分がトムキャットで満たされたら、作り始めることにしよう。
ということで、我が家にある本のなかから、
「タミヤのトムキャットを作る前に絶対に読んだほうがいいもの」を3冊選んだので、皆さんも読んでみてください。
絶対に損はさせません。
■F-14はトムキャットであるまえに、戦闘機である、ということを知るための最高の資料
F-14という飛行機のすべてのディテールを知るための一冊。
あらゆる細部の写真が、あらゆる角度から、徹底した「モデラーのまなざし」で撮影され、大量に収録されています。
プラモデルではどうしても「カタマリ」として捉えてしまうカタチも、薄い板や頑丈そうな桁の集合体。
ここはなぜこんな形なのだろう、模型ではこんなパーツだけど、本物はどうなっているだろう。そういうギモンに、全部答えてくれます。
正直、とんでもない本です。極論すると、「模型を作るという行為のどうしようもなさ」(=実機の完全再現の不可能性)を突きつけられます。
それくらい、飛行機というのは複雑怪奇で、大雑把で、しかも繊細な機械なのです。清潔さの集合体であり、汚れにまみれた機械なのです。
そういうことを知ってから作るかどうかで、あなたのプラモデルは大きく変わるでしょう。とにかく、必携です。
プラモデルを作らない人も、「ああ、戦闘機ってこういうものなのか!」というのを、ひたすら細かく、部分ごとに、視覚を通して知ることができます。
「リアルなメカ」が何かを知りたい、すべての人へ。
■世界で唯一、アメリカ合衆国以外でトムキャットを運用した国の、ウソみたいな本当の話

今年発売された軍事関連書籍の中でももっとも破壊力のある一冊。
このブログでも一度取り上げていますが、とにかくイラン空軍がなぜトムキャットを入手し、いかに運用していたのかを
(事実なのかどうなのか大いにギモンは残る内容でありながら)当事者たちの取材によってつまびらかにした「仰天の歴史書」です。
マンガや映画も真っ青のとんでもないエピソードが満載。「正体不明の機体と戦う中東最強の防空戦闘機」みたいなキーワードにグッと来るならば
絶対に読まないと駄目です。とにかく、すごい。
エリア88って実話だったのかよ……みたいな本です。Wikipediaの内容とこれほどまでに食い違っていいんでしょうか。
タミヤの1/48トムキャットもイラン空軍の塗装パターンとデカールが入っています。それを作るなら、絶対にこれを読んでから。約束ですよ。
■伝説の超絶大判写真集を、いつでも好きなときに。

エピソードやディテールもいいけれど、結局模型を作るときの最大のモチベーションはイメージ。
どんな光景の中を、どんなふうに飛んでいたのか。それをじっくりと見ることがいちばんです。
この写真集は2011年、F-14が米海軍から退役する直前に刊行された伝説的な写真集。
ハードカバー版の巨大さたるやそうとうなもので、現在では新品を買うと10万円以上のプレミアが付くことも。
しかし、いまならKindle版がたったの3250円で買えます。タブレットで閲覧すれば、カラーで詳細に写真を見ることも出来ます。
(ハードカバー版の古本でを買うのも本当にオススメ。紙で、この巨大なページをめくるのは最高の愉悦ですよ。)
フィルムで撮影された強烈なシーンがページごとに飛び込んできて、その鮮烈さ、その汚さ、そのタフさには呆れるばかり。
空母甲板、砂漠の上、富士山の上……。とにかくありとあらゆるシーンのトムキャットが、信じられないくらいのアングルで撮影されています。
トムキャットのかっこいい姿を見るならば、必携の写真集です。是非。
by kala-pattar
| 2016-11-13 00:02
| プラモデル