シド・ミードのデザインを買って、手元に置く話

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公私共にやたらめったらと忙しく、それを口実にニッパーを握ることから逃げまくっており、
ゆっくりパーツを切り離したり無心でヤスリをかけたりするあの静謐な時間とはなんだったのだろーかと思うほど。
とうぶんこの忙しさは続きそうなんだけど、改元のそわそわとした空気の中で、区切り的にブログを更新する必要もあるわけで。

で、先日からアーツ千代田3331で始まった『シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019』を覗いてみようかと
買い物ついでにアキバへ行ったら混んでるのなんの。GWの初日から大行列で、とてもじゃないが待っていられない。
ということで、展覧会に向けてテンションを上げるために買っておいたバンダイの『ヤマト2520』をハライセに(?)組んだ。
冒頭の写真はその台座パーツである。おそらくここはシド・ミードの手によるものではないが、まあそれっぽいのでいいのだ。


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▲艦底にある艦載機発進口から船体側面にかけて。このふくらみとか、なでさすりたい曲面じゃないですか。太いスジボリと細いスジボリの奏でる未来よ。


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▲艦橋。めちゃめちゃかっこいいんだよな〜。側面のレンダリング(人力だよ)なんて、もう最高にミードなのだ。


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▲機銃は最近のメカコレ見ちゃうとややあっさりもっさりですが、まあ1995年のプラモなのでこんなもんでしょう。


あいにく(幸い?)YAMATO2520という作品は見たことないしどういうもんだか知らんけど、昔からミードデザインのアイテムとしてすごく気になっていた。
こういうのをシャキッと作ってピシッと塗るのもいいんですが、いかんせん時間がない。
そもそもまじめに「ヤマト」として作ろうにも、箱に入れられた説明書(A3四つ折り!)のポスターより美麗な見た目になる気がしない。
なんともぼんやりとした組み味のプラモで、隙間やミードデザインの解釈間違いも散見される。でも、間違いなくミードのプロダクトなので、無性に愛おしい。
陛下が退位なされる前にどうにかしようと思って白く塗り、ババっと墨入れしてシャーペンで線書いてフィニッシュ。


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▲こういうケント紙みたいな質感のプラモが欲しかったのだ。エンピツの線は仮なので、あとでシャキッと清書するつもり。


ミード氏とはMGターンAガンダムが発売されたときに雑誌の仕事で2週間ほどやりとりをした。
最初はマネージャーを通してだったが、こちらからああでもないこうでもないと質問をしたり、作例の途中写真を投げかけたりしても
懇切丁寧なメールが返ってきて、心底嬉しかったのを覚えている。その冬には、彼から手書きのメッセージが入ったクリスマスカードまで届いた。
楽観的でかっこいい未来はもしかしたらノスタルジアの一種なのかもしれないけれど、忘れてはいけない感覚だと思う。
新しい時代が来ても、ワクワクしたいもんですね。




by kala-pattar | 2019-04-30 23:40 | プラモデル