グッスマ製ソユーズロケットのプラモがもたらす「プラモの可能性」の話

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▲はい、ソユーズロケット+搬送列車です。どこからどう見ても、ソユーズですね。


グッドスマイルカンパニーがプラモデルやるよ〜ということで何やんのかなと思ったらいきなりソユーズでびっくりした私です。
宇宙モノってまじで不人気ジャンルなんですけど、ジャンルでプラモデルを買うからそういうことになるので、面白そうなプラモは買うといいでしょう。

ソユーズロケットのプラモはいままでもいろんな海外メーカーがやってきましたが、
・単体で飾れと無茶を言う(ソユーズは自立できないので寝かせて運んで発射台に立てるのではなく「吊る」のです)
・似てない(資料が潤沢じゃなかった頃にざっくり設計するとそうなるよね)
・作ろうとすると地獄みたいな作業がある(ノズルとかいっぱいあるのに整形して全部貼るとなんかぐにゃぐにゃになる)
などの弱点があり、今回グッスマが出したやつはそのへんが克服されており、製品仕様としては「コレが見たかったのだ!」という内容になってます。



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▲成型色は8色(!)。宇宙モノプラモという不遇のジャンルに訪れた天使。赤みがかった黄色は勝利の鍵。


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▲黒は搬送列車とソユーズ(宇宙船)のパーツが入ってます。鉄道模型っぽいパーツもちらほら。


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▲ロケット本体はフィールドグレー(緑がかった灰色)って感じ。


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▲ノズル類はグレーがかったホワイト。4発まとめてランナーにくっついてるのが楽チンでよろしいです。


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▲輸送列車のソビエトっぽいグリーンと


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▲こちらはビリジアンっぽいグリーン。


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▲まっさらのホワイトはフェアリングとか上段のパーツですね。


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▲んで、濃いめのグレー……で8色だと思う。


とりあえずスナップフィット(一部接着)モデルになってて、塗装については説明書で一切触れられていないのがすごいです。
プラモっぽいルックだけど、組み味はざっくりしていて、パーツの精度もめちゃめちゃ高いというわけではありません。
強いて言うなら、食玩ライクなパーツの厚みとかゲートの太さ。悪くいうと野暮ったい。良く言うとガンガン組めるおおらかさ。


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▲でもスライド金型でノズルのフチとかはまあまあシャープです。


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▲グッドスマイルカンパニーの製品で、PLMってところで金型を作って、鳥取の工場で製造したよ、というエンブレムがランナーに入っていた。


とりあえず組んでみないことには全体像がよくわからないので、組みます。
銀と赤だけはやっぱり塗装したくなるのがソユーズマンの性(Sa・Ga)です。
色分けされたプラモだとちょっと色差しただけでも「自分のもの」になるのがいいですね。
全部グレーだったらこうは行かない。


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▲ソユーズ宇宙船は黒だと寂しいので銀に塗った。フェアリングの中にも入れられるけど、これは単体で飾るもんね。


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▲銀を塗ってからノズル内部をエナメルの赤で塗る。はみ出したところは拭く、という伝統的手法であります。


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▲欲が出たので輸送列車の手すりとかを分かる範囲で黄色に塗っといた。タミヤのキャメルイエローですねこれは。


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▲どーん、できました。合体変形することによって立てて展示できるディスプレイベースが嬉しいぞ。


確かにソユーズだし確かに搬送列車だし、確かに分離合体するのですが、どこか大味な印象になってます。
手すりが太いとかフチのエッジがややダルいとかもろもろの理由が複合的に作用して、シャープなスケールモデルっぽい雰囲気がどうしても出ない。
でも、シャープにして細かく分割してすっごいディテールのやつを作ったらいくらになるんだとか誰が買うんだとかそういう問題もありそうです。

この、「ちょっと安価なキャラクターモデルライクな組み心地だけど確かにいままでなかったキットだなこれは」という気持ちは今まで味わったことがなく、
「1/150の鉄道模型のディテールを知ってる人」や「シャキッとした航空機の模型を知ってる人」からすると物足りなく感じられるかもしれません。
そんじゃあこれより重たい組み心地のプラモとしてソユーズが登場したらどうなるだろう……と考えると、それはそれでゾッとします。
(かつて宇宙モノのアイテムは雑誌とかでも扱ってたんですけど、アポロとスペースシャトル以外はマジで不人気なんすよね……)

ああ!でももっとシャープな完璧版がほしい!
でもたぶんコレ以上のプラモは出ないと思う!だから買っちゃう!!

このアンビバレンス、なかなかです。あなたのオタクパワーが試されてます。
完璧版がほしければ、これをベースにお前が戦うのじゃ……と。
そして、塗装したければ、自分で資料写真に当たるのじゃ……と。


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▲手元にあったいちばんSFなメカがだいたい同スケールだったので横に置きました。ソユーズ小さいな!この球に3人も乗るの!?


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▲3段目とフェアリングと緊急脱出ブースターでこれくらいの長さ。モビルスーツって大きすぎませんか。


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▲なるほど感があります。


2018年にソユーズのプラモが出た!というだけでも大事件なのですが、
プラモとしては意外と削ぎ落とされた内容、しかしギミックたっぷりという変化球だったことも事件だと思います。
どれだけ速いストレートをどれだけ精度高く投げるか、というのを延々やってきたスケールモデル業界に
ぐぐっと落ちるフォークボールが飛んできた感じ。


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▲そのへんにあった同スケールのキハ82と記念撮影。ディテール感とか、ソユーズのサイズ感がよく伝わると思います。


これによって「こういう組み心地がアリなら、アレもプラモにできるかもしれない」という可能性は広がったと思います。
「人気がないからプラモにできない」って、もったいないじゃないですか。
できれば世界中の物体がプラモになってほしいなぁと思っているので、プラモのありかたに変化をもたらすグッスマの新作、
みなさんも買って応援すると、よくわからないものがじゃんじゃんプラモになる可能性が高まるかもしれません。

バイコヌールからは以上です。





by kala-pattar | 2018-06-11 20:31 |  →SPRUE CRAZY | Comments(0)
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