METAL FLAKE

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モノグラムの427コブラを組むのは2度目。
ドイツレベルパッケージのを買ったときは、成型色が全部ホワイトだった。
ボディ以外はブラックアウトして、ボディを好きな色に塗ればいいかな……と思っていたんだけど、食指がどうにも動かない。
シャシーを組んで、メッキパーツと白いパーツが入り混じったエンジンを組んだところで力尽きた。

(私の言う「力尽きた」は、数ヶ月そのまま置いといて、カッとなって作業場を掃除するときに一気に処分してしまうことを指す。
有限な人生で、次から次に模型を味わっていくにはそういう決断もときには必要だと思う。)

『フォード VS フェラーリ』を見て、やっぱりどうしてもコブラが欲しくなって、こんどは箱に「METAL FLAKE」と書いてあるのを買った。
中身は前と同じはずなのに、ラメ粉の入ったブルーの成型色はとても美しく、手を止めることなく一気に組み上げることができた。



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グロージャンがP34を塗らずにストレートで組んでいたことにちなみ、
Twitterのごくごく一部でカーモデルをペタペタ貼って完成と宣言することを「グロージング」と呼ぶ潮流がある(ホントか!?)。
モノグラムの427が実物に似てる似てないを論じられるほど僕は見識がないのだけれども、
「まあコブラにしか見えないわな」というクルマが眼前にポーンと現れると、とてもうれしく思う。

そして、成形時に色を予め付けておけるのは、プラスチックならではの美点である。
鉄やガラスや木だと、こうはいかない。

プラスチックの色、ゴムの質感、メッキの輝き。この3つがあれば、クルマやバイクはそれなりの佇まいを見せてくれる。
たしかにグレーのプラスチックは彫刻が視認しやすいし、白いプラスチックならば上に何色を塗っても塗料に影響を及ぼさない。
しかし、「ブルーのコブラがほしいな」とか「赤いフェラーリがほしいな」と思ったときに、
箱を開けて思った通りの色が飛び出してきたときの気持ち、なんなら塗らないで休みの日にグロージングをしてしまおうと思ういたずらっぽい気持ち。

「プラモには色を塗るものである」という常識が、色を塗る人の常識だとしたら。
METAL FLAKEの煌めきは、塗ってしまえば見えなくなる。
この色を選び、ラメ粉を入れてみようと思ったモノグラムの名もなき企画マンのことを思いながら
出来上がったコブラを前にチビリとジャック・ダニエルズを舐めるのも、プラモの楽しみであるはずだ。



by kala-pattar | 2020-02-17 21:30 | プラモデル