出、出〜!香港的建造物模型奴〜〜!!
2017年 10月 02日
色とりどりの窓枠、好き勝手な室外機、俺が俺がとニョキニョキ突き出た看板、思い思いの庇……。
アジアの路地を歩いていて、こんなビルに出会ったことがある貴方ならば、こんな模型を見て冷静ではいられないはず。
人の営みがそのままカオスとなって具現化したビルディングを、貴方が神の視点で作り上げる。
今回は以前紹介した香港のミニカーメーカー、TINYの新作は香港の旧市街にあるカオスなビルディングであります。
設計が適当でも、パーツの数がきっちり合ってなくても、公式の完成図がとくにあるわけではないし、そもそも成果物がカオスなのでどうにでもなる。
完成品じゃないし、プラモデルでもないし、ブロック遊びでもない。なんとも宙ぶらりんな仕様で、宙ぶらりんのものをユーザーに作らせる。
そこに妙味があって、香港のビルディング以外にこういう品姿は成立しないんじゃないかとすら思います。
スケールはおそらく1/64あたりを狙っていて、ファインスケールではない(各部の大きさはデフォルメされている)のですが
まあミニカーとかプライザーの人形とかを置いて遊ぶとめちゃくちゃおもしろいのではないでしょうか。
屋上に誘導灯をつければ啓徳空港の伝説的香港カーブを想起させる激ヤバビルディングの情景を作ることもできそうです。
さて肝心の組み立てですが、めちゃくちゃに乱暴な仕様になっていて、
とにかく部屋を好きなように組み立ててシールを貼って楽しもう!なのかと思ったら、案外自由度が低い。
各フロアの接続方法がわりと限定されているし、爪でフロア同士がガッチリ噛み合うところと、適当な渋みで合体するだけのところなど
「なるほど設計の都合(スライド金型を使えるかどうか、他の商品に展開するときにセットできるか)に左右されてるな」という印象。
窓枠も塗装が分厚くて、躯体にはめ込むには異常な力技とか破壊工作が必要な部分もあるし、
そもそも「開け放った窓」が超小さい別パーツになっていて、塗膜も厚いしゲート跡は処理されていないしで組み込みがめちゃくちゃ難しい。
結構器用なつもりですが、全体を組み上げるのに2時間以上かかりました……。
しかし、その雰囲気は壮絶。「香港の雑然としたビルの立体物」なんて製品としては存在してなかったわけで、
唯一無二の成果を得るためなら頑張れます。なにより高さ30cmくらいのビルがドーンと出来上がって、こんなに細密なのに
1万円台で収まってしまうのがすごい。日本のメーカーが同じことしたら倍はかかるんじゃなかろうか(クオリティも相応に上がるだろうけど)。
とにかく、見たことのない立体物が手元でガーッと立ち上がっていく様は壮観です。
これを無限に買えば九龍城のような巨大構造物を作ることも可能であるところが本当にやばく、
モジュール化されているからみんなで持ち寄って香港ビルディングコンベンションみたいなことも出来てしまう激烈アイテム。
代理店さん、ガバーッと入荷したほうがいいっすよ、ホント。
……ということで、みなさんも香港のビルを作ってニヤニヤしましょう。現場からは以上です。
by kala-pattar
| 2017-10-02 22:18
| プラモデル