新しいゾイドで考える「プラモの組まれ方」の話

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たいへん話題なので買いました。超人気ですね、ゾイドワイルド。
これはサソリ型のスコーピオというやつであります。本当はカブトムシとかクワガタムシのやつが欲しかったんですが、完全に出遅れました。
(個人的には昆虫とか節足動物とかがゼンマイで動くやつ超嬉しい。幼稚園児の頃は永久にダブルソーダで遊んでた……。)

さて、ゾイドというとなんか小さいときはランナーにパーツが付いていたような気がするんですが、
新しいやつはベトナムの工場で射出成形されたパーツをベトナムのスタッフが切り離して袋詰してくれています。
見た目はプラモみたいですが、そもそもZOIDは組み立て玩具であって、プラモじゃないと昔から言っていたはずです。
じゃあプラモってなんだ……ランナーに付いてたらプラモなのか、プラスチックならバラバラのパーツでもいいのか、

それとも……。



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▲なんか秒でできましたね。おしゃれです。


上の説明書(復元の書)に書いてあるとおり、
袋詰されたバラバラのパーツを正しく出して、並べて形を確認する作業を「発掘」と言い換えてるわけですね……。
んで、組み立てという言葉を使わず、ユーザーがやるべき作業はそのパーツを正しく「復元」することだと……。
なるほど、組み立てというワードを使わずに(一箇所だけ出現するんですが)プラモ的なものを組んでもらうという関節技。
印刷されたパーツが原寸大だしフルカラーなのも配慮がすごいなー。

フレーム(ボーン)と外装(アーマー)は別の袋に入ってるし、ゼンマイのことは起動骨(きどうこつ)と呼ぶし、
この世界ではゼンマイを回すための簡易的なドライバーのことをポイズンタンクと呼ぶのです。


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▲ゼンマイでワキワキ動く脚は面白いんですが、いかんせん歩幅が小さすぎて全然進まない。まあこの角度で見るとかっこいいから良し。


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▲しかしライダーが透明なのはメッキ世代からするとちょっとアレですね。Zキャップがクリアーグリーンなのは毒々しくて好きです(『ザ・ロック』の見すぎ)。


プラモって組むのめんどくさいし、プラモだと言うだけで「えっ、組むの?」「塗るの?」「工具いるの?」と思われてしまう側面が否めないのですが
これはプラモ的なプロダクトをプラモだと一切言わずに、バババッと楽しめるよう加工してあるわけですね。
コドモの嫌いな人参も、こうしてピューレにして冷製スープ状にすると嫌われませんよ的な。
だからこれも、設計して成形して組み立ててもらうところまでは根本的にプラモだし、技術的にどうこうあるわけじゃあないんだけども
人のアイディアによって違う体験をもたらしているというのが面白いなーと思いました。

もちろん人参をピューレにしたり冷製スープのベースを作ったりするのは大変なんですが、まあそれでもこうして
「プラスチックでできた組み立て玩具」というのが「プラモとはなにか」という定義の輪郭をモヤモヤとさせながら
あっちこっちに可能性を探査しに行くさまというのはおもしろく、今後もハンティング&観察を欠かしてはいかんなと思った次第。
ワイルド大陸からは以上です。





by kala-pattar | 2018-07-01 19:32 |  →SPRUE CRAZY