人生でいちばん好きな飛行機のプラモが新発売された人の話

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エアフィックスというイギリスの老舗プラモメーカーがあるんですが、
何度も倒産したりしつつも大英帝国の意地でなんとか踏ん張り、いまや「めっちゃわくわくするプラモを出しまくる会社」として
世界中でちゃんと評価されていてえらい。
で、そこから私が世界でいちばん好きな飛行機のプラモが発売されちゃったので、これはもう買うしかないのです。



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▲おれは本社に注文して8個買った。みんなは何個買いますか。好きなものはたくさん買おう。


たくさん買うとどんないいことがあるかというと、まず家に大量のバッカニアがあるので「バッカニアがなくなったらどうしよう」という心配から逃れられます。
そして、気楽にホイホイ組むことができます。ホイホイ組むことでプラモに潜むトラップがどこにあるかを突き止め、そこをクリアできる。
簡単に言うと、死に覚えゲーのリセットボタンがむっちゃある状態です。8機あればマリオだってそこそこイケるでしょう。


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▲まずパイロットが入っています。パイロットが入っているプラモは最高なので、パイロットがあるプラモを買おう。


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▲今風のしゃきしゃきしたディテール。7番の計器盤の上のアンチグレアカバーの上の細い配線もピンピンだよ。


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▲イギリス人が大好きなスリッパータンク(主翼にべったりくっつく燃料タンク)もめちゃめちゃおもろい分割で、貼りたくてたまらん。


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▲テイルコーンがバックリ割れてエアブレーキになる。左右が一体成型されていて角度がビシッとキマり、ディテールもこの通り。


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▲インテークと胴体のケタと部屋とYシャツと私が成形されているバッカニアが21世紀に出る喜び。生きててよかった。


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▲このなんとも言えないモワーっとした曲面で構成される機首は左右に割れており


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▲だんご3兄弟を横倒しにしたような胴体中央部は左右に割ると破滅するので上下に割られています。バッカニアの傑作キットが生まれづらい所以。


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▲主脚なんですけど、ホイールが一体成型されていてホクホク顔になっております。最高です。


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▲外から見える開口部は全部再現してやろうというエアフィックスらしからぬサービス精神旺盛なパーツ構成。開発陣が異常に気負っているのが伝わってくる。


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▲スジボリが他のメーカーより圧倒的に深く、陰影が鋭い。ヤスリを少々掛けたところで消えないモールドに、ありがとうの一言。


8機あるので、まずはどう組めばかっこよく仕上がるのかをリサーチするために接着剤とニッパーだけでじゃんじゃん組んでいきます。
これが人生で一回の邂逅だと思うと身構えてしまいますが、リリーフのマリオが7機いるので何も怖いことはありません。
みなさんも「大人になったらビシッと作るぞ」と思っているプラモこそ、複数買いして軽率に組みましょう。
3回も組めばうまくなっていますから、びしっと組める大人に成長するんです。メーカーも嬉しい、あなたも嬉しい。外野は放っておいてください。


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▲前席と後席が左右にオフセットされていて、前の黒板がよく見えるというバッカニアのコクピット。照準器の位置が間違ってたので後で直した。


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▲上下分割の胴体にケタと臓物がずんずん入っていきます。モチッとしたプラの切味がまた、非常に気持ちいい。


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▲裏返すと脚収納庫が専用のハコなのではなく、空気の流路がむき出しになって内と外が接しているセクシーな状況が確認できます。


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▲主翼は展張状態と収納状態で選択できますが、まずは展張。厚みと強度をキメる補強パーツが表面のディテールを兼ねていて、バリエーション展開に対応。


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▲尾部はまた左右分割。どこから貼っていけばキレイになるか見極めて、そこにクリップを噛ました状態で流し込み接着剤をツッツッツと流せば歪まない。


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▲左右、上下、左右と割られた機首、胴体、尾部が完成し、ドッキングに備えます。


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▲デューン……


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▲翼端がまるっとクリアーパーツになっていて、ライトをちまちま貼らなくていいのがすごいおしゃれ。


組んだ感想としては、
■バッカニアにしか見えない飛行機が、目の前に爆誕する。最高。

もしも気をつける点について言うならば……
■やっぱり合わせが難しいところは存在する。とくにインテーク〜主翼付け根の部分は曲がりくねった分割線が曲面の上を走るため(これは機体の形状のせい)、
CAD/CAMの力を持ってしても、ビシーっと合わせることができずに段差がズレが生じてしまいます。これは世界のトップメーカーでも厳しい形状かも。
■エアフィックスにしては微細なパーツが多い印象。開発陣が「バッカニアをリニューアルするならこれくらいやらんとダメでしょ!」と
やや真面目に取り組みすぎた感は否めない。少なくともまあまあ高価なピンセットがないと、全てのパーツを貼るのは無理かも。
(とはいえ、人間には小さいパーツを無視するという権利があることは日本国憲法にも書いてありますので、恐れずバッカニアの形を楽しもう)
■インテークやエキゾースト周りの合わせもやや難しいので、パテかすり合わせか、その都度対処が求められるかも。
(しかし、塗ってデカール貼ったらほとんどわからないのでシカトしても全然だいじょうぶです)
■爆弾倉の後端の壁がツルツルで、説明書に入っているモールドがない。加工忘れた?&爆弾倉に入れる爆弾がない
(上記二点については、裏返さなければわからない。他人のプラモを裏返して見る人間はパンチしても大丈夫なので、忘れましょう。)
■格納状態の主翼の位置決めがシビアなので瞬間接着剤とかを併用したほうがヨサゲ。


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▲続いて折り畳み状態も刺し身で食った。こっちのほうがシコシコしていて旨い。


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▲この前席と後席の間に窓があるのイギリスっぽくていいよね。キャノピーがスライドして後方に行くのもいい。接着しなくていいよ。


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▲爆弾倉のなかの丸モールドは突き出しピン跡じゃなくてパネルなんですけど、ディテールが濃いめですね。しかしかっこいいなこのビュー。


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▲ケツのバッカルコーン。アレスティングフックや外板のメコメコ割れてる感じとかも含め、メカニカルな見せ場の一つです。


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▲デューン……。塗装はダークシーグレイ1択で、マーキングが2択。


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▲家にはあと6機のバッカニアがある。こんなにうれしいことはない(アムロ談)。


ということで、私情たっぷりすぎるレビューとなりましたが「欲しい物が出るときは複数予約して買う」というの、思った以上に効くので
みなさんも欲しいプラモが出ちゃうとなったら「組む用/組む用/組む用/保存する用」くらいの勢いでお願いします。
いやしかし、嬉しい。バッカニアの新キットが出ることがこんなに嬉しいなんて。みなさんも、ぜひ。



by kala-pattar | 2019-10-14 18:06 |  →SPRUE CRAZY | Comments(0)