アオシマの放つ「超巨大な電気機関車のプラモデル」、トレミュEF66の細部に迫る【前編】
2018年 09月 24日
はい。11月発売予定となっている青島文化教材社 1/45 トレインミュージアムOJシリーズ No.4 電気機関車 EF66 後期型です。
発売前ですが、下記のようなモロモロがあって、いま自宅にテストショットがドドーンとあります。すごいボリューム。
コンテナだ!貨物だ!電気機関車だ!ということでこの夏は撮ったり走らせたりの日々だったのですが、なかでも超嬉しかったのはEF66 27号機との邂逅。
誕生から50年が経過した、決して新しいとは言えない電気機関車ですが、その優雅でありながら力強さを感じさせるヨーロピアンなスタイルは
さながらダブルゼータガンダムみたいな豪華さであり、今でもその姿を一目見ようと多くのファンを引きつけてやまない魅力があります。
私のおじいさんがくれた初めてのNゲージ、それはKATOのEF66で私は四歳でした(本当の年齢は忘れた)。
その味は甘くてクリーミィで、こんな素晴らしいキャンディをもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。
ヴェルタースオリジナルの話は置いといて、とりあえず模型界の狂犬ことアオシマがEF66のむっちゃでかいプラモデルを出すぞ!というのが
昨年の静岡ホビーショーで発表されたのです。「素晴らしいキャンディことEF66のむっちゃでかいプラモデルほしい」とこのブログとかTwitterで騒いでいたところ
アオシマさん(ここでは狂犬ではなくさん付けとします)から当ブログにぜひ、とテストショットが着弾したため、まずはその成形品をねぶり尽くそうというのが
本エントリの趣旨でございます。超嬉しい。ありがとうアオシマさん。
▲EF66というのはこれです。超かっこいいですね。誰がどう見てもカッコいい。
アオシマが展開するトレインミュージアムシリーズは1/45 ・軌間24mmのプラモデルでございまして、
現在はDD51のバリエーション3種が発売されています。今組んでるんですが、1200パーツとかあって台車とエンジンと流体変速機組むだけで1週間くらいかかっており
なかなか「俺はいまディーゼル機関車を組んでいるぞ!」というカタチにならないのですが、まあたまにはそういうプラモもいいじゃないですか。
で、EF66はどんな仕上がりなのかなかなか情報もないところですので、例によって例のごとく、ランナーを眺めることとします。
大量の積載機器に運転台をくっつけるとどうしても全長が長くなってしまう電気機関車ですが、
EF66は流麗な前面形状を意匠として取り入れながら、運転士の視界確保を兼ねて運転台を高くしたことにそのデザインのオリジナリティがあります。
ちなみに車体のパーツを見る限りは側面の点検ハッチモールドなどが入っていないのですが、一応プロトタイプは大きく「二次車」とくくられております。
DD51はデッキ、ボンネットがけっこうバラバラに分割されていて全体の形状が把握しづらかったのですが、
今回はこうして一体型の車体が入っているので組み立てている途中でも「俺はいまEF66を組んでいるぞ!」というテンションがキープできそうです。
完成後に車体をまるごと取り外さないと見えないところだけに、再現するかどうか開発の人も悩んだかとは思いますが、
個人的には一体成型のそれっぽいものがごちゃ~っと入っているだけでも嬉しかったなぁと思う半面、どんだけ巨大なパーツになるんじゃというのもありますね。
ポジティブに捉えるとすれば、電源を入れたりそれっぽい機器類を自作するなり、ユーザーに委ねられた空隙があるよ、ということでしょう。
上に示した成形品のほかに、金属線やポリパーツ、スプリングの類がドッチャリと入っており
さらに製品ではおそらくデカールやメタルインレット、エッチングパーツなどが追加されてパッケージングされることが予想されます。
何しろ今回は射出成形機から出てきたほやほやのプラスチックパーツを頂いたのみであり、同梱されていた説明書もまだ手書きのドラフト段階のもの。
金型の磨きや成形条件が煮詰まっていないところもまだまだ散見されますが、基本的な彫刻についてはカンペキに終わっている、という感じでしょうか。
アオシマでは11月の発売に向けて上記のモロモロを頑張って煮詰めているところだと思いますので、
このブログでは今回頂いたパーツをとりあえずドバーッと組んでみて、実際に発売される製品版の予習としつつ、
これから購入予定の皆さまや検討中の皆さまのテンションが上がればいいなぁと思いつつ、ひとまず後編につづく、ということにいたします。
ということで、アオシマのEF66、現段階で考えうるもっとも精密で巨大なプラスチックモデルキットです。
真鍮製のOJゲージ完成品となると50万円を優に超える超ハイスペックな趣味ではありますが(当然こちらは走るし光るし音が出るし重いしヤバい別の遊びです)、
実売1万3000円程度で同等のサイズ、圧倒的な存在感の電気機関車を自分で組み立てて理解する歓びとともに手に入れることができるというのは
やっぱり大事件だと思います。
ウェザリングとかツルピカな仕上げとか、じつは他ジャンルのモデラーでも腕が鳴る表現がいっぱい想像できる鉄道プラモの世界。
みなさまも、ぜひ。
by kala-pattar
| 2018-09-24 21:00
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