小さくても動かなくても、ヨーダのプラモデルは"オマケ"こそが本体なのだ。
2017年 04月 04日
あのですね、オレ、スター・ウォーズのなかでもヨーダがとびっきり嫌いなんですよ。
だってなんかクソ眠い森の中のシーンでクソジジイが出てきて、適当なこと言ってルークが仁義のために頑張ろうとしてるのに
ガタガタガタガタ説教して、フィジカル全然ダメそうで、速攻死ぬじゃないですか。
そんでプリークェル(ep.1-3)見たらなんつーの、コイツがフォースの調和を乱す老害じゃないですか。
ほんとに。なんでみんなヨーダ好きなの?意味分かんないんですけど。
でもですね。
バンダイのスター・ウォーズシリーズで、可動フィギュアの組み立てモデルとして、ヨーダが出ちゃった、となれば買うしかないんですよ。
もうモチーフが嫌いでも、確認せざるを得ない。
あのミレニアム・ファルコンを、あのAT-ATをプラモデルにした会社が、どうやってヨーダをプラモデルにするんだ、と。
▲顔面が2種入っており、ハゲとフサを選べます。視線の方向もパーツで選択できるので、4種類の顔面を作ることができます。わかりましたね?
正直言いまして、可動モデルである1/6の「本体」はストーム・トルーパーやダース・ベイダーとほとんど同じ設計で、
単に「小さいおじさんに可動ギミックを詰め込みました」という老体にムチ打ち系の設計なんです。
それが悪い、というのではなく、「ヨーダが好き!」という人にとって、動くヨーダのプラモデルは唯一無二ですから、すごく価値のあるものです。
しかしワタシはバカなので、常に食ったことのないメシを頬張っては驚きたい。
なぜこんなものが、こんな分割でパーツになっているのか!と、打ちひしがれたい。
今回バンダイが見せてくれたのは、「ダース・ベイダーでも、ヨーダでも、同じ技術で同じようにプラモデルにできるんですよ」という
横綱の懐の深さといいますか、モチーフがなんであれ同じ技を繰り出し、土俵にねじ伏せてしまう「後の先」とも言うべき立ち回り方のように思えます。
(瞳がパーツ状態で色分けされているのも、豊かな曲面をパーツに還元するのも、フィギュアライズバストやドラゴンボールでしっかり稽古してきた技です。)
だから、これを技術だと言うのではなく、「バンダイの余裕」であるということにみんな気づいてほしいんですね。
そして気にするべきはオマケである「動かない、1/12のヨーダ」だと思うのです。
このヨーダはハゲ頭しか選べないんですが、ダース・ベイダーと対峙するために1/12でモデライズされています。
そして、あくまでオマケだから、可動を廃して、最低限のパーツで最高のディテールを再現しようという謎の気合に満ちている。
ワタシはこれこそがプラモデルであり、制限の中で何を発揮するかという本質に迫っていると思うんです。
ということで、みなさんはヨーダのプラモデルを買ってきて、いますぐにオマケの1/12の小さいヨーダを組んでみてください。
「え、こんな小さいのにこんなにディテールフルなヨーダが、こんなに少ないパーツで完成するのかよ!」と驚くこと必至です。
ワキワキ動くヨーダと、小さいけどすごく確かな彫刻でじっと動かないヨーダとを、同時に組んで比べられるアイテムは、ここにしかないのだから。
by kala-pattar
| 2017-04-04 00:30
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