重量5kgオーバー、お値段3万円オーバー。全オタクに突き刺さる「Appleの超絶写真集」に失神しまくった話。
2016年 12月 02日

はい、Appleが写真集出しました。ここから買えます。
『Designed by Apple in California』は、Appleの20年間のデザインを記録したハードカバーのブックです。
様々な製品とそれらの製作プロセスを写した450枚の写真によって、iMacからApple Pencilまでの歴史をビジュアルで語ります。
Appleにしか存在しないデザイン、エンジニアリング、製造の周到で綿密な手法。その証であり、その成果を記念する一冊です。
2つのサイズを用意してAppleだけで販売します。
とのことです。
ワタクシはAppleの犬でありますので、ノータイムで大きい方を買いました。高いとかデカイとか知りません。
高いと思う人はお客さんじゃない、というアイテムの最たるもんですねこれ。
小さいほうが26×32.4cmで税別20800円、大きい方が33×41.3cmで税別30800円です。
届きましたところ、冗談じゃなく大きくて重たいハコでドン引きしました。
しかしApple信者なら分かる通り、ハコもフツウじゃありません。買ったら分かる、タッカイやつや(宮川大輔)。
中身も公式の解説を引用しますが、
『Designed by Apple in California』には、様々な製品の数々とそれらの製作プロセスを写した450枚の写真によって、Appleの20年間のデザインが記録されています。
iMacからApple Pencilまでの歴史をビジュアルで語りながら、革新的な素材と技法についての解説も加えています。
編集では、あらゆる細部が誠実に再現されることを意図しました。
マットなシルバーの縁取りがあるドイツで特別に作られた紙に、
8色の色分解とゴーストが発生しにくいインクを使って印刷されたこのハードカバーのブックは、制作に8年以上の時間をかけています。
そして掲載されているApple製品同様、徹底的なこだわりとともに精巧に仕上げられました。
Appleにしか存在しないデザイン、エンジニアリング、製造の周到で綿密な手法。その証であり、その成果を記念する一冊です。
正直これはもう「本」じゃなくてApple製品でございますので、300ページという鈍器的な重たさも含めてありがたいのです。
体重計に乗せたら5.1kgって出ました。確実に自宅に届けてもらいましょう。会社で受け取って失敗しました。

▲装丁は真っ白なリネンで、タイトルとAppleマークはエンボスです。ありがたや、ありがたや。
▲この本、自立致します。レッドブルの缶と比べるとどれくらいバカでかいかがわかると思います。強い。

▲巨大な紙面ですが、級数は常識的であるため余白が半端ないのでスケッチブックとしても有用です。メモ帳とかにも。
▲8色印刷、絶望的に色が美しく、インクの乗りが艶かしく、とにかく最初の見開きから友達と二人で「うわー!!!!!!」と絶叫しました。生で見ないとわかりません。

▲フツウの雑誌の印刷をマクロで撮影したものです。CMYKのインクを小さなドットで掛け合わせて色と濃淡を再現した「アミ点」というのが見えますね。まあこんなもんです。

▲こちらが280線で印刷されたAppleの写真集。美術書とかだとわりとフツウですが、肉眼ではもうなにがどうなってるのか全然わかりません。印刷物というより写真のプリントを見ている気分。
簡単に言いますと、Retinaディスプレイの概念を印刷でも採用してみた、というのががAppleにもあるんだと思うのです。

▲ツルツルのAppleのプロダクトばっかりだとお思いのアナタ、中身も当然あります。あえてマットな紙にグロッシーな印刷なのですが、影がきっちり黒くなっているのがすごいです。

▲Appleオタクも当然ですが、紙オタク、印刷オタクも絶対に見たほうがいいです。異常です。とにかく異常な解像度で異常に美しい写真が永久に見られます。

▲Macだって樹脂の部品は成形品なのですから、金型があるわけです。金型オタクも全滅です。もう最高にキレイ。

▲なんの金型だかわかりますか? 買えばわかります。編集も素晴らしい。構成が秀逸なので、言葉が一切ないのに、写真の並びで「Appleが何をしたいのか」がズバズバ伝わってきます。

▲製品の金属パーツや樹脂パーツを切削するために特注されたエンドミル(金属を切削するマシンの先っちょに付く刃物)もこんだけ美しく撮られています。
ここまで見て、「アホか、CGみたいな写真見て何がおもろいねん」という人もいるかもしれません。
しかし、これらは間違いなく「Andrew Zuckermanというフォトグラファーが撮影した写真」なのです。
レタッチャーが歪みを直し、傷やホコリを消しているのは間違いありませんが、そこに物があって、撮影されたという事実が、よく見ればわかります。
よく見ることができるのは、美しい印刷があるからです。
実物よりも大きくなった歴代のApple製品の数々を、ハイクオリティな編集と印刷で眺めることができる体験というのは
間違いなく3万円の価値に見合うものでした。
(冒頭でジョニーが「ジョブズの思い出に捧げる」と言ってるのが、ジョブズ亡き後のデザインについてアレなんですが……)
一般の書店では売られないのでどれくらいの数が出回るのかわかりませんが、
持っていればきっと価値が出る印刷物のひとつでしょう。
もしAppleやデザインや写真や印刷のいずれかに興味があるなら、もしくはあなたがプロダクトを送り出す仕事しているなら、
このスーパーカーのような写真集を見て「俺もやってやるぞ」という気持ちを育むのも良いんじゃないでしょうか。
とにかく、家に遊びに来た友達と二人で「ぎゃはははははは!」「うわー!!!!!!!!」「えー!!!!!!!!!」と、絶叫しながらの300ページでした。
こんな本、見たことないよ。ホント。

by kala-pattar
| 2016-12-02 00:21
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