【パチ組みの月曜日】60年前の舶来キット、B-24リベレーターを貼る

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その記事を見た海洋堂の宮脇センムとマシーネンの横山宏さんから「爆撃機のプラモが楽しいと思うならレベルのB-24を組むべし!」というお告げをもらいました。
死ぬほどプラモを集めているおじさんと、死ぬほどプラモがうまいおじさんによる勧告ですので、ヤフのオクにコンマ3秒で突撃した次第です。



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▲ドイツレベルという会社から1964年に発売されたプラモデル(これは76年の再販モノと見受けられます)。


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▲ヴォー(声にならない声)


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▲鋲が宮崎アニメもかくやと言わんばかりの勢いで打たれており、スジボリというより板がたくさんありますという表現がすごい。


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▲引きで見ても迫力がパない。あと着陸脚とか銃座とか動翼は全部動くように設計されています。比較的絵に描いた餅ですけど。


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▲胴体もこんな感じで、実物がこんなんかといえばそんなわけないんですけど、プラモというのは実物より実物っぽくガーッとするものなのでいいのです。


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▲爆弾槽の蓋がシャッターになっていて、スジボリがよれよれしていてなんかこう、実在感がすごいんですよ。


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▲スリーアミーゴス。操縦桿を握って寒そうにちょこんと一体成型されているのが可愛すぎる。


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▲染野助染太郎。機銃を撃たされています。下半身がそのまま銃座の可動軸にされるというなかなかのプレイですが、こっちもかわいい。


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▲イマドキのキットならエンジンを内側から入れて……となりそうですが、カウルにディテールが彫ってあるだけ。充分でしょ。よく見えないし。


パーツ数はたった80個。合わせ目?バリ?気にしてたら完成しない。
なによりヤスリを掛けたらリベットを打った金型職人の仕事を冒涜することになるぜ……。

キングオブ生魚、プラモのプラモたる所以をそのまま踊り食いしようじゃないか。
貼って、満足して、次に行く。これがプロダクトとしてのプラモに対する、最高の敬意の払い方だと言い張るぜ……。

いや、塗りたくなったらあとから塗ればいいし、失敗したらヤフのオクなりなんなりがあるじゃないか。
(当然昔のプラモを今の技術でかっこよくするのもいいんですよ。いいんですけど、それは誰にでもできることじゃないからさ。)

命短しパチ組めよ乙女。ゴロは悪いが、俺は貼りたくなったら貼る男。


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▲銃座に座るルーク・スカイウォーカー


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▲こっちがハン・ソロ


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▲腹の底にボールみたいな銃座がもう一個。これが電動でウイーンって出たり入ったり回ったりする。絶対こんなところに入りたくない。


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▲貼ったあともフラップが出たり入ったりする。おもろい。


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▲何度も言うけど、スジボリじゃなくて金属の板がたくさんあるように見える、この表現力。パーツ数の多さじゃないんだ。精密さじゃないんだ。


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▲文句なしにB-24Dに見えるし、なんならこの色がかっこいいじゃん。


「いいプラモ」ってなんだろう。
そこにはいろんな答えがある。組みやすいやつ、塗りやすいやつ、塗らなくても色分けされてるやつ。
動くやつ、正確なやつ、精密でシャープなやつ……。
しかし、ここに正確じゃないしシャープじゃないし組みやすくないし精密じゃないけど、すごく楽しいと思えるプラモがあった。

説明書を読んでいると、伝わってくる。パーツの状態で必要な色をちょいちょいと塗って、ドドドっと貼って、バーンと完成する。
接着剤が回り込んじゃって、動くはずのところが動かなくなったり、クリアーパーツと胴体のあいだに隙間が空いたりする。

それはイマドキの「プラモ観」とは少し違う体験かもしれない。
だからって、どんな古いプラモもイマドキの作り方をしなければいけないわけじゃない。
当時の人が「傑作だ!」と思ったものは、いまも間違いなく傑作なのである。
僕らにだって、当時の大人も興奮したプラモを60年前のこどもになって組む権利があるはずだ。

さあ、来週の月曜日、あなたは何をパチ組みますか?

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by kala-pattar | 2018-12-03 22:39 |  →SPRUE CRAZY