キミは腐ったドラゴンのプラモデルを組んだことがあるか(後編)
2017年 02月 12日
"Warhammer AGE of SIGMAR"のZOMBIE DRAGON完成しました。塗ってる間はとにかくもう、楽しすぎて死ぬかと思いました。
ウォーハンマーのプラモデルフィギュア初挑戦、ナマモノの塗装初挑戦、シタデルカラー初挑戦。生まれて初めてなんすよ。なにもかもが。
人間30歳を超えてもこんなに楽しいことに出会えるんだから、生きてると良いことありますね。
まずはガーッと下地塗料(サーフェイサー)を塗ります。
血とか肉をガンガン塗るので赤系がいいかなーと思い、オキサイドレッド(錆止め塗料を模したモノ)をドバっと吹きます。
入り組んだところには塗料が回らないので補助的にエアブラシ使いましたが、完成してみたらほとんど見えないので別に気にしなくて良いかも。
そしてここからシタデルカラーという水性塗料をバシバシ筆で塗っていきます。
シタデルカラーというのは主にこういうミニチュアゲームのコマを塗るために発売されている塗料で、
すごいところがいっぱいあります。
まず水性なので臭くない。まったく臭わないと言ってもいいです。
そして乾燥が激早く、塗膜もめちゃくちゃに堅牢。触って遊ぶミニチュアゲームだからこそ、塗膜が丈夫じゃなきゃいけないんだって。
水で薄められるし、水で筆が洗える(乾燥するとガッチガチの塊になるのでエアブラシとか筆の扱いには注意。常に洗浄し続けてください)。
隠蔽力が鬼のように高く、下地が暗くても一発で発色するしはみ出してもあとからガシガシ修正できます。
なにより、ミニチュアを引き立たせるための陰影をしっかりと出すために、レイヤリング(塗り重ね)のためのシステムが組まれているんです。
どういうことかといいますと……
簡単に説明すると、シタデルカラーはBASE、SHADE、LAYERという種類に分かれていて(この他にもテクスチャをつけるためのものなどもある)、
BASEカラーで基本の色となる下地を塗る→影色となるシャバシャバのSHADEカラーを流す→LAYERで明るいところを塗って浮き立たせる
というのが最初から色彩設計されているので、説明書通りに塗るとなんかすげー味の濃い極上ハンバーグのカレーソースがけみたいなのが誰でもできる。
俺は正直びびったね。プラモ塗る人だから「調色してナンボ」だと思ってたんですけど、シタデルはビミョーな色調のものが揃っていて
それをガシガシ塗り重ねて行ったり来たりしているうちにめちゃめちゃクドい模型が出来上がるんですよ。すごいから試してみそ。
一本550円とかですげー高いから覚悟はいりますが、値段相応の性能あると思いますよ。
じつは上の写真にはダウトがあって、BASEとなるKHORNE REDというのを間違えて「AIR」 (エアブラシ用に希釈されている)で買ってしまったのですね。
容器同じだし見分けつかねーよ!と思いましたが文字の周りの模様が白いですね。気をつけましょう。まあ筆で塗れなくもないですが、薄いです。
ので、今回はこのKHORNE REDだけエアブラシでガーンと吹いて、あとはちまちまと筆で塗っていきました。
色の名前もかっこよくて、"USHABTI BONE"とか"ZANDRI DUST"とか"STEGADON SCALE GREEN"とか、
ウォーハンマーに登場するモンスターとか架空の地方の名前から拾ってるんでしょうね。こういう色に世界観が乗るのって超かっこいいじゃないスカ。
塗ってる方のテンションも「ただの赤」より上がるというもんです。
で、あまりに楽しくて「途中写真撮るぞー!」とか思ってたんですけど全然そんな余裕とかなくて、
ひたすら塗装に没頭してしまうわけですよ。正味8時間くらいグリグリグリグリ塗ってましたかね。できちゃいました。
塗るのめんどくさそうに見えるでしょう。どっこい、ディテールに沿って細い筆動かしてればガンガン塗り分けられるんで、めっちゃくちゃ楽です。
要は段差という輪郭線がしっかりした立体塗り絵みたいなもんです。たぶん手先が不器用でもちゃんと手元明るく照らせば塗れます。ホントに。
ここにはVAMPIRE LORD(バンパイア・ロード)を乗せるという設定になってるらしく
(このキットは腐ったコウモリであるテラーガイストとコンパチになってて、そっちにはABHORRANT GHOUL KINGというのを乗せられる)
そっちはなんか小せえしめんどくせえなオイ、と思ってたんです。でもまあ乗ってないとかわいそうなので組んでみました。
モールドがバッキバキなのでまあ頑張って塗ってみようと思い、こっちはシタデルではなく手持ちのファレホカラー(これも水性塗料)で塗ってみました。
ゾンビドラゴンでなんとなく勘所を掴んでいたのと、テンションが高いので40分くらいでガバーッと塗れました。
素直に成形するために金型に対して彫刻がびっちり90度に立ち上がっているところが多いので、
とにかく「基本色、影色、ハイライト」というのを順番に塗っていけば、それなりに奥まったところが暗く、出っ張ったところは明るくなります。
んで、引くくらいハイライトをわざとらしく入れると、ドラゴンとの釣り合いもとれるかな、と。
ということでウォーハンマー エイジ・オブ・シグマーのゾンビドラゴンを作った話でした。
こういうめちゃくちゃな造形のものがバチピタのプラモデルという形態でこの世に存在していること、塗るためのマテリアルがプラモとは違う文脈ですごいということ、
で、塗ったら帰ってこれないくらい楽しいということ。生まれて初めてなのになんとなくそれっぽくなるお膳立てがされていること。
これをすでに知っていて楽しんでいるフレンズがたくさんいたということ……。
すべてが悔しい!おめでとう!ありがとう!これからもなんかこういうナマモノ塗りたい!はやく次のシャブをくれ!!
……ということで完全にこっち系の虜になってしまったのでまた買ってきてウリウリ塗ろうと思います。みんなも塗れ。すげーから。
ではでは。
by kala-pattar
| 2017-02-12 13:59
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