老眼よ、さようなら。ジャンボマシンダーの幻影、巨大なマジンガーZのプラモのホントの魔力。
2020年 03月 25日
デカいプラモは置くところがない? 否、置き場所を作るのである!(銀河万丈の声で)
ということで、ものすげーデカい(全高40cm超え)のマジンガーZのプラモの話です。デカいプラモって、いいよね。
何がいいかはこれから書くからまあ見ててください。
巨大なプラモデルというのは奥さんに怒られたり置くところがなかったりして皆さん尻込みしがちですが、
とにかく大きくてガコンガコン組み立てられるプラモはひとつの組み立て工程ごとの快楽が巨大。
劇場版『マジンガーZ / INFINITY』という作品に登場したマジンガーZは現代のメカデザインっぽく装甲に分割線がバリバリ走っているのが特徴ですが、
これを愚直に全部別パーツにすると小さいプラモを組んでるのと変わらなくなるので、
こちらの製品はパーツ数は少なく抑えまくりながら、巨大なパーツにギッチョリとディテールを入れるという戦術をとっています。
巨大なプラモが完成して写真を撮ると気づくんですが、
すっげえ小さいプラモだとダルく見えてしまうエッジとかすっげえ小さいプラモだと分厚く見えてしまう翼の端とかも、
全体が巨大だと相対的にシャープに見えるんですよ。
わざわざシャープに工作してやらなくても、例えば自動車とか飛行機のホンモノがカキーンとシャープに見えるのは、デカイから。
だから、プラモはデカければデカいほどシャープに見えるんですよ。
同じ理由で、深いモールドにもガツンと陰影が出るので、いちいち彫り直したりスミ入れしなくてもいい。
これは金型の中でプラスチックがうにょーんと動きながら冷え固まっていく痕跡でありまして、
むかしはこういうのがプラスチックっぽくて嫌だなぁなんて思うこともあったような気がしますが、今の私はこれが大好物なんですよね。
しかもなんというか、巨大なプラモなのでこういう些細な模様が全然気にならない。
プラスチックという素材そのものにも鑑賞距離というものはあるんだなぁ、と気付かされるわけです。
プラモ表面のヒケとかうねりとかも、小さいプラモなら欠点に見えることがあっても、デカいプラモだとなんだかセクシー。
だってホンモノの戦闘機とかもベコベコしてるし。
だから大きいプラモはヒケとかウネリとか消すと大きさわからなくなりますよ。消さないほうがいいよ。そのまま、そのまま。
とにかくこのプラモ、全体的に質感のコントロールがとっても上手いんですよ。
ツヤのコントロールとか、ディテールを入れる方向によって、プラスチックのままでも満足感がすごい。
とくに写真を撮った特の「映え(ばえ)」が圧倒的で、これはプラスチックで模型を作るということに本気を出し続けているバンダイスピリッツが
大きさというものを武器にして大きいなりの満足感を出すことに成功しているんじゃないかなぁと思わされるんですわ。
ただ単に小さいプラモが同じ形で大きくなっているんじゃなくて、大きくしながら塩梅をコントロールしている。
そういうところが、このプラモの美点だと思いますね。
ということで、ジャンボマシンダー的満足感(巨大さ由来)と、プラスチックの質感のコントロールとディテーリングによるシャープ感。
この2つがマリアージュした巨大マジンガーZ、「ガンプラがでっかくなっちゃった!」というのとは異質な体験でありますので、
みなさんも組んで「うわ、これが床の間にあったら確かに部屋が締まるわ……」と感じてみてください。
(巨大さ故にめちゃくちゃ力が必要な工程とか、説明書がやたらわかりにくいという欠点もあったりはしますが……)
大きいプラモというのは、ただ単に大きいんじゃなくて、大きいなりのアドバンテージがいっぱいあるんですよ。
ぜひ。
by kala-pattar
| 2020-03-25 00:22
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