ミニ四駆で組み立てる「ルマン優勝車」に模型のメディア性を読む

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全日本模型ホビーショーが終わりましたね。
タミヤブースでは未発売商品の先行販売もおなじみとなりつつあり、今回はMMシリーズのシェリダンやM3A1スカウトカーが大人気。
まあそのへんは市販されたら買おうかな〜という気持ちもあり、私はミニ四駆のトヨタ ガズーレーシング TS050 HYBRIDを買いました。

ボディはポリカーボネイト製(薄くて透明な樹脂を型に押し当てて成形したもの)となっており、
RCカーなどではおなじみのこの素材、カットが微妙に難しかったりしますが、裏からポリカーボネイト用のスプレーで着色して表面の保護シートを剥がすと
塗装が下手っぴな人でもツルッツルの光沢ボディが手に入ります(また、ぶつかっても塗装が剥げないし、プラスチックより破損しづらいですね)。

今年のル・マン24時間レースで悲願のワンツーフィニッシュを遂げたトヨタのマシンですが、
完成品ミニカーこそあれど、ラジコンやプラモではまだ手に入れることができません。
模型の国の人なので、やっぱり模型があると欲しい。ミニ四駆だって、自分で組んでシールを貼って、姿を確かめるメディアですよね。


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▲シールがハードコアです。


驚いたのは、シールの素材。ホイルシールやテトロンシールではなく、薄くて柔軟性があり、かなり伸びます。
白い基材の隠蔽力も非常に高く、印刷も高精細で見た目は非常に美しい。美しいですが、貼るのはめちゃくちゃに難しい!
東京シール大学のシール学部ステッカー学科を主席で卒業した人じゃないとシワなく貼るのは困難なのでは!?

しかしまあ、泣き言を言っていてもしょうがないので貼ります。
貼ると、まごうことなきTS050が出現します。そらそうだ。出現するように作ってあるんだから。


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▲これ以上クローズアップにしたくないけど、満足感はあります。7号車なのは、小林可夢偉選手リスペクトだからです。


考えてみればモータースポーツの模型は歴史上の物体か過去の製品の焼き直しかF1の最新マシンがちょろちょろ発売されるくらいのもんで、
例えば佐藤琢磨がインディ500で優勝してもプラモにはならなかったし、フォーミュラEというマジモンのミニ四駆みたいなマシンで
超レジェンド級のドライバーがビービー走っているのもプラモにはなってないし、なんというか「レース業界の今」というのが
模型というメディアで体感できなくなって久しい気がします。

正直、寂しい。

そりゃ昔のほうが奇天烈なカタチの車があったり人がバンバン死んだりとドラマチックだったかもしれません。模型もリアルタイムで発売されてました。
いまは版権の問題でロイヤリティがクソ高いとかスポンサーの監修がすげーとかめんどくさいことも多いのかもしれません。
そもそも完成品ミニカーが安すぎて、買ってくればその時点で手に入るのに自分で組み立てるのとかはあんまり流行らないのかもしれません。

だーけーど、
やっぱりプラモで欲しいじゃん、と思ったときに、こういう製品を応援することは大事なんじゃねーのと思い、
別にレースに出たりするわけじゃない自分もミニ四駆を買って応援したんですね。

もしこのミニ四駆がいっぱい売れれば、ナウいレーシングマシンをササッとプラスチックのミニチュアで味わえるようになるかもしれないし。
まあそういうイデオロギーみたいな話はどうでもいいっすよ、という人も、なかなか噛みごたえのあるこのミニ四駆、
(塗装とハードコアなシール貼り工程がマストなので、ガンプラよりは絶対にめんどいかわりに、俺がやったぞ!という感触は大きい。)
ぜひとも買って組んでみてください。なかなかかっこいいですよ。



by kala-pattar | 2018-10-06 22:00 | プラモデル | Comments(0)
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