太陽と鎖の穂高連峰〜その2

新島々を離れるアルピコのバス。
乗車率は座席換算で30パーセントくらい。
本当は寝たいのだが車内放送が面白くて延々起きていた。
時折巻き上げるウォーターカーテンは雨の凄まじさを物語っていて、
とても登山をしようという気にはならない。

新しくなった釜トンネルを見て息をのむ。
すげえ工事をしたもんだ。

上高地帝国ホテルのバス停には猿がうじゃうじゃ居た。
雨は止まない。
そうこうしているうちに上高地バスターミナルに到着。
雨装備を着込んで一服し、歩き出す。
Kamikouchi Bus Terminal
面白くはないが、つまらなくもない。
雨足は弱まったが、降っていることには変わりない。
何も考えずに歩き倒す。
徳沢で一本。
横尾で一本。
Yokoo Ohashi Bridge
横尾大橋を越えると登りらしい登りになる。
雨は降ったり止んだり。
回復傾向にあることは間違いない。
何せ天気予報は快晴なのだ。
横尾沢とついたり離れたりしながら高度を稼いでいく。
Insight!
唐沢小屋が目に入る。
今日の宿まではもう一息。
暑いのでレインウェアを脱いでガツガツと登る。
上高地からおよそ5時間弱で唐沢ヒュッテに到着した。Snow gorge
圏谷の景色が素晴らしい。
生ビールを喰らいながらしばしボー然と景色に見とれ、
至福の昼下がりを堪能する。
とにかく景色が半端じゃない。Top of Northern Alps

Omote-Ginza

Burnin' peaks
単独行と思われるおじさんと話が弾む。
相当の熟練者っぽいので明日のコースについて相談すると、

「この天気で奥穂ピストンはもったいない。
本当は北穂に行きたいんじゃないか?」

と本心をズバリ突かれる。
北穂〜奥穂の尾根を見ながら
オレみたいなシロウトでも行けるのか、と尋ねる。

「三点確保さえできりゃ大丈夫。楽しいったらありゃしないよ。
もし行かないで後悔するなら絶対に行ったほうがいい」

じゃあそうしますわ、と安請け合いして豪華な晩飯を喰らい、
死ぬほど寝た。
夜中に起きて星を見たが、小屋の電気が明るいったらありゃしない。
確かに星はたくさん見えていたけどあまり感動はなかった。
第一寒い。
そういや奥穂から降りてきたオジサマが「雪降ってた」とか言ってたな。
で、また布団に潜り込んだのだった。
by kala-pattar | 2006-09-17 15:32 | Mountain