噂のコードレス式エアブラシを使ってみたのでレビューするよ

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はい、ホースもなければ電源コードもない、ハンディタイプのエアブラシが大陸からやってきたのでレビューします。
なぜかというと、風呂場で全裸でクルマのボディを塗装しないとホコリが噛み込んで悲しい思いをすると知ったからです。
メーカーはGocheer(ゴシェール)。あの激安超ギミックなヘッドルーペも手がける中国の会社です。
こちらなんと実売6399円。中学生のオレが知ったら泣いて喜ぶだろうな〜と思いつつ、とりあえず買って試してみるしかない。
結論から言いますと、「そのままだと使いどころが限られますが、それなりに訓練を積めば使えます」という感じです。



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▲見た目は案外カッコいいんですよ。最近のガジェットって感じ。


全体が赤いアルマイト処理みたいな感じでそれなりに見た目の盛り上がりがあります。
ハンドピースの下に充電池とコンプレッサーが一体になった筒(直径は44mm弱)が装着され、重さは体感で200gくらいでしょうか。
ダブルアクションっぽい見た目のハンドピースですが、ボタンの下にスプリングが入っていないため、
実質引きしろのみで塗料の流量を変更するシングルアクション的な使い方に限られます。
コンプレッサー側に余剰のエアを抜く機構がないため、ダブルアクションにすると負荷がかかりすぎるのかもしれません。


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▲ニードルとノズルの精度はまずまず。目測でもキレイにまっすぐミストが飛んでいます。


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▲円筒の下の開口部はUSBによる充電ケーブルを差し込むところ。上部の白いのがON/OFFスイッチです。


スイッチをオンするといきなりエアがどわーっと出てきます。
脈動はあまり感じませんがそれなりに圧があり、カタログ値17.4psi(およそ0.12Mpa=クレオスのL5の出力)というのも嘘じゃない感じです。
ただ、レギュレーターでも噛まさない限り0.12Mpaのエアが吐出され続けるため、吹き味は完全に塗料の希釈度合いとボタンの引きしろで決定されます。
(そのため、引きしろ調整のネジが付いているのは加点ポイントだと言えましょう。)


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▲材質は謎ですが、かなり柔らかい金属なので過剰に分解清掃したりするとすぐぶっ壊れそうです。


吐出されるエアの圧から「こりゃ繊細な作業(例えばこまかい迷彩塗装とか)には向いてないな」と思ったため、
まずはガイアノーツのサーフェイサーエヴォ ホワイトをやや濃い目に希釈したものをドバーッと吹いてみました。


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▲案の定、濃いめの塗料を圧高めでガチッと吹くと非常にいい感じです。


薄い塗料を高い圧で吹くと(対象物との距離にもよりますが)対象物の上に液体のまま溜まった塗料が流されてしまい、良い結果になりません。
なので、このエアブラシをツルシで使うならば「結構濃い目の塗料を距離と引きしろに気を使いながらガッチリと乗せていく」というのが正解でしょう。
例えて言うなら、自分で好きな色を作ってそのままドワーっと丸吹きする、缶スプレー的な使い方に限られるかと思います。
(細い線を描きたければ、やや塗料の流動性を高めて引きしろを小さくし、ごく近くから吹くイメージとなりますが、
やはりこれだけ圧が高いとどうしても飛沫が遠くまで散っていきますので何かしらの工夫が必要になるかと。)

ただ、バーっと吹いてそのままそのへんにトンと置いておけるのは非常にストレスフリーで、
エアブラシを所定のハンガーにかけて、コンプレッサーの電源をオン・オフして……という手間もなければ、
ホースが何かに引っかかってあらら〜というトラブルが無いのも大変によろしいことです。これは本当に素晴らしい。

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▲試しに細い線も描いてみましたが、塗料の飛ぶ範囲をコントロールするのが難しいですね。


たとえばガンプラのパーツをマルっと塗るとか、カーモデルのボディや飛行機模型の1色目をドバっと塗る、というときに
このエアブラシを使うのは「アリ」だと思います。少なくとも、筆塗りでは絶対に得られない均一で美しい塗膜が手軽に得られるのは最高。
ただ、細かい迷彩や美しいグラデーションを描こうと思ったら、エアの圧が調整できない上に強いため、少々難儀するでしょう。

また、内部の結構重篤な場所でシーリングをサボっているっぽく(これは個体差かもしれないので断言できないのですが……)
溶剤でうがい洗いをしていたらカップからボタン側に向かって塗料がどわーっと流れ出てきました。
固着したら大変なのですが、まあこれはコンプレッサーの問題と言うよりも安価なハンドピースの問題なので、本質的にはシカトしたいところ。


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▲反面、ベタッと乗せた白は非常に平滑に広がります。広い面積の光沢塗装なら問題ないかと。


コンプレッサー側のネジの径は「M7 0.5オス」で、日本で流通しているそのへんのエアブラシを直接装着することは出来ません。
しかし、この辺のネジ径は変換アダプタがいっぱい市販されていますので、
ひとつは「途中にレギュレーター(エア圧変更装置)をかます」というパターン(ただしこれではコードレスの意味が薄れますね)、
もうひとつは「ぶっ壊れるかもしれないけどエア圧変更可能なタイプのハンドピースをアダプタかまして装着する」というパターンが考えられます。
この辺は完全に自己責任になってくるのと、ネジの径についての知識が必要になりますのでご留意を。





それにしても、まがりにりにもエアブラシと言えるものが6000円そこそこで買える、
しかもコードレス!というのは結構な衝撃ですので、気になる人は買ってみて損はないと思います。
これを使ってより細かい作業をしようと思った場合は、それこそステップアップか工夫が必要になりますが、
当ブログでもそのへんは追って試してみようと思っておりますんで、まずはツルシのファーストインプレッションということで。



by kala-pattar | 2019-01-11 00:19 | プラモデル