夏の終りのスター・デストロイヤー

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このスター・デストロイヤーがたった1時間で、接着剤もなにも使わずにババっと完成すると聞いたら驚くじゃないですか。
俺はめちゃくちゃ驚いた。だってもう、これ映画のワンシーンのキャプチャですって言われたら「ああそうですか」って思っちゃうもん。


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しかもですね、サイズが上の写真くらいしかないんですよ。信じられますか。どんだけ凝縮感あるディテールなのかと。
小さいから大味なのかというとそんなことはなくて、拡大すると彫刻がドバドバ湧いてきて、自分のサイズ感を忘れるレベル。
合わせ目消すとこ、いっさいなし。ふにゃふにゃしてて組みづらいところ、いっさいなし。


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▲ゲートの太さから想像してください。めちゃくちゃこまかい。


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▲ここまで拡大するとプラスチックの肌の荒れが見えてくるレベル。


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前に書いたミレニアム・ファルコンと同様、いろんなプラモのパーツがめちゃくちゃ小さくなって再現されています。

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▲スライド金型バンバン使ってます。


このスター・デストロイヤーなんですが、とにかくパーツ数が少ない。
なぜかというと、中にLEDを仕込んで窓が光る「ライティングモデル」という特別エディションの製品も同時発売となっており、
LEDの光がパーツ同士の隙間から漏れたら困るのでひとつひとつのパーツをなるべく一体成型にしてガスンガスン組み合わせる設計になってるんですね。

ガンプラだと「ああ、腕ですよね」とか「うん、脚だね」みたいなのがだいたい同じ様式になってて、最後にできるカタチが違ったとしても
ザクでもドムでも基本的なパーツの構成、組んでいるときの味というのは似たりよったりじゃないですか。

しかし、ディテールがバッキバキに入った30cmくらいのスター・デストロイヤーの模型(しかも中にLED突っ込んだら光る)なんて誰も組んだことない。
つまり、似たプラモがないんですよね。
プラモの開発百戦錬磨のバンダイも「こんなの設計したことないし」と思ったはずなんですよ。

するとどういう事が起きるか。

とにかく、「えー!そこがそう組み合わさるの!?」「えー!このパーツまで一体成型なの!?」という驚きが、ほぼ全パーツにあるわけです。
地味に左右非対称だったり上下非対称だったりするビチビチに細かいディテールの入ったパーツたちが、
みたこともない精度で、見たこともない滑らかさでカチリパチリとハマっていく。しかも、ここぞ!という緩急があるのではなく、
初っ端から最後の一手まで、全編爆発シーンの大スペクタクルなんですよ。ワイルド・スピードでもこんなに爆発しねえよ、っていう。


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▲ライティングモデルではこの微細な穴(直径0.3mmくらいかな)から中に入れたLEDの光が漏れることで窓がキラキラ光って見えるのだ。


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▲しかし、こんなにプラスチックが透けないのもバンダイの技よ。


普段オレは「プラモの進化は技術じゃないぜ、アイディアだぜ」と力説しているんですけど、今回ばかりは違う。
なんせ、こんなに細かいディテールの入ったパーツにコンマ3の穴を無数に穿ち、それを光が漏れないようにドッカンドッカン一体化して設計し
それをそのように射出成形して、ハコに入れて、それを切って手でえいと押し込むだけで誰でも確実に作れるようにする。
そんな事ができるのは、どう考えても世界にバンダイスピリッツしかないのですよ。

しかも、これまでのスター・ウォーズシリーズやメカコレクションシリーズで培ってきた経験値や精度を確保する何かしらの「匠の技」が
このスター・デストロイヤーのプラモには凝縮されている。密度と、おもてなしと、"光る"という問答無用のギミックのトリニティ。
パーツ数を自慢するでもなく、巨大さを自慢するでもなく、色分けでも可動でもなく、「ものすげえ単色無可動のスケールモデル」として結実しているんです。
想像してみてください。これと同じ思想で実在のメカをバンダイがプラモにしたら、世界はどうなっちまうんだ、と。


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▲もちろん、実際に映画撮影で使われたプロップ(模型)のリサーチは十全。目の前にあるのは、ほとんどホンモノと同じなんだわ……。


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▲このパーツがサクッとはまるときなど、「うわー!!!」と絶叫しますよ。ほとんど恐怖体験。


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▲デザインナイフの刃が大きいわけじゃないからね、これ。


プラモを組んでいて驚くときって「おっ、そうきましたか〜」みたいなのが1つあればそれだけでも嬉しいのに
「えー!」「まじで!?」「嘘でしょ!?」って全パーツで叫ぶことになるとオレは思っていなかった。それくらい、すごい。
ディテールの洪水と、あらゆる嵌合(パーツ同士のハメ合わせ方法)の四十八手に悶絶しながら、みるみるうちに目の前にスター・デストロイヤーが出現する。
一度ニッパーを入れたら、もう最後まで走り切るしかない、驚愕の1時間。


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▲なんかパーツ数多そうに見えますけどここで20パーツ以内に収まってるんですよ。まじかよ。


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▲スケール感がバグっていきます。1/5000らしいですけど、もっともっと大きく見える。


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▲どうしてくれよう。


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▲ありがとう。おめでとう。


モチーフにゼロから向き合い、真摯にこれを再現しようとし、誰でも確実に組み立てられて、なんなら発光しているさまを楽しめるようにする。
そのために、バンダイが持っている経験値、他社には真似の出来ない技術がここに集結して、革命的なプラモが出現してしまいました。
正直、おれはこのプラモ、PGミレニアム・ファルコンをも超越したプロダクトだと思います。
もしあなたが、プラモに少しでも興味があって、その最先端で起こっていることを知りたければ、SWのファンであってもそうでなくても、
絶対に組むべきだと思います。
バンダイのプラモを褒めるの、すっげえ悔しいんですが、今回ばかりはもう我慢ならん。このプラモが存在する世界に住んでてよかった。
みなさんも、絶叫しながら組んでみてください。本当に、ビビります。
ぜひ。






by kala-pattar | 2019-09-09 21:04 |  →SPRUE CRAZY | Comments(0)