アオシマの放つ「超巨大な電気機関車のプラモデル」、トレミュEF66の細部に迫る【前編】

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▲問答無用のこのデカさ。"飲む福祉"こと99.99の500ml缶を圧倒する、1/45スケール 全長40cmのEF66がやってくる。


発売前ですが、下記のようなモロモロがあって、いま自宅にテストショットがドドーンとあります。すごいボリューム。

コンテナだ!貨物だ!電気機関車だ!ということでこの夏は撮ったり走らせたりの日々だったのですが、なかでも超嬉しかったのはEF66 27号機との邂逅。
誕生から50年が経過した、決して新しいとは言えない電気機関車ですが、その優雅でありながら力強さを感じさせるヨーロピアンなスタイルは
さながらダブルゼータガンダムみたいな豪華さであり、今でもその姿を一目見ようと多くのファンを引きつけてやまない魅力があります。

私のおじいさんがくれた初めてのNゲージ、それはKATOのEF66で私は四歳でした(本当の年齢は忘れた)。
その味は甘くてクリーミィで、こんな素晴らしいキャンディをもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。

ヴェルタースオリジナルの話は置いといて、とりあえず模型界の狂犬ことアオシマがEF66のむっちゃでかいプラモデルを出すぞ!というのが
昨年の静岡ホビーショーで発表されたのです。「素晴らしいキャンディことEF66のむっちゃでかいプラモデルほしい」とこのブログとかTwitterで騒いでいたところ
アオシマさん(ここでは狂犬ではなくさん付けとします)から当ブログにぜひ、とテストショットが着弾したため、まずはその成形品をねぶり尽くそうというのが
本エントリの趣旨でございます。超嬉しい。ありがとうアオシマさん。




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▲EF66というのはこれです。超かっこいいですね。誰がどう見てもカッコいい。


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▲車体はスライド金型を内側にも外側にも使って一体成形!この時点でゴハンがススムくんです。


アオシマが展開するトレインミュージアムシリーズは1/45 ・軌間24mmのプラモデルでございまして、
現在はDD51のバリエーション3種が発売されています。今組んでるんですが、1200パーツとかあって台車とエンジンと流体変速機組むだけで1週間くらいかかっており
なかなか「俺はいまディーゼル機関車を組んでいるぞ!」というカタチにならないのですが、まあたまにはそういうプラモもいいじゃないですか。
で、EF66はどんな仕上がりなのかなかなか情報もないところですので、例によって例のごとく、ランナーを眺めることとします。


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▲ちなみにこちらがアオシマDD51のエンジンと流体変速機と台車。こういう解像度の物体だということをアタマに入れて読んでくださいね。


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▲車体前面形状。少しだけ前にすぼまるライトケース、エッジの立った正中線と肩のアールの交わるところなど、うるさい人も納得の形状です。


大量の積載機器に運転台をくっつけるとどうしても全長が長くなってしまう電気機関車ですが、
EF66は流麗な前面形状を意匠として取り入れながら、運転士の視界確保を兼ねて運転台を高くしたことにそのデザインのオリジナリティがあります。
ちなみに車体のパーツを見る限りは側面の点検ハッチモールドなどが入っていないのですが、一応プロトタイプは大きく「二次車」とくくられております。
DD51はデッキ、ボンネットがけっこうバラバラに分割されていて全体の形状が把握しづらかったのですが、
今回はこうして一体型の車体が入っているので組み立てている途中でも「俺はいまEF66を組んでいるぞ!」というテンションがキープできそうです。


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▲台車と運転台まわりのパーツ。2枚入ってました。


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▲DT133(両端台車)のパーツ。複雑な面取りと微妙なメクれがいいですね。ここに車輪やモーターやブレーキを組み込んでいきます。


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▲運転台。取り付けるハンドル類もめちゃくちゃ細かく割られていて、塗装でかなりの精密感が出せそうです。このへんはプラモじゃないと見られないよね。


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▲メーター類もDD51同様開口部はしっかりと彫刻されており、裏面からの電飾にも対応した設計となっている様子。


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▲こちらが中間台車のDT134を含むパーツ類。DD51は中間台車に動力がありませんが、EF66はここにもモーターが入るのでやばい。強すぎる。


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▲車輪、モーター、ブレーキ等の各台車に取り付けられるパーツ類。このランナーは3枚入り。台車ひとつで200パーツくらい使うらしいので、精神力を鍛えましょう。


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▲ブレーキは台車内側に複雑なリンク機構を組むことで、台車の両端方向から車輪を挟み込むように可動。このへんはDD51でも実現していましたね。


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▲車輪はプラスチックパーツ。アルミ製車輪セットも同時発売予定なので、精度や金属光沢を求める人はそっちを履かせるといいかもです。


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▲こちらがEF66のバケモノ的出力を生み出す主電動機。1/45だとマブチの140モーターくらいの直径があり、スケールを考えるといかに巨大かがわかります。


DD51は車体内部に巨大なディーゼルエンジンが2つあって変速機やら何やらがあるのですが、
EF66は各車輪の内側に巨大なモーターがぶら下がっていて、全部で6つの車輪をそれぞれ回しているというの大きく違うところ。
模型としての組み味も、「台車とモーターの結合体を上に乗っかった車体で制御する」というのがわかる感じになっていると思われます。


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▲窓枠は結構濃いめの表現で、左右のカーブして回り込む部分は別パーツ。クリアーパーツとのフィッティングは後編で試してみます。


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▲パンタグラフは下枠交差型のPS22B。上げ下げは選択式で、一番左のパーツが治具になっているので使って歪まないように組めるみたい。頑張れば可動化もいけるか?


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▲テストショットなので圧高めで打ってるっぽく、ややバリがありますが、摺板の細密なディテールに卒倒。パンタってこうなってるのか……。


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▲避雷器だけのランナーが!これ、屋根上の異なる1次型とかもやるよという意思表示なのかな?とホクホクしたり。


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▲前面窓上のひさしパーツも別ランナーになっていて、これまた「1次車もやるかもね!」ということなのか?どうなのか??


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▲車体全面飾り帯はちょっとショートしちゃってますが、製品版ではしゃきっと出るはず。中央部の切れ込みが幅狭と幅広の2パターン用意されています。


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▲こちらのランナーも2枚入り。ここには床下、屋根上のパーツが縦横無尽にとまとめられております。


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▲アース・ウインド・アンド・ファイア。スノープロウとスカートと運転台屋根ですね。スカートは原型のものなので、開口部少なめです。屋根の形が最高にエロい。


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▲このシリーズのすごいところは「およそ外観で独立していそうなものは全部パーツが分割されている」というところでしょう。


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▲連結器だってスライド金型でこうして整形されていて、実際作動するように自分で組み上げるんですから、全体像より構造に詳しくなれます。


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▲台枠と床板のパーツ。こちらもそれぞれ一体成型です。


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▲あらためて車体の幅にビビってください(60mmオーバー!)。配管類は浮き彫りになっていますね。


ちなみに、(ここまで見た人ならなんとなく気づいているかと思いますが)車体内部は運転台以外は再現されておらず、空洞です。
完成後に車体をまるごと取り外さないと見えないところだけに、再現するかどうか開発の人も悩んだかとは思いますが、
個人的には一体成型のそれっぽいものがごちゃ~っと入っているだけでも嬉しかったなぁと思う半面、どんだけ巨大なパーツになるんじゃというのもありますね。
ポジティブに捉えるとすれば、電源を入れたりそれっぽい機器類を自作するなり、ユーザーに委ねられた空隙があるよ、ということでしょう。


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▲忘れた頃にまた足回りのパーツが出現します。このプラモ、半分以上のパーツが足回りに費やされてます。駅ホームから見えないところが、一番すごい再現度。


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▲車軸と台車をつなぐ軸箱。こちらもスライド金型でむっちゃ複雑。金属製スプリングで実車同様にギコギコと上下動します。


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▲この無数の細かいパーツたちを見てワクワクするか、ドン引きするかは人それぞれ。しかし、DD51を組んで確信したのは「組むとめっちゃ理解できる」ということ。


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▲金属製のOJゲージ車両だと真鍮板の精密な組み立てによって車体側面ルーバーが抜けていたりしますが、さすがにこれはプラモなので彫刻表現となっております。


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▲こちらは運転台の壁とかワイパーとか。プラで全部再現してやろうという気概がムンムン伝わってきて、最近の香港あたりのメーカーが出すAFVモデルに近い印象。


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▲ナンバープレートの取付枠は特急シンボルマークと一体。ヘッドマークのパーツも用意されております。


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▲屋根上と屋上の歩み板、高圧配管周り。ちなみに肩ルーバーはエッチングパーツがおごられるようで、3DCGを見る限り2連のもの(1次車風?)となるようです。


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▲高圧配管のアップ。右の方の束ねられながらもうねる処理が、プラスチックで再現されているのにニヤニヤしてしまいます。


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▲2枚入のクリアーパーツ。Hゴムを塗るのとか、全面の窓枠とのマッチングとかが気になるところなので、これは追って検証。


上に示した成形品のほかに、金属線やポリパーツ、スプリングの類がドッチャリと入っており
さらに製品ではおそらくデカールやメタルインレット、エッチングパーツなどが追加されてパッケージングされることが予想されます。
何しろ今回は射出成形機から出てきたほやほやのプラスチックパーツを頂いたのみであり、同梱されていた説明書もまだ手書きのドラフト段階のもの。
金型の磨きや成形条件が煮詰まっていないところもまだまだ散見されますが、基本的な彫刻についてはカンペキに終わっている、という感じでしょうか。

アオシマでは11月の発売に向けて上記のモロモロを頑張って煮詰めているところだと思いますので、
このブログでは今回頂いたパーツをとりあえずドバーッと組んでみて、実際に発売される製品版の予習としつつ、
これから購入予定の皆さまや検討中の皆さまのテンションが上がればいいなぁと思いつつ、ひとまず後編につづく、ということにいたします。

ということで、アオシマのEF66、現段階で考えうるもっとも精密で巨大なプラスチックモデルキットです。
真鍮製のOJゲージ完成品となると50万円を優に超える超ハイスペックな趣味ではありますが(当然こちらは走るし光るし音が出るし重いしヤバい別の遊びです)、
実売1万3000円程度で同等のサイズ、圧倒的な存在感の電気機関車を自分で組み立てて理解する歓びとともに手に入れることができるというのは
やっぱり大事件だと思います。

ウェザリングとかツルピカな仕上げとか、じつは他ジャンルのモデラーでも腕が鳴る表現がいっぱい想像できる鉄道プラモの世界。
みなさまも、ぜひ。




Commented at 2018-10-12 04:40 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by kala-pattar | 2018-09-24 21:00 |  →SPRUE CRAZY | Comments(1)
“LWGY”