太陽と鎖の穂高連峰〜その4

北穂から涸沢岳への道のりはもう記憶喪失状態。
なぜあそこが普通に登山道として認められているのか意味不明。
いや、決して死にはしないんだが
足を一歩でも踏み外そうもんなら間違いなく死ぬ。
いやでも踏み外さないから死なないんだろうけど。
でも死にそうなんだよなぁ。
なんというかもう写真でも言葉でも説明できない恐怖感で
でも楽しくて楽しくて
脳内麻薬がジャージャー音を立てて出っぱなしなんですよ。
もし間違えて飛騨側に落ちようものなら
さっき落とした水筒のごとく……。
うへー。
アドレナリンだかベータエンドルフィンだかドーパミンだか
とにかくもう恐怖と疲労を和らげようと脳が必死に動く動く。
なんだか知りませんが歩いてる人は全員へらへらしてるし。
とりあえずカメラを構えられたのは2カ所か3カ所くらい。
集中が切れると膝が笑って笑って
鎖にぶら下がったままボケーッとしてしまうので…。
最低コル、D沢のコル、涸沢槍……
どのポイントも記憶が曖昧だ〜。

Knife ridge


Crimbing

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途中で動くのをやめたくなるほどの恐怖感に苛まれても
行くのも戻るのも嫌な感じ。
ならばもう行くしかないのね、
とひとり納得しながら進むこと2時間あまり……。

這々の体で涸沢岳に到着。
余りの安堵感にどっかりと腰を落ち着けて大休止。

R0011013

一番右に見えている二つの山頂が北穂ですね。
そこからこちらに伸びる道(っつうか岩の色が違ってるだけのところ)が
見えるかしら……。

写真じゃ伝わらんこの高度感
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聞けば来た人来た人みんな「怖えええ」と言っているので
まあいいか。(何が???)

とにかくまあ恐ろしかったのよ。
どうも人によっては「一般ルート日本最恐」らしいね。

で、ひと下りすれば今日の宿、穂高岳山荘。
チェックインを済ませてテラスに腰掛け缶ビールを喰らう。
幸せ全開であります。

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by kala-pattar | 2006-09-17 16:21 | Mountain